(株)カプロラクタム-blog

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カエルの楽園

2017年01月30日 | Weblog
ついでに冬休み中に読んだ本の紹介でもしますか(笑)

この作品は、「永遠の0」、「海賊とよばれた男」で知られる百田尚樹さんの本です。前2作は映画化もされたベストセラーですけど、この作品はそこまで固い本ではなく、一種の寓話というか、2年生の国語教材である「お手紙(アーノルドローベル)」に出てくるガマくんとカエルくん(笑)のような軽い気持ちで読める本です。図書館で借りれないか調べた時は50人待ちになっていましたが、12月に見ると10人待ちに減っていたので予約を入れ、年末ギリギリに借りられたので沖縄へ行く前に1日で読破してしまいました(笑)

(ここからネタバレアリ)

住処を追われた2匹のアマガエルが安住の地を求めて崖の上のツチガエルの国にやってきました。その国は付近に天敵のトンビや凶暴なウシガエルがいるものの、何故か襲ってこない平和な国でした。2匹はその謎を探り故郷に広めようと、色々なカエルの話を聞いて回ります。その結果分かったことは、どうやらこの国には3戒があり、それを守っているから平和なのだと皆が信じているということです。果たして本当なのでしょうか・・・?

まあ、ここまでのあらすじで、百田さんが書こうとしていることは大体分かりますね(笑)この国の名はナパージュで、JAPANを逆さまに読んだだけですし、3戒とは憲法の平和主義のようなものです。他にも、これはコイツだろうと分かる登場人物がたくさん出てきて、今の日本を取り巻く現状と照らし合わせながら読んでいくと、日本がこのままではどうなってしまうのかという百田さんの見立てが浮き彫りになるという仕掛けでした。ただ、その仕掛けを紐解きつつ、現実の誰それを皮肉って楽しむだけなら良いのですが、余りにもそのものズバリ過ぎて、物語として面白いかどうかと問われるとちょっと微妙でしたね。ラストも救いがなさ過ぎるので、自分は結構右寄りな考えを持っていると自覚していますが(笑)少なくとも、予備知識の何もない子ども達に読ませたいとは思いませんでした。マルチエンディングでハッピーエンドになるのならよかったかも(笑)

何やら最新刊で「幻庵」という昔の囲碁名人の話も出ているようです。物語はそういう主義主張のない話の方がいいよなあ。