北海道人からみた関西圏の鉄道事情

関西圏の鉄道・その他についての諸々の雑感

淡路駅

2009年10月29日 | 阪急(京都線系統)
私は、阪急の京都本線(一般には単に京都線と称されています)を利用して京阪間を移動する時、時間のある時は淡路駅のホームで一旦降り、数分程度、同駅のホームから電車(同駅に乗り入れてくる大阪市交通局の電車も含む)を見学したりします。
実際には、時間のない時のほうが多いのでわざわざホームに降りて見学、というのはあまりしていないのですが(笑)、次々と引っ切り無しに淡路駅に滑り込んで来る京都本線や千里線の電車を眺めるのは、私にとっては楽しいことです。

淡路駅は、大阪市東淀川区東淡路4丁目にある、大正10年4月1日開業に開業した駅で、構造としては島式ホーム2面4線という、よくある形の地上駅なのですが、この駅の際立った特徴は、同駅を介して京都本線と千里線が同一平面で交差している点にあります。
具体的には下図のような構造になっており、そのため島式ホーム2面4線の駅に割には、駅構内は複雑な配線となっています。
ちなみに、河原町寄りの東西双方に改札口が設けられていて、両ホームは地下道で連絡しています。



京都本線と千里線は進行方向毎にホームを共有しているのですが、天神橋筋六丁目方面から入って来る千里線の列車は配線の構造上2号線には入れず(3号線にしか入線できません)、また、上図のように京都本線と千里線は駅構内で平面交差する配線となっているため同駅へは50km/h以下の速度で入線しなければならない等の制約があり、そのため同駅を通過する通勤特急はほぼ徐行運転の状態で待避列車を追い抜かなければならず、これが京都本線におけるダイヤ上の最大のネックになっています。
また、千里線の列車も、天神橋筋六丁目方面、北千里方面のいずれから進入する場合でも、早朝・深夜を除きほとんどの列車が京都本線の列車を待避するため駅手前で信号待ち停車を余儀なくされ、千里線でも京都本線同様に淡路駅の平面交差がダイヤ上の大きなネックになっています。

このため、京都本線と千里線のそれぞれのダイヤ作成は、まず淡路駅の制約条件から始まるといわれており、こういった不便さを解消するため同駅は高架化される事になっており、高架駅が完成すると京都本線と千里線は平面交差から立体交差に切り替わり、ホームも上下2段式(それぞれが島式ホーム1面2線)となり、かなりスッキリした配線になります。
とはいえ、淡路駅の高架完成予定は平成32年だそうですから、まだ当分の間、駅の構造は現状維持となりそうです。

ちなみに、淡路駅からはJR新大阪駅方面への路線分岐・延伸も考慮されていて、実際阪急は、淡路駅から新大阪駅に至る区間の鉄道事業免許を取得していたのですが、しかし阪急はこの免許を平成14年に失効させており、その後、地元住民からの要望を受けて阪急が運行を始めた淡路駅~新大阪駅間を結ぶバスも「利用者の増加が見込めない状況にある」として昨年3月に運行を終了していることから、現在では、淡路から新大阪への路線延伸の可能性は極めて低くなっています。




▲ 淡路駅の4号線・5号線ホームの端から、河原町方面(右側)と北千里方面(左側)を撮った写真です。平面交差の配線構造がよく分かるかと思います。
ちなみに、この写真(以下の写真も同様)は、昨年8月に関西を旅行した際に撮影したものです。




▲ 4号線・5号線ホームの端から、梅田方面(右側)と天神橋筋六丁目方面(左側)を撮った写真です。
天神橋筋六丁目方面に向っている電車の行き先字幕が「天神橋筋六丁目」ではなく「天下茶屋」となっているのは、この電車が、千里線終点の天神橋筋六丁目から大阪市営地下鉄の堺筋線に乗り入れて、堺筋線終点の天下茶屋まで運転されるからです。
阪急と大阪市交通局は、千里線と堺筋線で相互直通運転を行っているのです。




▲ 4号線に停車中の大阪市交通局66系(天下茶屋行き普通)と、5号線に停車中の阪急8300系(梅田行き特急)です。

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