140億年の孤独

日々感じたこと、考えたことを記録したものです。

地球(テラ)へ・・・

2014-06-09 00:24:35 | 
地球(テラ)というのは彼らの故郷というよりはルーツなのだろう。
彼らは自分たちが何者であるかを知るために地球(テラ)を目指す。
この物語の二人の主人公ジョミーとキースは互いを補完している。
ユング心理学の典型例であるかのようにキースはジョミーの影だ。
コンピュータに管理された社会が非人間的であるというのが主張ではなく
感情を押し殺したキースのような人物こそ国家元首あるいは王に相応しい
徹底してペルソナを被ることが成功につながる
そうした考えを暗に批判しているらしい。
だからキースも最後には我に返る。

ジョミーは初め「自分はミュウではない」と主張する。
ミュウたちの中で自分はミュウではないというのは
人間たちの中で人間ではないと主張するに等しい。
ミュウたちの中で実は人間であったフィシスと
ミュウなのにキースを守ろうとするマツカを見ていると
人間であるとかミュウであるということは問題ではないことがわかる。
そのような呼称は支配者たちが用意したものであって
私たちは私たちに相応しい呼称を使った方が良い。
テロリストというのは実は弱者なのだ。
私たちが弱者になったならミュウとかテロリストと呼ばれるに違いない。
強者であっても弱者であっても私たちはそんなものではない。
私たちは機械や他人に支配されるものではない。

地球へ・・・(ダ・カーポ)

キースがシロエを殺すのは通過儀礼なのだろう。
私は通過できませんでした。