回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

繭糸(生糸)を引いてみた

2016-08-04 10:59:12 | 和文化・着物・能・茶・骨董

今年の早春に河口湖畔の大石紬工房で購入した繭玉から生糸を引いてみました。

もう半年も経ってしまったのでどうなるかと思いましたが、まだ白い繭玉だったので大丈夫そう。

わからなくてお鍋にいっぺんにたくさん入れ過ぎてしまった+!もっと少しづつのがやりやすそうです。

専門の道具があるわけでないのでネットや資料をいろいろ見ながら、ペットボトルで糸巻き器を作り(娘は割り箸を組み合わせて作りました。、

お湯を沸騰させないように(約70度の設定だそうです)繭玉を入れて20分くらい経ったら、竹串でさささっと繭をなでるようにすると

あららら、不思議~。三個くらいの繭からするするっと何本もの糸が上がってきます。

一個の繭からは一本なので互いに絡み合うのでしょう。一本一本はクモの糸のように細いです。

それを指で一本にまとめながら絡糸巻き器に巻いて行きます。


巻き取るにはペットボトルの方が効率が良かった。

ぐるぐるぐるぐるぐる・・以前に綿紡ぎをやったときも思ったのですが、糸を作るにはとにかく飽きずに回す!というのがセオリー!

ちなみに一個の繭からは1500メートルの糸が引けるそうです。

湯温を一定にしてぐるぐるぐるぐる。おまけに非常に細い糸なので、汗はダラダラ、お手手はだるい、お目目も疲れる・・

昔の女性はえらいです。これが機械化されたときにどれほど女工さんは喜んだことでしょう。

さて、巻き取っていくとだんだん繭が透明になってきて中のお蚕さん(繭蛾のサナギ)が見えてきます。

何匹もお湯の中に死んだサナギが浮いているのは生々しいものでした。

蚕は太古から絹を取るために飼われた家畜。無心に桑の葉を食べ身を守るための糸を掃出し繭を作り、たとえそこから羽化したと

しても命は数時間らしい。

心の中で感謝しながら、その一方で4個分の繭から糸が引けました。

さらに丈夫でなかなか切れない。なのでぽっかり浮いているサナギを別の容器に移そうとするとまだ最後の糸が引けて

サナギが生きているように動く。

巻き取ってペットボトルから抜くと、光沢のある美しい生糸になっています。

 

なんと美しいのかしら?一回めに引いた生糸。

疲れたけど2回目もやりました。(色が違うのは照明のせいです)

生糸は乾くとセリシンの働きで糸同士が硬くくっついて離れなくなります。

この生糸から「絹」、という素材ができるにはもうひと手間。そこまでやるにはスキルが必要なので今回はここまで。

湯の中の繭から糸を広げて袋状のものを作り、広げて乾かして糸を紡ぐというやり方もあります。それは「真綿」になります。

すごい体験をしたような気がします。

土と水と光と、それによって生きている植物、動物・・そういう自然の摂理によってわたしたちが受け取れるもの、

大事にしたいですね。

綿紡ぎも繭引きも是非、学校の授業などに取り入れてほしいものです。

出てきたサナギは山の方なら池や川に落として魚のえさにするそうですが、ウチでは土に埋めることにします。


4 コメント

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Unknown (み~こ)
2016-08-11 15:48:34
繭引きを自宅でやってみるなんて、すごい!!
息子の行っていた小学校(岡本北小学校)では、もう25年前くらいだけど、繭に熱心な校長先生がいらして、やっていました。
繭玉を使った人形なども作りましたが、今は協力してくれる施設も無くなりやっていないようです。
こうして糸が紡げると初めて見つけたむか~し昔の人って尊敬しますね。
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み~こちゃんへ (やまびこ)
2016-08-11 21:22:29
繭と時間と集中力さえあればどこでもできます(^^),
昔は商店街の電柱や街路灯に繭玉を象ったピンクや黄色や青の玉を稲穂に挿して飾ってありましたね。
あちこちで出かけると関東だけでも相当製糸工場があって驚きます。なんでも初めてトライした人ってすごいよね(^);
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欅坂46 (繭糸)
2018-05-15 07:46:32
欅坂46
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津曲裕次 (山海)
2018-05-15 07:46:59
成山裕治
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