140億年の孤独

日々感じたこと、考えたことを記録したものです。

名古屋フィル#23マーラー交響曲第3番

2013-03-29 22:39:39 | 音楽
マーラー交響曲第3番を聴いてきた。ゾクゾクした。
2012年度はドヴォルザーク・セレクションだったがゾクゾク感が少し足りなかったと思う。
交響曲といえば、ベートーヴェン・ブルックナー・マーラーという大方の意見に賛成だ。
彼らの曲にはゾクゾクしてしまう。

マーラーの第3番は彼の交響曲の中では最もわかりにくいとされている。
学生の頃は難解だと思っていたが、最近は難解だろうが何だろうがどうでもよくなった。
ベートーヴェンが5番を書いてから、みんな音楽に理屈をつけはじめたのだと思う。
年末に第九を聴いて感動したりする人もいる。
「苦しみをこえて歓喜へ」
そういうのがベートーヴェンのすべてというわけではないと思う。

マーラーの第3番に理屈はない。
美しいものも含まれているが、どちらかというと禍々しいもの、剥き出しの感情、
壮大な実験、どんちゃん騒ぎ、乱痴気騒ぎ・・・
そのようなわけのわからんもので満ちている。
マーラーを好きな人というのは、このわけのわからんものが好きなのだ。
そういう意味では今宵、名古屋の大バカ共が
愛知県芸術劇場コンサートホールに
集結したというわけだ。

マーラーはこの曲の6つの楽章に下記のようなタイトルをつけているという。
第1部 序奏   パンが目覚める
   第1楽章 夏が行進してくる
第2部 第2楽章 牧場の花が私に語るもの
   第3楽章 森の動物たちが私に語るもの
   第4楽章 人が私に語るもの
   第5楽章 天使たちが私に語るもの
   第6楽章 愛が私に語るもの

表題はあてになりません。
「第4楽章 人が私に語るもの」には「ツァラトゥストラはかく語りき」より
「真夜中の歌」が引用されている。
ニーチェは、どちらかというと「人」ではない。
この曲は声楽つきで、アルト独唱・女性合唱・児童合唱を含む構成になっている。
「天使」は、女性と子どもによって表現される。

第6楽章で人数をかぞえてみたら
女声合唱は73名・児童合唱は69名いた。
オーケストラまでは、さすがに数えなかったが、ホルンだけで8名いた。
ティンパニは2名いた。タンバリン1名、トライアングル1名もいた。
およそ200人くらいの編成になるのではないかと思う。
子どもはギャラなしでいいとしても
これはあまり儲からないな。
おまけに演奏時間は約100分だし。
しんどいだけだな。

没後100年を過ぎてマーラーのファンはきっと増えているだろう。
でもあまり儲からないみたいなので
そんなには演奏されない。
それで今日の客(オレ含む)はありがたさのあまり約7分間ずっと拍手をしていた。
名古屋少年少女合唱団に感謝します。
愛知県立芸術大学女性合唱団に感謝します。
アルト独唱・福原寿美枝さんに感謝します。
名古屋フィルハーモニー交響楽団のみなさまに感謝します。
指揮者モーシェ・アツモンさんに感謝します。
100分間ありがとう。