「うつせみ和尚」のお説教

『うつせみ和尚の日記』二件の事故が元で『(複雑性)PTSD/鬱』になって
闘病、障害当事者として活動している者です。

読まずに死ねるか!(書評)「塩見鮮一郎 著『中世の貧民』文春新書」

2020年11月29日 15時59分16秒 | 読まずに死ねるか!(書籍紹介)
本書は「説教節」の小栗判官(おぐりはんがん)の物語を軸に進んでいきます。
その端々で「貧民の生活」や「日本にも居た『奴隷』」などの話しを入れてあります。

まぁ、聞いてちょうだい!
日本の奴隷の話しです。本書のP172の「中世に奴隷はいたか」の一文
~本来の名の剥奪もまた、奴隷のあつかいである。かれらは四六時中、
監視された環境に置かれ、報酬の約束のもとで働くのではない。所有者
も意思のまま指定された仕事にしばりつけられる。老いて動けなくなる
まで、病いで倒れるまで、毎日毎日、海水をくんできてはかまにいれ
る。薪をくべつづける。手足の筋を切られて「人間案山子(かかし)」
にされて鳥を追う。鉱山の坑道で岩盤を鑿(のみ)で砕いて一生をおわ
る。牛馬と同じに、命ぜられるまま荷を運んで街道を往復している。食
事と寝所は用意されているが、結婚は所有者が新しい子を商品として必
要・・・
まぁ、ひどい話しですが最近、YouTube「丸山ゴンザレスの裏社会ジャーニー 」
中で「闇金融」で、借金返済不能になり債務者を売り飛ばしてしまうと
いう話しをしていてこの現代日本社会でも「人身売買」いわば奴隷のような扱いを
していることを知らないでは無かったが、改めて考えさせられた。
昔あったことは形を変えて現代にもあるようです。
平穏な日常がすべてではないと言うことですね。



この本読まずに死ねるか!!











読まずに死ねるか!(書評)「『日本の歴史をよみなおす 網野善彦 著』ほぉ~歴史学もすすむ」

2020年11月29日 12時56分09秒 | 読まずに死ねるか!(書籍紹介)
最近、体調が良くなってきてそれと共に集聴力が続くようになってきました。
そんなわけで読書も続くようになってきました。
で、読みかけの本を二冊ほど読了しましたのでまずはこの一冊を紹介します。

網野善彦 著「日本の歴史をよみなおす」です。
通常「日本史」と聞いて思うのは、年表からその時々の出来事を知るのが
よくあるパターンかと思います。
ですが、本書は言葉の定義づけなんかを深掘りしております、ハイ。

印象に残ったのは「百姓」という単語。
この「百姓」という言葉を聞いて思い起こすのは「お米を作る人」でしょう。
私もそうでした。
しかし、本書では「百姓=お米を作る人」ではない!ということです。
「百姓」という言葉を分解すると「百の姓(かばね)」になりますが
「姓(カバネ/せい)」は名前のことですので、これは様々な身分の人達を
指すのではないかと言うことです。

本書に寄れば、そもそも日本は「農本主義社会」ではなく、
農業を生業にしている人達はごく一部だったそうです。
例えば生産者達は「お米」だけではなく、その土地土地の特徴を活かした
産物、海であれば海産物、平野・山間部であれば米を含む様々な穀物、
果実、山間部であれば焼き畑で作った穀物や獣のから作った革製品などなど。
「お米」というのはその中のごく一部であるとのことです。

なるほどね。

では納税はどのような形であったのか?
例えば「お米でのみ納税せよ」という言葉であれば、
商取引でお金を持っていたとすると、手元にお米はなかったとすると
農家から納税の為のお米を買ったり、為替などの証文で納税したり・・・
(このあたりの記憶はかなり曖昧なので本書を読んでね)
(⌒-⌒; )
土地土地の特産物での「納税」でも良いのならば特産物で「納税」するわけです。

本書はこればかりでなく、私が今学習を進めている「身分差別」についても
詳しく書いております。


この本読まずに死ねるか!!



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