北海道人からみた関西圏の鉄道事情

関西圏の鉄道・その他についての諸々の雑感

寝台特急 日本海 の廃止により、関西発着のブルトレが全て姿を消すことに

2011年11月24日 | JR
今月18日、大阪~青森間で運行されている寝台特急「日本海」が、来年春のダイヤ改正に合わせて廃止されることが発表されました。
利用者の減少や車体の老朽化が主な理由らしいですが、「日本海」の廃止により、ついに、関西を発着する寝台特急からブルートレインが全て姿を消すことになります(寝台特急「トワイライト・エクスプレス」は今後も大阪~札幌間で運行を続けますが、あの列車は青い客車ではないのでブルートレインとは言いません)。

日本海に沿って走るに相応しい雄大な名を持つ列車「日本海」は、昭和25年に客車急行として初めて運転され、昭和43年からは20系客車を使用する寝台特急となり、同区間を走る昼行特急「白鳥」とともに、日本海縦貫線の花形列車として活躍しました。
昭和50年には、湖西線が開業したことにより、従来の米原経由から湖西線経由に改められるとともに、14系の寝台客車が使用されるようになり、合わせて14系の座席車による不定期1往復も追加され、2往復体制になりました。
その不定期列車は翌年に24系25形化され、昭和53年からは定期化されると同時に、もう1往復も24系24形に置き換えられました。

そして昭和57年からは、2往復とも24系25形となり、昭和63年の青函トンネル開業後はそのうちの1往復が青森から函館まで延長運転されるようになり、観光客やビジネス客などから人気を博しました。
平成10年には、寝台特急「瀬戸」に285系電車が投入されたことにより余剰となったA個室「シングルデラックス」の寝台客車も連結されるようになりましたが、新幹線や空路など代替交通手段が多様化したこともあってその後は利用者の減少が進み、平成18年には函館までの乗り入れが廃止され、更に平成20年には2往復から1往復の運転に縮小されました。
現在の日本海は、A個室「シングルデラックス」も廃止され、開放寝台のみの列車にグレードダウンしており、豪華寝台特急の「カシオペア」や「トワイライト・エクスプレス」とは対照的な、昭和時代のレトロなブルートレインの雰囲気を醸し出しながら、片道約15時間をかけて細々と運行されています。

以下の写真はいずれも、私が8年前の平成15年7月に、京都から青森までその日本海に乗車した際に撮影したものです。
1枚目は京都駅の0番ホームに入線する日本海(EF81形交直両用電気機関車)、2枚目は日本海6号車のB寝台下段、3枚目は終着の青森駅に到着した日本海です。







下の画像は、この時私が乗車した日本海の乗車券です。日本海の廃止が決まった今となっては、結構貴重な乗車券です。



それにしても、ここ数年は、毎年のように寝台列車が無くなっているような気がします。
平成20年3月には、京都~熊本・長崎間を結ぶ「なは・あかつき」と、東京~大阪間を結ぶ「銀河」が、翌21年3月には東京~大分・熊本間を結ぶ伝統のブルートレイン「富士・はやぶさ」が廃止となり、本州~九州を走る寝台列車はついに皆無となりました。そして、昨年3月には、上野~金沢間の「北陸」も廃止されてしまいました。
これらの列車の多くは、廃止1年前の乗車率は散々なものだったので、それが廃止になった大きな要因であることは確かですが、そもそもJR各社に、ブルートレイン(北斗星を除く)を今後も残そうという意志は全く感じられず(日本海の客車が以前よりもグレードダウンしていることからもそれは明らかです)、ブルートレインの乗客を増やすための施策もほぼ何らしていなかったので、こういった結果になってしまったのは、残念ながら極めて当然の帰結ともいえます。

関西もしくは関東から北海道へと向かう、「トワイライト・エクスプレス」「カシオペア」「北斗星」などは、豪華寝台列車として幸いにも根強い人気を誇っており、今のところは廃止される気配はありませんが、トワイライト・エクスプレスや北斗星などは、旧型客車を改造して使用しているため、段々と車体更新の時期は近づきつつあります。
これらの客車が新造されるという計画は今のところまだ発表されておらず、しかも北海道新幹線が開業すると、並行区間を走る寝台列車の存在意義も揺らぎかねず、トワイライト・エクスプレスや北斗星もいつまでも安泰とはいえません。
残念ながら、寝台列車の斜陽化は今後も続いていくものとみられます。

本当に、残念です。

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