メキシコの隅っこ

メキシコの遺跡や動物、植物、人や風景などを写真で紹介してます

「働く手」の遺跡・カバー

2006-12-20 06:58:17 | 遺跡
目次を作る端から項目が増えたりするわけですが(笑。

こないだメリダへ行ったとき、ツアーでウシュマルへ行きました。
その途中に立ち寄った小さな遺跡、カバー Kabah です。

道路に二分されちゃっているんですが、その片方だけを見ました。
なんでも昔は、カバーからウシュマルまでまっすぐの
広い広い道があったんだとか。
今ではジャングルに埋もれてしまって、道などありませんが。

敷地は広くはないですが、綺麗に整備されてます。



ガイドのおじさん、メキシコ人ですが、ブロークンな英語で案内してくれます。
が、カバーという名前は「ウォーキング・ハンズ」という意味だと。
同行者はアメリカ在住の友人ですが、
「ハンズって何だろう?」と首を傾げます。
やっぱ、手じゃないの、「歩く手」
シュールな映像が頭に浮かんだりして。

説明が一段落ついたところで、スペイン語で訊ねてみました。
mano trabajando」だとのこと。
あ~~、ウォーキングじゃなくて「ワーキング」ですか!

などと遺跡そのものより謎なガイドさんに連れられて、
まずは右手奥のとっても印象的な神殿へ。



一面、雨の神さまチャックの顔顔顔顔顔……。
ここらは雨季と乾季がはっきりしていて、
雨以外の淡水がない地域なので、
雨の神さまはとても大切だったそうで。

その手前には、象形文字を刻んだ石がごろごろごろごろ、
いや、割と整然と並んでます。



なぜか、

 菊のご紋が。

チャックの神殿に上がっていって、一面の顔と対面。



ギョロ目にゾウのような鼻。
目の上下にはちゃんと睫毛まであります。
両側の四角いのが耳らしいです。

しかしさ、



「この穴は何だろう?」
鼻の穴、じゃないのかねえ?
「上向きに?」
……神さまだから。

などとおバカな会話を交わしつつ、
その裏手の建物へ。

途中、まだ修復中のところがあり、
いつから修復し続けてるって言ったっけな、
100年くらい前からだっけ?
なんか、気が遠くなるような作業だということはよくわかりました。



裏手の建物は、こんな人物像がふたり、男女。
王とその妃って言ってたかな。
女性のほうは頭が落ちてしまって、ありませんが。
下手の入り口のサイドにレリーフがあり、
戦争前と戦争後を表しているなどとガイドさん。
戦争後では捕虜の様子など見て取れました。
ウシュマルを始めとして、このあたり、かなり軍事的都市だったとか。

そして最後にメインの神殿。



ところどころに立っている円柱は、日時計だそうです。

水に関して、このあたりのマヤ族はかなり特殊な考えを持っていたらしく、
ウシュマルでもありましたが、
地下用水湖を作ったりして水を蓄え、
またその水が天に戻って雨雲となって循環し、地上に戻ってくるなど、
けっこう鋭い洞察もしていたみたいです。

道を隔てた向こう側も見学できるようでしたが、
この日はウシュマルメインのツアーで、
他にも予定があったので、これで終わり。
メイン神殿から反対側を見ると、
こんもりとピラミッドらしき山が見えていました。
またチャンスがあったら、ゆっくり見て回りたいものです。

ウシュマルも近いうちに改めて紹介します。