七夕の日、私は珍しく、日暮れから開演される舞台芸術といっていい素晴らしいイベントを鑑賞してきました。
夕暮れ時、遠方まで足を運んだのも、孫可愛さの一心からです。
猛暑の上、一日の疲労が濃くなる時間帯。
体力に少々自信が持てなかったけれど、出かけて本当に良かった!
その時味わった感動は、七夕にふさわしく、ばぁばの願い事が目の前で一瞬、叶ったかのような嬉しさでした。
孫が通うバレー団の過去の発表会の写真
それは、小学校四年生の孫娘、さっちゃんが、お稽古事で週に一回通うクラシックバレエの発表会です。
昨年の発表会は、私の都合が悪く、観ることができませんでした。
幸いにも、その日のプログラムは、ソロの演技と私の大好きな「白鳥の湖」。
中学生の頃、クラシック音楽に目覚め、最初に私が手にしたレコードが「白鳥の湖」でした。
恐らく妹のお稽古ごとの影響が多分にあったと思います。
実は、妹夢路は、幼い頃、バレエのお稽古事を始め、確か小学校の高学年までそのレッスンに励んでいました。
好きな事には、何事も頑張リ通す性格は、今と変わらなかったのでしょう。
その努力の甲斐あり、頭角を現し、途中から、そのバレエ団の子役プリマバレリーナ―になりました。。
親指姫、青い鳥などの舞踊劇では、いつも主役となり、発表会では大活躍だった夢路です。
体が弱かった私には、母がお絵描きのお稽古事をさせてくれていましたが、妹のレッスン日には母についてよく私も出かけたものです。
間近に発表会が迫った夏休みの頃は、毎日レッスンに通い続けた妹。
白いお稽古着には滴り落ちる汗がみるみる染みていくほどの激しい練習でした。
若い先生達と共に、年配の先生が鞭を片手に指導に当たられ、、生徒の体に、その鞭がしばしば飛んだものです。
発表会当日は、妹の日頃の努力が実りますように、と姉として祈るような心持で観ていた記憶があります。
バレエの演技は、まことに優美で華麗です。
しかし、一方、トウシューズをはき、つま先立ってくるくる回ったり、ジャンプしたりと、ちょっと曲芸に似た危なかしさもありますものね~
プロと違い妹のすることですから。(笑)
無事に演じ終ると、とてつもなく誇らしい気持ちになり、嬉しさがこみ上げました。
余談ですが、世界的に活躍なさった日本バレ舞踊界では第一人者の森下洋子さん。
この方は同郷で、東京のレッスンの合間に、時折帰郷されていました。
幼い頃のお話ですが・・・・・
その時は、妹が通うバレエ団で練習をされ、発表会にも参加されたことがあります。
その踊り方は、妹達とは明らかに異なり、本格的なレッスンに臨んでおられる方との差が歴然としていました。
ソロで踊られた時の、その強烈な印象は今でも鮮やかに、私の脳裏に蘇ってきます。
我が子たちも、幼い頃、バレエのお稽古に通わせた時期がありましたが、夫の転勤で辞めてしまいました。
その後、次女のMちゃんがアメリカ滞在の頃から、しきりとバレエを習いたい、と羨望の面持ちで、私にせがんだことがありました。
習わせてもらえなかった残念さを、今でもときどき語られ、私の胸は疼きます。
その気になれば、実現できた娘の夢を、なぜ叶えてやらなかったのかしら、と。
妹のバレエレッスンの思い出は、今も、鮮明に蘇ってきますが、母の当時の苦労も忘れられません。
多くの入場券を割り当てられ、それをさばく努力と、衣装作りの苦労。
母はとても器用な人でしたから、舞台衣装はすべて自分で作っていました。
その上、妹にはちょっと失礼で、書くことがためらわれますが、バレエが、その後の妹の人生で役だっているようには見えなかったのですね~
学生の間は、その影響が動作や姿態にも感じられたものですが・・・・・・・
嫁いで子供が出来た頃から、バレエで身に付けた優雅さから程遠くなってしまった気がして・・・・・・
何て失礼なことを、と妹に叱られそう。(笑)
ごめんなさい。
私も含め、いずこのお母さん方も、子育てに追われる時期は逞しくこそなれ、優雅な振る舞いはしばらくお預けの時期がありますもの。
妹に限ったことではありません。
さて、この度の発表会で練習の成果を披露してくれたさっちゃん。
このさっちゃんも、日頃は女の子の可憐さからはかなりほど遠く、実にサバサバとしていて、男勝りの性格です。
私の娘達の幼い頃とは、雰囲気が余りに異なり、このまま大きくなると縁遠くなってしまうのでは、とばぁばとしては少々心配になるほどなんです。
しかし白いチュチュを纏い、白鳥を演じた時のさっちゃんは、全くの別人でした。
孫娘に、目が釘付けとなり・・・・・・
我が目を疑う程の驚きと感動。
優美な動作で演じるさっちゃんの姿が信じられないほどでした。
心が震え、涙が出てしまったのは言うまでもありません。
孫娘の晴れの舞台を観るために私愛用の双眼鏡が大活躍でした。
もう数十年前、セゾンのポイントで獲得したものです。
最近は、バレエがとても楽しい、と私に会う度に離してくれたさっちゃんです。
確かに、舞台上ながら、緊張することなく、心から楽しみ、一生懸命演じているのがよく分かりました。
舞台化粧と衣装もとても似合って、本当に可憐なさっちゃんに変身。
公演中は撮影禁止の上に、何と私が持参したデジカメは、電池切れ。
残念ながら、素敵な思い出を1枚も写真に収めることができませんでした。
先生のご指導で、さっちゃんの雰囲気がここまで変わってしまうことに驚くと共に、改めてバレーの素晴らしさを実感することが出来た私です。
正に人間の姿態と動作の究極の美しさを、バレエは極める芸術だと思いました。
クラシック音楽、衣装、舞台装置のコラボレーションが、その芸術の美を一層高めていることは言うまでもありません。
街中のバレエ団の発表会でさえ、こんなに心打たれてしまった私です、
本格的プロのバレエ団の公演を目にした時の私の感動は、如何なるものでしょう。
私は新聞記事を読んで、英国のロイヤルバレエ団が夏に来日することを知っていました。
さっちゃんにこの公演を見せてあげたい、とその晩、急に思い立った私。
演目は、白鳥の湖でしたから。
しかし、すでに公演は始まっていて、チケットはすべて完売。
突然思いついた素敵な夢をかなえることは、できませんでした。
さっちゃんが演じ終った直後、私は長女のMちゃんにそっと耳打ちしました。
来年は塾通いが始まり、お稽古は中断するの?
たとえそうでも、中学になったら、またお稽古を始めてほしいわ。
私は夢見ていました。
男勝りのさっちゃんが、バレエの影響で優雅に振る舞える素敵な女性に成長している姿を。
七夕の夜、心に描いた願い事ゆえ、もしかすると実現するやも・・・・・・(笑)
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