月と歩いた。

月の満ち欠けのように、毎日ぼちぼちと歩く私。
明日はもう少し、先へ。

1人で創る楽しさ、大変さ。

2013-08-27 | 仕事
久しぶりに集中して仕事をしている。
例の、あの、「なんだかなぁ・・・」の仕事である。
始まるまではいろいろあったし、今でも料理している最中などに思い出してむかむかくることもあるけれど、それでも実際に仕事が始まってみれば、やはり楽しいのだ。

取材も面白かったし、自分のフィールド、という感じがした。
始まってしまえば、誰にも邪魔させない。

完全裏方でカメラマンに徹することも久しぶりだし(カメラの腕は上がらない・・・下手!)、インタビューや追加でのメールでのやりとり、アンケートのまとめなどは慣れたもので、とにかく「全部自分でやれる」というのが面白い。
逆に言えば完全に「丸投げ」の仕事で、フルカラー80ページをたった一人で創るのだから大変だけど、こちらから「提案できる仕事」というのが久しぶりなのでやりがいはある。
でも、本当に誰もいないの・・・。ディレクターもカメラマンも、他のライターもいない。
本当にたった一人でこれを創るのだ・・・むちゃくちゃやで・・・

1人だから、社内報を作っていたときみたいに、このページはこんなコーナーを作ろう、ここは写真を何枚使おう、ここはこの視点からの文章にしよう、このページはこんなレイアウトにしよう・・・。そう考えながら自分で作っていけるのは確かに楽しい。
まだ基本のレイアウトができていないので、時間がかかっているが、フォーマットさえ決まれば後はサクサクできると思う。
しかし、3人分の仕事を1人で(1人分のギャラで!)やらねばならぬというのだけが耐えられないが、とにかくやり始めたからには良いものを作りたいのだ。
そして、仕上がりを社長が見た時に、「これはひどいことをしてしまった。あんなギャラでは到底できるもんじゃない」と思わせたいのだ。
倍返し・・・いや、10倍返しだ!(←流行に乗ってみた)

考え方を変えた。
もう金額は決まってしまったのだから、要は時間をかけなければいいのである。
これは決して「手を抜く」という意味ではない。要領の問題だ。
取材では、限られた時間の中で何を聞いて、何を撮るか。そのためには取材相手の情報を前準備としてしっかり頭に入れておく。
そして、こぼれた分はメールでやりとりできるよう、ヒアリングシートも作った。
取材時は、得意の「メモ術」で、ほとんどの会話をメモる。撮影しながらもメモる。(←ムチャやで)
録音も念のためにしているが、テープ起こしをしないでほぼメモだけで原稿を作る。
そして、恐ろしい集中力でスピーディーに原稿を書く。

こうして時間をかけなければ、少しずつ金額に見合った仕事になっていく。
金額が変わらないのなら、こちらの労働時間を減らす工夫と努力をするしかない。
そうでないと割が合わないからだ。

・・・という気持ちでやっている。
偉そうに書いたけど、これは理想で、実際にはそんなうまいこといかないけど(笑)
まあ、そういうふうに気持ちを切り替えた、ということだ。
目標を設定して楽しんでやれば、終わったときにはいろんなことがスッキリしていると思うから。

来週は殺人的スケジュールで、また10人以上取材をするので、とりあえず今頭に入っている情報をすべて書き出しておかないといけない。
年々、脳のキャパが小さくなってきていて、新しい情報を入れたら前のものを覚えていられないのだ
これからの怒涛の取材で鍛えなおそう。

特にもうすぐ、酒蔵の勉強会&取材がやって来る!
メンバーとの懇親会もあり(もちろん日本酒を飲みながら)、楽しみで仕方がない。
やっぱり仕事が充実していると、なーんか楽しいよなぁ


大きな勘違い

2013-08-26 | 生活
今月のブログの更新の少なさときたら・・・。
頭の中にいつも仕事のことがあって、漫画やお酒などに「逃げる」ことはできても、落ち着いて自分自身に向き合って書くことがしんどくなっていた。
私はよく現実逃避する。

この週末は久しぶりに大雨が降って、水害で大変な地域の方には申し訳ないが、この辺りはちょうどよい恵みの雨で気持ちがよかった。
家の隣の竹薮もようやく潤い、家から出ると山や木々の甦るオーラみたいなものが充満していてホッとした。
今日はもう秋が来たかと思うような涼しさで。
最高気温28℃で「おおー!」と喜びの声をあげてしまう自分は、かなり猛暑に馴らされたな、と思う。

日曜日は、午前中はゆっくりして、昼からリビングの床を雑巾がボロボロになるまで2時間かけて磨き上げ、開栓していた日本酒のきき酒をし(記録する)、料理をやたら作って、夜はひたすら飲み食いしながら「八重の桜」と「半沢直樹」を観た。
なんとも、休日らしい休日で、なんだか罪の意識を感じるほどにのんびり過ごした。

昨日の食卓


土曜の夕方は、日本酒の仕入れに行って、その後、夫と京都で待ち合わせして飲んだ。
刺身の7種盛り合わせ、小鮎の天ぷら、メダイの兜の塩焼き。
ビール1杯と日本酒2杯。





その後、ウイスキー好きの夫が気に入るだろうと思い、「麦火酒カスク」というウイスキーの専門バーへ。
1杯だけのつもりが、想像以上に珍しいウイスキーも置いていて、ついつい2杯目へ・・・。
選べずに2杯目と3杯目はハーフにしてもらった。

※店内が暗いので画像がこんなです。




なんだかんだとお金をたくさん遣ってしまった。

不思議なのだが、この1ヶ月くらい、「お金がたくさんある!」という勘違いをしていた。
いや、なんでこんな勘違いをするのかと聞かれても、自分でもわからないのだが、余裕があるような気持ちになっていた。
たぶん、お盆前に銀行でお金を下ろしたときに残高を見て、それが予想以上にあったからだと思う。
「え?こんなにあるの?じゃあ、しばらく遊んで暮らせるやん!
となぜか思ってしまったのだ。
家計からの借金も未だ返せていないというのに!
(お金があるような顔をしていると、夫の取立てが激しくなるので、いつも貧乏そうな顔をして暮らしているが)

わかる。
ツッコミどころ満載なのはわかる。
でも、そう思ってしまったのだから仕方がない

それで、そう思ってしまった勘違いヤローの私は、お盆休みに諭吉をひらひらさせて、あだっちゃんと吉田くんにも気前よくおごり、連日連夜飲み会でまたお金を遣いまくっていたのだ。
さらに、仕事に着ていく服もないからと数枚購入し、庭の芝刈り機も買い、日本酒関連の本も10冊くらい、漫画も10冊以上買いまくった(全部カード)。

そして先週は、諭吉飛ばしでおなじみの「二条椿」にも行った。
だけど、行く前に財布を見て、ようやくここで「あれ?お金ない・・・」と気づいたのだ。
慌てて銀行へ下ろしに行き、残高を見てびっくり!
というか、やっと目が覚めた。

あれ?もうこれだけ・・・?

そこで頭がぐるぐると回り始めた。
えーと、カードで買ったのがあれとあれで・・・、あっ!しまった!この間の長崎旅行の宿泊代もカードやった!まだ払ってない!
え、それで、8月末はいくら振り込まれるんや?
先月何の仕事したっけ?
あれ?長い長い夏休みを送っていて、仕事全然してなかったんちゃうん?
え、じゃあ、お金ほとんど振り込まれへんの?
え?え?え?

となったのである。
どう考えても支出と収入が合わない。
考えるのが怖くなったので、考えないようにして、そのまま二条椿へ行き、諭吉を飛ばしたのであった。

自分でもどうしてこういうことになったのか、よくわからない。
たぶん、今いっぱい仕事が来ていて、「あー、これでしばらくは安泰やなー」と思っていたからお金がある気になってしまったのかもしれない。
実際には何もまだ働いていないというのに!
どうするんだ?怖い!また借金地獄?

という状態&心境で土曜日にまたお酒を仕入れて飲み食いしていたんだなー、この人は・・・と思いながら、今日のブログを最初に戻って読むと、結構せつないよ(?)

上がるもの

2013-08-21 | 生活
気温が1℃上がると、4000億円の経済効果があるそうな。
なるほど、確かに。

自分の行動を振り返っても、ビールや炭酸水をすぐ買ってしまうし、今年はエアコンもいつもよりつけた。
もっと細かいことを言えば、お茶を作る、シャワーを浴びる、花の水遣りなどで水道代も跳ね上がったし、外に出でてもカフェでコーヒー1杯飲んで涼んだりする。
炎天下を15分歩くと思うとうんざりして、タクシーに乗り込むことも・・・。

私だけでなく、日本国民の多くがこんなことをやっているのだから、そりゃ、経済効果も上がるわな。

そして、体重も上がるのである。
友が「夏になると勝手に体重が減るわー」と言うのを聞いて、なぜ私もそんな体質に生まれなかったんだろう!と思う。
「勝手に体重が減る」という夢のような経験を、この夏どころかまだ人生で一度もしたことがない。
そんなことがあったら、私にとってはもうオカルトである。

思い込みが重要なのでは?と思い、「あー、暑くて何も食べる気がしないわー」などと声に出して言ってみたりした。
脳がそう思い込み、本当に食べられなくなるという効果を狙ったのだ。
しかし、こうしてパソコンに向かっていても、お昼前には自分のお腹の音が、きゅるる~、ぐるる~と聞こえてくる。

思考停止。

そして、数分後にはまたガツガツとお茶碗いっぱいのゴハンをかきこんでいるわけだ。
朝カレー(ごはん1合)だってOK!

まあ、おかげで風邪ひとつひかない。しんどくない。いつも元気。
連日連夜飲み会でも、ピンピンしている。

今日も仕事が終わったら、京都でしっとり飲み会なり~









書きながら自分の気持ちを整理してみた。

2013-08-19 | 仕事
なんだか急激に忙しくなってきた。(いつもこれ。差が激しすぎ!)
9月の取材はものすごい。あちらこちらへ飛びまくり。

2、3日は東京八王子
5日は石川県
6、7日は奈良の酒蔵
9か10日どちらかは三重県伊勢市
11、17~19日は奈良の企業めぐり(この期間に17社!)

ひぃ、と嬉しい悲鳴。

仕事が詰まって先が見えなくなってくると、ワクワクして仕方がない。
やり遂げた後の1杯を考えると、さらに興奮する。

これからまたしばらく、「人」と「言葉」に向き合って生きられる。

そう思うだけで、胸がいっぱいになって、神様ありがとうございます!と手を合わせてしまう。
仕事がポツポツで余裕があると、未来が真っ暗に感じて、自分の存在価値がゼロに思えて、毎日酒を飲むしか気分を立て直す方法が見つからないというのに。

人と言葉と酒と。
この大好きな3つがバランスよく生活に存在しているときが一番幸せ。

お盆休みは夫とよくケンカした。珍しくよくケンカした。
理由はわからないが、ずっとカリカリしていた。更年期障害か?

なんだか不安で、漠然とした寂しさがあって。
積み上げてきたいろんなものが音を立てて崩れていくような、そんな不安感。
あれ、幸せだと思っていたけど、やっと幸せになれた、「こっちの世界の住人」になれたと思っていたけど、夢だったんじゃないのか?
何も変わってないんじゃないのか?
そんな想いが何の理由もなくこみ上げてきて、わぁっと泣き出したいようなそんな気分でいた。

だから、夫のちょっとした言葉に反応してキレたり。被害妄想に襲われたり。
自分の存在がグラグラして、ああ、また「あっちの世界」に戻るのかと思う瞬間があったり。

理由はわからない。
仕事はもうほとんど決まっていたし、暇すぎて不安になっているわけでもなく、どちらかと言えば忙しかったし。

昔、よく思っていた。
「大人になるって、孤独になるってことだ」と。
今も少しそんな気分なのかな。

だけど、そういう憂鬱に負けてはいけない。もう負ける自分でいてはいけないのだ。
ちゃんと目を開ければ、本当はわかっている。
「こっちの世界」も「あっちの世界」も最初から存在していないということくらい。
どちらも私が作り出した幻想でしかない。
怖がりで臆病者の私の逃げ道。私が作り出している架空の世界。

世界はあっちもこっちもない。
いつも1つで、これが現実だ。
そのことをしっかり目を開けて見られるような、強い自分にならなければ。

孤独や人の視線に怯えているのは、自分がブレているからだ。
自分を好きになれない、自信がない、疑いを持っている、根性なし。
「自分」というものを本当に愛せたら、誰の、どんな言葉にも、怯えることはないし、自分の周りから人が去っていくことも必要とされないことも、こんなに淋しくないだろうに。

ああ、もしかしたら、この間の酒蔵見学の日からかもしれない。
劣等感でいっぱいの子供の頃の自分が顔を出したのに気づいてしまったのだ。
「怖い」と思った。
通用しなかったらどうしよう、と思った。
もしそうなったら、自分が積み重ねてきたものが、一気に崩れてしまう気がして。
何の自信もとりえもなかった自分が、唯一こだわり続け、大切にし続けてきたもの。
「書く」ということが、通用しなかったら?これからどうやって生きていけばいいんだろう?

私はあの日、ブログに「早く通用することを知りたい」と書いた。
そんなことを書くということは、よほど怖かったのだろう、と後で読み直して思った。
いつも「書く」ということだけには自信があって、不安など持ったことがなかったのに。

「言葉が出なかった」と夫に話した。
気後れして、皆がいろいろ質問しているのに、頭が真っ白になって声が出なかったんだ、と。
その後、挽回しようとして、別の場に移動してからは必死に話したんだ、と。

夫は「そんなこと」と言った。
「そんなこと、よくあること。そんなもんや。気にするな」と。

私は、自分が、(この自分が!)仕事の場で言葉が出ない、ということにただただ驚いて、ショックだったのだ。

たぶん、私は久しぶりに「チャレンジ」しているのかもしれない。
最近は、「できる」とわかっていることを積み重ねるばかりで、何の挑戦もなかった。
新しい仕事であっても、結局は自分の得意分野の企業取材や流通関連ばかりで。
自分のポテンシャルだけで仕事をしてきた。
でも今回はそれでは通用しないようだ。専門家ばかりの中で、ド素人が闘うのだから。

自信の裏づけは努力しかない。知識は何よりの武器になる。
とりあえず、日本酒の本を山ほど買ってきた。
もう一度、一から勉強だ。

珍しく、漫画ではなく山と積まれた本の前にいる私を見て、夫が言う。
「いいことや。勉強したほうがいい。勉強しないやつはあかん」

夫はいつも私が勉強しないことを気持ちよく思っていなかった。
取材もライティングもコピーも何一つ勉強したことがない私。
「かおりって、ほんまにそういう本読まへんよな」と言っていたこともあった。
私は、実践がすべて、と思っていた。
思い上がりもいいところだ。
それは、私が、「それで通用する世界」でしかやってこなかった証だ。

「勉強しないやつはあかん」
いつもどんなに仕事が忙しくても、マーケティングや広告の本を積み上げて、上へ上へと認められてきた夫の言葉だから、重い。

私も変わろう。
これは変われるチャンスなんだ。
人生には、リムジンが目の前に止まることが誰にでも数回はあるという。
乗り込むことを躊躇したら、どこにも行けない。
私は、乗り込むことを選択した。
そして、やるからには、「周りに必要とされるまで」やる。

連日連夜、飲んでいた。

2013-08-17 | 美味しいもの
慌しくお盆休みが終わる。

前半3日間は原稿に追われていたが、中盤は連日連夜、飲み続け。
後半も飲みながら読書三昧というところか。

13日は、中学の女子の一部で同窓会があり、それに参加していた愛ちゃんとかどやが終了後に寄ってくれた。
愛ちゃんは横浜に住んでいるので、私が引っ越してから来るのは初めて。
いろいろ作っておもてなしした。
17時半に来て、食べて飲んでしゃべっているうちに23時。
かどやが慌てて帰っていったので、その後は2時まで愛ちゃんと二人でしゃべっていた。
久しぶりにゆっくり話ができてよかった。

夜中2時まで飲み続けたのに、翌日は昼から飲みランチ。
昔の生徒のあだっちゃんがまた岡山から帰省していたので、吉田くんと3人でブルディガラへ。
その後は駅ビルの中の昼間から飲める店で、ビールやハイボールを飲んでしゃべっていた。
あだっちゃんは大学を無事に卒業し、岡山の設計事務所で働き始めた。小さな事務所でお給料も安いが、今は修行のとき。
しっかり実務経験と資格を身につけて、より大きな会社へと転職することを前提に頑張っている。

「そうや、名刺名刺」と、私にも名刺をくれた。
あだっちゃんの名前がシンプルに印刷されたその名刺を穴があくほど見つめて、じんとした。
小さくて色が白くて女の子みたいで、口だけ達者で要領がよくて、クソ生意気なガキだったあだっちゃんが、見上げるほど大きくなって、社会人になって、私に名刺をくれるなんて!
気分は先生というより親戚のオバチャンである。
「大きくなったねぇ、すごいねぇ、頑張ってるねぇ」と、とにかく何でも感動してしまうのだ。

しかし、名刺を裏返してギョッとした。
裏は英語で書かれていたのだが、名前が「HIROYUKI」となっていたからだ。

「え!あんた、ヒロユキやったっけ?!
「そうやで・・・なんやと思ってたん?
「漢字はわかってるねんで。だけど、読み方がヒロマサやと思ってた!」
「・・・10年も?

そんな衝撃のやりとりはあったものの、昔の生徒が大人になった姿を見るのは嬉しいものだ。
吉田くんも、数年越しの恋が実り、大好きな彼女と仲良くしている様子。
こちらも本当によかった。
そして、「また正月帰ってくると思うし、連絡するわー」と言って、あだっちゃんは岡山へ帰って行った。

二人と別れた後は、待ち合わせ場所へ移動。
今度は夜の部で、またもやひのき関係者(講師)3人と飲み会。
私を含めて3名が「あまちゃん」ファンなので、「見てない」という1名がやたら勧誘されるということに・・・。
それも3名は「これを楽しみに生きている」というほど熱狂的なので、会話の途中でもやたら「あまちゃん」のマニアックネタが飛び出す始末。
他にもいろんな話をしたはずなのに、後で思い返せば、あまちゃんのことしか思い出せないという・・・

ああ、そうだ、もう1つあった。
一人が「私、この間、万引き犯を捕まえたんです」と言い出し、皆でその詳細を聞いた。
なんでも、洋服の某ショップで、自分が試着したいと狙っていた1着をオバサンが手に取り、「放せ放せ」と念じながらずっと見つめていたら、レジに持って行った気配もないのに商品とオバサンが忽然と消えた、というのである。
「もしや・・・」と思った彼女はショップを出て、歩いているオバサンの肩をポンポン。

「あなた、清算してない商品がありますよね?」

顔色を変えたオバサンは逃げようとし、それを彼女は必死に捕らえ、近くのショップの男性にも手伝ってもらってもとの店に引っ張って行った、というのである。
その後の店の対応が悪くてむかついた、というオチもあるのだが、私たちが食いついたのは、勇気ある彼女の行動だ。
「なかなかできひんよね」
「絶対そのオバサン、万引きGメンに捕まった!って思ったやろね」
「それがまさか、自分が試着したい服への執念からだなんて・・・笑」
と、笑い話で終わったのだが、昨今、変な人が多いので何もなくて本当によかったと思った。
正義感が大きな事件につながることもあるので・・・。
と思っていたら、彼女はオバハンを追いかけていたとき、私のことを思い出していたというのだ。

「なんで?」
「ササキを追いかけてたじゃないですか!」

ああ、ササキね・・・
塾の講師をしていたとき、ササキという女の新人講師がいて、突然「辞める」と言って塾を飛び出して走り出したので、私が「逃がすかっ!」と、猛然と追いかけたのだった。
しかし、哀しいかな・・・
私の走りはクマのようなフォームで、ヒヨコよりも遅い。
商店街に「ササキー!待てー!」という声が響くだけで、少しも追いつくことはできなかったのだ。
悲しい思い出だ
万引き犯を見事に捕まえた彼女とは大きな違いがある。

まあ、そんな話もして、いろいろお腹抱えて笑って、楽しい飲み会だった。

そして、翌日はあやとふみこと3人で阪急百貨店の屋上ビアガーデン!
マジで連日連夜飲み会である。
でも元気!

阪急はずっと改築工事をしていたが、それもようやく出来上がり、ビアガーデンも今年から復活!
それもお洒落に生まれ変わっての復活だ。阪急のホームページを見ていて「行きたいなー」と思っていた。
少し前に3人でいる時、その話が出て、「行こう行こう!」と盛り上がり、あやが予約してくれた。

6時半の予約だったが、4時に梅田に集合してカフェでお茶してしゃべることに。
ハービスの中のカフェだったら空いてると思うよ、と提案したのだが、あやが「ヒルトンプラザの中にどうしても行きたいカフェがあるから、そこでもいい?」と言う。
別に座れればどこでもよかったので、「いいけど、混んでないの?」と聞いたら、「混んでるかも。でも行きたい」と言う。
よほど素敵なところなのかなーと思って行ってみると、天井が高くてスタイリッシュな雰囲気。
ちょうど1テーブルだけ空いていたので、そこに座れた。
全面が窓で、それも高い天井まであるから、大阪駅周辺のビルが一望できる。
確かにいい感じのカフェなので、それで来たかったのかな、と思っていたら、MBSの取材陣が現れた。
それを見て、あやが「やっぱりそうやわ」とつぶやいている。
なんでも、あの人気ドラマ「半沢直樹」の中で使われているカフェが、どうやらここのようなのだ。
ドラマニアのあやは位置的にここじゃないか?とめぼしをつけて来たのだという。
私とふみこはドラマを見ていないので、「へー!」というだけだったが、取材陣が来ているので、ちょっとワクワクしていた。

そうしていたら、取材陣の一人(ディレクターさんっぽい人)と目が合ったので、皆でニコッと笑い返した。
するとその人が近づいてきたので、「何の取材ですかー?」と聞くと、やはり半沢直樹関連だという。
「やっぱり!!」と盛り上がる私たち。
「ここでロケしたんですよねー?」
「そうですよ。知ってて来られたんですか?」
「いやー、この人(あや)がドラマ好きで、ここじゃないかなーって言って来たんですー」
「へー、そうなんですね」
ディレクターさんはあやに興味を持ったようで、あやに向かって言った。

「じゃあ、後で話聞かせてもらっていいですか?」
「え!!」←あや
「わー!!」←私とふみこ

一旦、ディレクターさんは離れたので、3人で盛り上がる盛り上がる!
「いややー、そんなん恥ずかしいやん・・・」と嫌がるあやに対して、楽しくてしょうがない私とふみこ。
「いいやん、いいやん!映りーや!」
「すごーい!楽しい~!」

と、盛り上がっていたら、本当にカメラとディレクターさんが来た!!
3人とも「ひやー!」と飛び上がった。

カメラはあやに向けられ、ディレクターさんがインタビューをする。
「今日はなぜこちらへ?」
「実は、半沢直樹の・・・」
「ドラマを見られていかがです?」
「えー・・・」

などなど、ほんの3分程度だったと思うが、いろいろ尋ねられていた。
横で見ている私とふみこは大興奮!

ありがとうございました、とカメラが去った後も、しばらく興奮がさめなかった。
「こんなことってあるんやなぁ」
「あー、ドラマ見ておけばよかった!」
「面白かった~」

夕方の某ニュースで流れるらしいのだが、ちゃんとした日時がわからないのが残念。
使われるかどうかもわからない、とのこと。
使われたとしてもほんの数秒だろうしね。
でも、なかなかない経験で面白かった!

その後、ようやくビアガーデンへ!
これがまた興奮するくらい良かった。
「枝豆とビール」のような、何のこだわりもないビアガーデンではなくて、とにかくオサレ~なのだ。
ビールはもちろん、約50種類のドリンクとヨーロピアンテイストの料理、イタリアンジェラートまで食べ放題・飲み放題!
http://www.hankyu-dept.co.jp/honten/restaurantguide/restaurant40.html/

ビールのグラスを置くと、自動でビールを注いでくれる機械にまた興奮!
ワインやシャンパンなどもちゃんと瓶のまま冷やしているし、カクテルも好きなように作れる。
チキンは「から揚げ」なんかじゃなくて、骨付き鶏がぐるぐる回ってローストされているのを目の前で見ることができ、ピザも手作り。
ジェラートは6種類もあるし、カキ氷などもあった。
テーブルは比較的ゆったりとしているし、緑も多くて風も心地よくて、座っているだけでも気分がよかった。

料理をいっぱい取ってきて、3人で乾杯!!
たった2時間だったけれどできるだけ詰め込んで、最後は意地汚く何杯もテーブルに運んできた。
すごく満足のいくビアガーデンだった。

8時半に終わったので、その後はグランフロントへ。
外の噴水のところに座って、コンビニでビールを買って飲みながら、終電までしゃべっていた。
座る場所さえあれば(それとほんの少しのアルコールがあれば)、私たちは何時間でもしゃべっていられる。
この日も4時に集合して、12時半まで。
とても楽しい時間だった。

3人でこうして集まれるのも数える程度。
そう思うと、いつもよりさらに密度の濃い、愛しい時間だった。

連日連夜の飲み会もこれで終了。
後半はちびちびと一人or夫と飲んでいる。
暑いけど、充実したいいお盆休みだったなぁ・・・