娘たちが他家に嫁いでから、すでに十数年が経過しました。
先日、近所の仲良しさん達と、数か月ぶりに昼食を共にし、おしゃべりに花を咲かせました。
その友人のお一人Fさんは、まだ50代で私より一回りお若い方です。
私が年上ということもあり、人生経験を参考にしたいと思われるのでしょう。
とても信頼して下さっているのが、よく分かります。
私も同様で、その方の存在を心強く感じ、いつも感謝しています。
Fさんには、揃ってW大を卒業後、お仕事に就かれた立派なお子様が、三人いらっしゃいます。
一番末のお嬢様が、来春ご結婚なさるとかで、奥様のお話からその喜びが伝わってきます。
私にも、そんな時代がありました。
娘たちの幸せをひたすら祈り、願いながら、一生懸命新居の備品やウエデイングドレスを注文したり、式場の下見をしたものでした。
私の祈りが叶い、今は若夫婦両家とも一男一女に恵まれ、マイホームも購入し、落ち着いた幸せな家庭を築いています。
お婿さん達の娘への優しさ、協力もさることながら、私には他に大層嬉しい事があります。
義父母様がご両家共、とても立派な方々で、娘の常に理解者となり、何かと力になって下さるからです。
ですから、嫁いで以来、娘から嫁ぎ先の愚痴を聞いたことなど、一度もありません。
不平を言うどころか、娘達も私同様に、日々感謝の気持ちで過ごしている事でしょう。
今日は、K君の運動会でも、かれんちゃんの保育園の運動会でもご一緒し、楽しい会話が弾んだ、次女のご義母様について、もう少し詳しくお話させていただきますね。
平凡な専業主婦として、一生を終えそうな私とはあまりに違う、立派な経歴の持ち主でいらっしゃいます。
今の時代は、女性が働くことになんら違和感を持ちませんが、私たちの世代は、少し違いましたね。
女性は学校を卒業すると結婚し、専業主婦として家庭を守るのが当たり前の時代でした。
時代の変遷とともに、女性も自己実現を目指すように、世の中が変わっていきましたが・・・・・・
専業主婦になられても、その後、途中からお仕事に就かれ、キャリアを積まれた方もいらっしゃいます事でしょう。
次女婿のお母様も、はじめは専業主婦でいらっしゃいました。
途中からお仕事を持たれた点では、これに似たパターンでいらっしゃるかもしれません。
しかし奥様は、この時代にしては珍しく、大学を卒業後、海外に留学され、アメリカの大学で4年間、科学を専攻。
さらに学問を積まれ、科学者としての道を望んでおられました。
ところが結婚後、すぐお子様に恵まれ、ご主人様がニューヨーク転勤となり、科学者への道を断念せざるを得なくなられたようです。
帰国後、子供たちが手がかからなくなると、その道を諦めきれず、私立の中高で、化学を指導する教師として定年まで勤め上げられました。
そして今は、大学で講義の時間を、ひと月に数回持たれています。
お休みシーズンになると、ご夫婦で蓼科の別荘に赴き、奥様以上に読書家でいらっしゃるご主人様と二人で、読書に耽られるお暮らしぶりのようです。
ご夫婦揃って、敬虔なクリスチャンでもいらっしゃいます。
学問も積まず、平々凡々と暮らしてきた、専業主婦の私とは、余りに異なる高尚なご生活。
私はただただ敬服するのみです。
けれど、お人柄は実に気さくでお優しい方。
そして、滲み出る優雅さと気品は、たとえようがないほどです。
孫娘のかれんちゃんの運動会後、駅前のカフェで昼食をともにし、1時間以上、楽しいおしゃべりに花を咲かせましたが、
その会話の何と心地よく、楽しかったことか。
大学で講義をされている学者の一面を垣間見ることは、全くありません。
よき母親、よきおばあちゃんとして、私の話に合わせて下さいます。
娘には、ご義母様のような女性になってほしい、と折ある毎に、私は言ってきました。
ご義母様の知的で優雅なご風格には、まだまだ遠く及ばない娘ですが。
娘のみならず、私にとっても理想の女性像のお方でいらっしゃいます。
長女のご義母様も、薬剤師の資格とお習字の師範の免許も持たれた、それはそれはお優しいお人柄。
素朴な温か味あふれるお方です。
このお二方に比べ、努力で積み上げた成果は何もなく、安穏と長い人生を送ってしまった自らの生きざまを、今更ながら少々悔みますが・・・・・・
私は私なりに、自分の器に叶った暮らしを、一生懸命紡いできた、と思うことにしましょう。
私の人生の成果といえば、子供たちを可愛げがなさすぎ、と娘達自らに言わせるほど丈夫な体に育て、誠実に生き抜く力を身に付けさせたことくらいでしょうか。
如何に平凡な人生でも、キラッと光る何かを、すべての人が持ち合わせているものだと私は思います。
そのキラ!が、私のように取るに足らない平凡なことでも、ますますそれを磨き、自分を大切にして、残り少ない余生を生き抜きたいものですね。
とはいえ、一所懸命がんばった研鑽の立派な証を持つ方々は、やはり尊敬以外の何もでもありません。
その極みが、今回のノーベル物理学賞を受賞された方たちのような人を指すのでしょう。
我が国の誇りですね~
娘や孫達には、一生の間にいろいろな花をたくさん咲かせてほしい、と願います。
小さく慎ましい花でも、不断の努力を積み重ねて・・・・・・
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花のように泉のように