昨日は,所属する司法書士会の成年後見に関する電話相談担当日でした。午後1時から4時までの3時間,書士会からの転送電話に答える形で行ったのですが,トータル5件以上の相談を受けました。この盛況さは一頃の多重債務の相談を思い出します。
成年後見に関することなので内容が複雑な案件も多く,一人当たりの相談時間が30分近くなる場合もありました。
パターンとして,一人暮らしをしていた親(母が多い)が,施設に入所し自宅に戻る可能性が皆無か低く,医療費の支払が嵩むため,居住していた不動産を処分する為や預金の払戻手続きに面倒である等の理由で,後見制度の利用を検討しているとのことでした。
一方で,後見人になると,定期的に家庭裁判所に報告する義務を負い,この手間の問題や,これにより財産を他人に見られてしまうことや,被後見人の財産の支出についての制約や,専門家後見人が選任されると報酬の負担が生じる事等をマイナス要因として考えているようです。いずれも,他の相談を受けたり,自分で調べたりして,一定の知識を持った上で相談をしていることが感じられました。
私は,債務整理は,他の同職に先駆けて業務を行っていましたが,成年後見はあまり乗り気では無く,債務整理がらみの関係の人の後見を引き受けたのが最初でした。
しかし,もはや,高齢化の波は日常業務に深く関係し,登記に関連する物件変動の原因となる契約の発生時の意思確認の際,後見制度の理解・利用が避けられない状態になってきました。
冗談のような話になりますが,私が後見人として活躍できる期間は限られていると思っています。その終期は,私自身の判断能力の減退により,適正な業務を行えなくなった時です。
後見業務の事例を参考に,くれぐれも周囲に手間・迷惑をかけないように備えたいと思います。
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