温泉人物伝２

これは随分前のお話になりますが・・・

土曜の夜によく温泉に入りに行くのですが

その日は大変混雑していて、洗面台もいつもは一つ置いて

座るのに混雑していて、私の直ぐ隣に人品のいい老人が座りました。

その時はまだ手術していない箇所が私の体には多くあり

ケロイドが目立っていました

それを見た老人が『お兄さんどうしたのその体』

『ええ、会社で事故に遭って火傷したんですよ』

『そりゃ、酷い目にあったねぇ』

『ええ、まぁ』

『あのね、〇×薬品って知ってます？』

『ええ、うちの会社取引ありますから・・・』

『随分昔だけど、あそこで出してた軟膏で火傷の跡が

綺麗に消えるの売ってたよ。うちの親戚が～』

『ええ。』

ひと通り話が終わるとそれぞれ体を洗って

浴槽に浸かってまた洗面台へ、また老人が

『さっきの軟膏の話だけれども戦前の話でね～

今でも売ってるかどうか？』

でも、なんだか嬉しかったです

見ず知らずの私にそんな話をしていただいて

でも、軟膏は試してませんが・・・

お爺さんごめんなさい