「うつせみ和尚」のお説教

『うつせみ和尚の日記』二件の事故が元で『(複雑性)PTSD/鬱』になって
闘病、障害当事者として活動している者です。

読まずに死ねるか!(書評)『ボクには世界がこう見えていた-統合失調症闘病記』

2019年03月28日 21時57分57秒 | 読まずに死ねるか!(書籍紹介)

 

三日ほどで読了。

 

この本は「俺にはヤバいな」と思いましたね、

 

著者は統合失調症の当事者なのですが、統合失調症の「見る・聞く・感じる」と

 

いった世界観が生々しく書いてあり、読んでいる人が「私もそうかも」と思わせるところや

 

引き込まれる様なところがあり、読むときには一定の距離をおいて

 

読まなければ引き込まれてしまいそうになるのです。

 

これは私が同じ精神疾患者だからかも知れません。

 

病名は違いますが同じような症状もありますし、気持ちを共有出来るので

 

「俺も統合失調症?」と思わず言ってしまいそうになります。

 

統合失調症の当事者がその世界観を書いた本は少ないそうで

 

貴重な本と言えると思います。

 

著者はアニメーターで「ドラえもん」や「タッチ」、「日本むかしばなし」といった

 

作品に携わっていて、就職後2,3年目で統合失調症を発病したそうです。

 

今、私は3人の統合失調症の患者さんに携わっていますが、

 

そういう意味でも大いに参考になる本でもあります。

 

是非、統合失調症が家族に居る方や精神疾患に関係のある医療従事者には

 

読んでいただきたい一冊です。

 

 

 

 

この本、読まずに死ねるか!

 

 

 

 

 

 

 

 

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読まずに死ねるか!(書評)『開けられたパンドラの箱(やまゆり園障害者施設殺傷事件)』

2019年03月23日 00時05分20秒 | 読まずに死ねるか!(書籍紹介)

この本は今日読み始めて今日終わりました、ハイ。

この本は、月刊『創』編集部が編集した本です。

精神科医、「家族会」、担当記者などの対談やレポートを載せています。

正月に読んだ、朝日新聞社『妄信』も同じ「相模原障害者施設殺傷事件」を

取り上げた本ですが、私がこの事件に執着して二冊読んだのは

「障害者殺傷」という事への世論の動き、報道の変遷であります。

正直、犯人である「植松聖」被告を特別視するのは私は間違った解釈だと思っている。

この「植松聖」という『障害者を見る眼差し』というのは

大なり小なり皆が持っているものだと思う。

これは私が精神病院に障害者として入院し、同じところに勤めることによって

精神病院で精神医療に従事する一部の人たちの『蔑視』を体感、また見てきて

さらに患者さんたちの「家族の態度」などを体験してきた私が

患者が絶大なる信頼を置いてきた人たちの内面は複雑に感情が巡っている中で

無責任な大衆・世論が一部無責任な一過性の報道に短絡的な思いしか抱かないのは

当然のことであり、それぞれのいい加減な感想を絶対的な視点だと思っている

ことのいい加減さと実像に迫りたいと思っているマスコミ・医療者の差異を

見たいと思ったことが二冊目を読もうと思った切っ掛けです。長いな・・・

植松へのインタビューでは本書と『妄信』と差はない。

精神科医や元「家族会」の会長の心情を載せていて、

様々な角度と民衆意識のこの事件に対する「浅見」を苦慮するところは

各章に共通したところだと思った。

また本書は行政の制度、法律と精神医療の現場のギャップも対談の中で指摘している。

これは『妄信』と同じ視点ですが、植松の浅慮も指摘している。

これも前に読んだ『障害者の安楽死計画とホロコースト』にもつながり、

また、『セックスボランティア』にも通じ、

またまた私のライフワークである「・」に対する考えにも通じている。

「ここからは私と違う世界の人」という『境界』を設けることによって

『蔑視』というのは萌芽するのであり、同じ世界の中に『別世界』を設定して

「地続き」であることを否定し、また無視していくという傲慢さを内包しているだろう。

まぁ、好き勝手書きましたが差別する側は好き勝手差別しているのですから

どうって事ないでしょ。

 

 

この本、読まずに死ねるか!

 

 

 

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読まずに死ねるか!(書評)『セックス ボランティア』

2019年03月20日 22時32分34秒 | 読まずに死ねるか!(書籍紹介)

「セックス ボランティア」タイトルが衝撃的ですが、

青少年は見ない様に!(ウソ)

青少年も大いに見ていただきたい書籍です。

誰に対して「セックス ボランティア」をするのか?

それは『障害者』であります!

この本では主に『身体障害者』、『知的障害者』を取り上げている。

商売として健常者向けの「デリバリーヘルス」をやっていたオーナーが

一度お客として取った障害者を皮切りに『障害者割引』を敷いて「儲け無し」で営む人。

「一生涯、セックスを出来ないと断念した人が健常者と結婚した障害者」

「障害者専門風俗店」、「女性向け出張ホスト」、「マスターベーション介助者」

オランダの「SAR」ーセックスや添い寝を有料でサービスする団体

オランダは性に対して先進国で有名ですが、『障害者の性』についてもオープンで

また、オープンなりの問題も抱えております。

日本では「障害者に性的欲求は無い」とか「障害者のセックス」にふたをして

見て見ぬ振りをしている風潮が非常に強く、

なにせついこの間まで「旧 優生保護法」で

中絶・断種・避妊を強制させられた人は少なくない。

これは国ばかりではなく、国民の間でもタブー視されていたことは言うを待たない。

著者は「セックス被害者」であることも本書で打ち明けている。

『身体・知的障害者』ばかりでなく、『精神障害者』に対してもフォローが必要だろう。

というよりは『障害者の性』全体の認識を底上げしなければ

なんの解決にもならない・・・

 

 

この本、読まずに死ねるか!

 

 

 

 

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読まずに死ねるか!!(書評)『穢と大祓(ケガレとオオハライ)』

2019年03月15日 22時17分11秒 | 読まずに死ねるか!(書籍紹介)

連日の書評でございます。

まっ、連日読了したので挙げるわけです。

カタカナで書くと、「ケガレと大祓」となりますが、

中世・近・現代でいうと「ケガレ」というのは、「血」や「汚れ」などを伴う生業や

事故・事件などに接した人間を忌避する行為や制度にまつわる蔑視語を表します。

いわゆる中世以後の被差別民の集落(主にという)を言いますが

その起源をこの本で探ろうということです。

正直「古代ローマ」や「本居宣長」を後半で連呼するのには辟易しましたが、

全般的には資料を多数挙げていて貴重な本であることは確かです。

手軽に読める新書本や文庫本よりも情報量豊富です。

私が得たかったのは、「」や「」といわれる被差別民が

いかに私たちの生活に不可欠な仕事をしているか、

それであるのに私たちは知らずに差別してきた歴史があります。

それからさらに深掘りしてくれるのがこの本になります。

さかのぼって、古代神話の世界まで!

素戔嗚尊や天照大神など・・・(ついていけない)

この本、最初は書き写していたんです!

2/3程は写したと思います。

それほどの価値はあるということです。

まだまだ本がわんさと控えておりますのでこの辺で!

 

 

「この本、読まずに死ねるか!!」

 

 

 

 

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読まずに死ねるか!(書評)『障害者の安楽死計画とホロコースト』

2019年03月14日 21時10分40秒 | 読まずに死ねるか!(書籍紹介)

翻訳本です。

優れた翻訳と言えましょう。

『第二次世界大戦中の虐殺』といえば「ナチスドイツ」ですが、

どっこい、障害者の虐殺、隔離についてはアメリカが最初だそうです。

他、ヨーロッパ諸国でスイスもそうですね・・・。

この本は、世界大戦中の障害者差別政策についてはどこの国も例外はないようです。

日本もこの2000年代でも「旧 優生保護法」が運用されていて、

未だに国はその責任を認めていません。

障害者蔑視については、人間の性分の問題なのかも知れませんが

未だ先進国でもこの事については「後進/旧人類」と言ってもいいのかも知れません。

この末尾には翻訳者のコメントも記してあり、

日本の障害者政策についても触れており、今なにかとニュースで問題視されている

『ワーキングプア』という言葉がありますが、ワーキングプアというのは

働いていても貧しさから抜けられない状態を指しますが、

障害者に関しては、2016年調べによると障害者のなんと

86.1%が貧困(年収122万円以下)であり、

さらにワーキングプア以下の年収(200万円以下)の障害者は98.1%であり

生活保護受給者は国民一般の6倍以上であると示唆している。7

また、ほとんどの障害者は独立しておらず、親のと同居が多い。

現在の話しで言うと政府は生活保護の切り下げを狙っており、

なにが「アベノミクスの果実」なのか?と首をかしげたくなる。

しかも、景気は減速気味であり、さらに政府の歳入は減少するのは明白である。

おっと、書評に戻りますとナチスの「優生思想・政策」に手を貸した

精神科医や学者、軍人の終戦後の行方もしっかりとフォローしてあり、

これを見るとさらに「現代先進諸国の闇」を感じさせる。

私自身この書籍は4回ほどで読了できたのでそれほど難易度の高い本ではないと思って

お勧めしますよ!

まだまだ世界の先進国が障害者行政の後進国であることをまざまざと見せられる本です。

「この本、読まずに死ねるか!!」

 

 

 

 

 

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