母をたずねて三千里、という書物がありますね。
確か、娘達が幼い頃、テレビでもドラマ化されたのではなかったでしょうか。
マルコという少年が、苦労多き三千里の道を旅して、ついに母と再会する。
そんなストーリーだったと思いますが・・・。
実は、私は数十年になるかしら。
理想のかかりつけ医を求めて、ずっとさまよい続けた気がしています。
交通の便も考え、最寄り駅近くのクリニックを転々としてきました。
ですから三千里は少々オーバーですが。
そのためにかけた年月は相当なものです。
暫く通院するのですが、何だか物足りなくて、心から私が信頼できる先生とはタイプが違う。
そう思うことがほとんど。
ピンクのの袋に医療関係の物を一式収めています。
ところが最近、私が心に描く理想像に近い医師に、遂に巡り会うことが出来ました。
診察を受けたのは、まだ一回だけですから、その様に断言するのは少々早すぎるのかもしれませんが。
恐らく私の目に狂いはないでしょう。
待合室が病院の様に広くて。
コロナ禍にあって、これもとても有難いことでしたが。
その待合室で待っている時、先生が患者さんの名前をマイクで呼ばれます。
その声が、とても慈愛に満ちた優しい声に感じられ、私は期待で胸が膨らみました。
もしかすると、私が望むイメージ通りの先生かもしれない、と。
そして、私の順番になりました。
ドアを開け、先生にはじめてお目にかかった一瞬で、私の胸は高鳴りました。
爽やかな青年医師。
お顔の表情は、凛々しいながらも、柔らかくて清々しい。
お話を交わす内に、その印象は益々確固たるものになりました。
患者さんの気持ちを大切にしようとする姿勢が窺え・・・
私は嬉しさを抑えることが出来なくなり・・・
思わず、私の口から、次のような言葉が飛び出しててしまったのです
「やっと私が心に描く理想の先生にお目にかかれ、本当に嬉しいです」と。
傍にいらした看護師さんが、声をたてて笑われ、とても恥ずかしくなりましたが・・・。
嘘偽りない私の本心でしたから。
そう言わずにはいられないほど私は感激していました。
私のピルケース
左の漢方薬は、この度の診察で処方していただいたものです。
疲れやすい体質によく効くようです。
右は、ニトロペンです。
そして私が今、一番気になる症状をお話ししました。
この症状は、数十年前からの事なのですが。
胸や肩あたりに発作的に起きる違和感。
とても怖くなり、ニトロペンを服用すると、収まります。
他の先生方からは、痙攣性の発作で命には別条がないと言われてきたことも、お話ししました。
最近、24時間ホルダーと心臓のCT検査を受けましたが、異常がなかったことも。
そのお話を聞かれた後、先生が仰られたことは、
「痙攣性でも命を落とすことはありますよ。
血液をサラサラにするお薬がありますから、それを使用されてはいかがですか?」と。
そう言われたものの、相変わらず、素直にそれを受け入れることが出来なくて・・・。
次のように言いました。
「このような薬は、飲み始めると、一生お世話にならないといけませんね。
出来たら、私はお薬に、今はまだ頼りたくありません」と。
すると先生が仰いました。
「それでは、このまま、もうしばらく様子を見る事にしましょう」
最近、訪問診療もして下さるので、大いに期待して出かけたクリニックの先生とは大違い。
その先生には、使用しないと死ぬかもしれませんよ、と結構強い口調で脅されたものですが。
患者さんの気持ちを何よりも尊重しようと、静かに耳を傾けて下さる医師の懐深そうな姿勢にも、
私はとても感動しました。
その後、レントゲンと心電図の検査もしましたが、今のところ、全く異常なし。
その医療機器も最新式の立派なもので、安心材料にもなりました。
血液検査は、10月の中頃にすることに。
その検査も、今までとは違います。
これまではクリニックに出かけると、すぐその場で採血。
一週間後に検査結果を伺いに行きました。
この度の先生は、採血を受ける前の心がけ事項を説明されました。
お昼は抜くこと、お茶程度にとどめてください、と。
この日は、お昼下がりに予約を入れていますが、
採血でこのような事を言われたのも初めてです。
とにかく、先生のイメージが私には最高の印象で、看護師さんもテキパキしてとても優しい。
今のところ、文句も不平も何もありません。
更に良い事があります、
すぐ隣に、同じ系列の中堅の病院もあります。
最近、次女のお婿さんがアキレス腱を切断し、入院し手術を受けたところです。
私も、夫を介護している頃のこと。
駅前の賑やかなスクランブル交差点のど真中で倒れ、救急車でこの病院に搬送されたこともありました。
母が入院したことも。
何かと縁が深い病院ですから。
入院する時は、私もこの病院で。
そう思っています。
その上、更に良いことは訪問診療もしてくださること。
このクリニックでお世話になれば、一通りのことは終末までお世話になれそう。
100%満足なんてありえないでしょうから、私にとってはもう十分かな。
憧れのご住職様、お医者様に巡り会え、自分の人生運の強さを改めて思うこの頃。
終末を迎える準備が着々と進んでいる感じがしてきました。
後は、断捨離とエンデイングノートの作成を頑張らなければ・・・。
そして、娘達に一切負担をかけず、老衰で眠るように死ぬのが、私の理想ですが・・・。
まだこんなこと話すのは、少々気が早すぎでしょうか。(笑)
数日前、お彼岸以来また昼食を共にした妹には、
「外見は年齢より遥かに若く見えるけれど、体力は年相応ね」と言われました。
正にその通りです。
でも気は割と若いですよ。
ですから元気な内に、最後を迎える準備をやり遂げてしまいたいですが・・・。
とても暢気な性格なので、口先だけで終わりそう・・・。
そんな気もして、何だか恥ずかしい記事になりました。
最後までお読みくださいましてありがとうございました。
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