本書は「説教節」の小栗判官(おぐりはんがん)の物語を軸に進んでいきます。
その端々で「貧民の生活」や「日本にも居た『奴隷』」などの話しを入れてあります。
まぁ、聞いてちょうだい!
日本の奴隷の話しです。本書のP172の「中世に奴隷はいたか」の一文
『~本来の名の剥奪もまた、奴隷のあつかいである。かれらは四六時中、
監視された環境に置かれ、報酬の約束のもとで働くのではない。所有者
も意思のまま指定された仕事にしばりつけられる。老いて動けなくなる
まで、病いで倒れるまで、毎日毎日、海水をくんできてはかまにいれ
る。薪をくべつづける。手足の筋を切られて「人間案山子(かかし)」
にされて鳥を追う。鉱山の坑道で岩盤を鑿(のみ)で砕いて一生をおわ
る。牛馬と同じに、命ぜられるまま荷を運んで街道を往復している。食
事と寝所は用意されているが、結婚は所有者が新しい子を商品として必
要・・・~』
いう話しをしていてこの現代日本社会でも「人身売買」いわば奴隷のような扱いを
していることを知らないでは無かったが、改めて考えさせられた。
昔あったことは形を変えて現代にもあるようです。
平穏な日常がすべてではないと言うことですね。
この本読まずに死ねるか!!