釣船 開進丸(鯛ラバ、ジギング、一つテンヤ)

釣れる日もあれば、釣れない日もある。楽しかったり、悔しかったり「船釣り」の一時を過ごしてみませんか。

11月16日 11分間の格闘(釣りの口惜しい一場面)

2017年11月16日 | 日記


静かに、朝日が顔を出してきた。

柏手を打ち、今日の好釣をお願いした。

「ベイトが、水深30メートルくらいの処で固まっているよ」

「上に集まっているのは、何かが居るのですかね」

脇坂さんが、大物狙いでトライしていく。

PE4号にリーダーが80ポンド、竿はシマノのインフィニティ5番、リールはオシアジガーの2000番

潮行きは0.8ノット前後と、釣りやすい流れになっている。

海底付近にもベイト柱が何本か立ち上がり、期待感が膨らんでいく。

5~6回の着底の後、一旦仕掛けを入れ直そうと回収しているときに、脇坂さんにアタリが来た。

コッンと小さい前アタリがあった。

「何か来た」

突然、竿先が海面に突っ込む勢いで曲がった。

「おおっ、何だ。こら、何のアタリ!」

海面近くのベイトが固まっている水深30メートルアタリで、強烈なアタリが来た。

もの凄い勢いで、ドラッグからラインが出ていく。

「テンションは8キロに調整してあるけど、止まらない」



このシーンを漫画に書いたら、リールから煙が出るくらいの勢いだ。

「船長、ラインが船の下に行く!」

「待ってて、船を回す!」

私としては、焦らずラインとスクリューが触れないように気をつけて体制を整える。

針掛かりした獲物は、既に200メートルくらいは走っているはずだ。

「ラインが前に出た。そのまま、追い掛けてください!」

「よっしゃ!いくど!」

獲物は可成りの重量感で、海底付近を南東方向に走っている。



「脇坂君、前に行け。ゆっくりと差を詰めていくど」

脇坂さんが、獲物を引き上げるように縦に竿を引いてラインを回収していく。



「どれくらい巻き上げられた」

「50メートルくらいは巻き上げました」

「よっしゃ!もう少しがんばれ!」

又しても、獲物が走った。

ジジジーと、ラインが出ていく。

「手元に伝わる獲物の生命感が凄い」

脇坂さんも慌てず、じっくりと対峙している。

少しずつだが、大物が上がってきている。

5メートルくらい巻き上げたら、その倍近く引き出される。

獲物の走りが止まったら、少しでもラインを回収する。

船を走らせている距離も、魚探に残る航跡はヒットポイントから可成り沖に出てきている。

ラインを回収するスピードが少し上がってきた。

「獲物が浮き始めた!」

処が、此処で又しても獲物反撃反転した様だ。

竿先が跳ねた。

「あっー、切られた…」

二人で、一瞬天を仰いだ。

80ポンドのリーダーのジグの結び目アタリがざらざらになって切られている。

時計を見ると、大体11分間くらいの格闘時間だった。