《河童》の旅メモ

富雄川流域探索

富雄川流域探索「志賀直哉著『日曜日』2」

2021年03月10日 | Weblog

「…次の日曜(六月四日、晴れ)それを持って、
うち中で富雄川へ出かけた。
大概の生きものは好きだが、捕ることは甚(ひど)く不得手で、
魚捕りも好きではないが、此日は前かきで多少の興味を持ちながら行った。
電車を降り、線路について片側人家のだらだら坂を下りきると、
直角に、それが富雄川だ。幅、四、五間の川床で、水は砂地を残し、
もっと狭い幅で流れている。岸から、一寸した草原があり、
其所に枝のよく広がった桜が一列にならんでいる。
赤いのや、もう黒く熟した小な桜ン坊が沢山ついていた。
桜並木と往来との間に上流で分水した小さな流れが
下の川よりもなみなみと勢いよく流れている…」。


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