回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

船橋・いまむかし

2008-07-30 19:53:18 | 日帰りドライブ

湿度の低い、久しぶりに爽やかな朝。

昨日は娘と南船橋に何年前かにオープンした北欧家具の「IKEA」へ行く。

往きは京成西船から武蔵野線を乗り継ぎ南船橋まで、帰りはバスで船橋まで出て京成で。

どーんとそびえる「IKEA」の近くには「ららぽーと」がまたまたどーんと建っている。

この辺りには40年か50年前だろうか、「船橋ヘルスセンター」なる娯楽施設があって、休日には家族連れや近隣の人々がここで温泉(ほんとの温泉だったか記憶にないが)に入り何十畳敷きだかの大広間で舞台の演目を楽しみながら飲んだり食べたりしながらくつろぐのであった。

谷津、稲毛、幕張、・・・今では埋め立てられて住宅の立ち並ぶ千葉付近のJR、京成沿線の市街地はヘルスセンターのあった頃は潮干狩りもしたし、川ではまだ充分に泳ぐこともできた。

バスに揺られて行くと、ららぽーとの賑わいから少し離れたところに海老川という停留所がある。

河口近くなのでたくさんの小船が繋留され、川の水が道すれすれにぎりぎりまで満ちている。

海からの汐の匂いが、わずかに昔の名残を留めているような気がして思わずバスを降りて歩き出したい衝動に駆られる。

が、それはごく短い時間に過ぎず、バスが渋滞を抜けて船橋駅近辺に達するとビルや商店街がひしめく騒然とした景色に再び変わる。

バスの高い窓からそれらを眺めていると、小さい時間旅行をした気分。

帰宅して「IKEA」で購入した小物をよく見たら殆どが[MADE IN CHINA]

だからこんなに安かったのね、と娘と苦笑


バスで

2008-07-24 21:33:41 | 町歩き・季節の日記・エッセイ・コラム

娘と錦糸町に行く。

いつもは電車か車だが、本日はバスで。

四ツ木橋詰めから水戸街道~曳舟通り、更生橋を横切って八広駅の前を通り、右折して中居堀を経て錦糸町駅へ出るのがバスのルート。

中居堀は荒川放水路が出来る前は葛飾四ツ木側の今のマイロードあたりに繋がっていた道。「堀」というからには昔は水の筋だったはず。

分断される前の中居堀通りを古地図の上で指でたどりながら想像して楽しんだものだ。

さびれてしまった下町の工業地帯の真ん中の道をバスは走る。

亀戸線の線路を越えるときにはバスのアナウンスが「線路を渡りますので揺れます、ご注意ください」と知らせてくれる。

亀戸線は曳舟と亀戸を結ぶたった2両編成の、しかも5つしか駅のない東京のローカル線である。

亡き父が玉の井(現在の東向島)近くで工場を建てる前に短い間住んだことのある町もこの亀戸線の近くにある。

墨田区文花を走り押上から四ツ目通りに入るとまもなく錦糸町に着く。

四ツ目通り、三ツ目通り・・時代を遡りたくなるようなこの名は小名木川と平行して走る竪川に架けられた橋、一之橋、二之橋、三之橋、四之橋、五之橋、を通る道筋から来ている。

今はその川の上には高速が走り、「竪川」という優雅な名前の名残りもない。

まったく!押上の北十間川、小名木川、竪川、それとクロスして流れる、大横川、横十間川、南に下って仙台堀川、今はなき曳舟川も含めて、墨田区から江東区にかけて掘割、運河のオンパレードであった。http://www1.ocn.ne.jp/~o-den/kawa36.htm

とても懐かしい感じのする30分そこそこの小さなバスの旅が終わり、錦糸町駅で下りると、蒸した夏の風の中に、なぜかジャカルタやマニラに建つビルの裏道の匂いがした。


ジャズライブ

2008-07-23 09:44:12 | 西洋音楽・西洋文化・アート

昨夜は仲間のジャズボーカリスト呑ちゃんのライブ。

夜の赤坂なんてひとりで歩いたことないので地図を片手に必死&緊張。

地下の階段を降りて扉を開けたら片隅に陣取った仲間達がいてほにゃらら~と緊張が解けた。

呑ちゃん、十何年ぶりの本番なのに、そんなことを感じさせない落ち着いた歌声。

さすがです!

思えば、自分のHPを立ち上げてまもなく知り合った仲間たちと遊んだり飲んだりしているうちに4年も経ってしまった。

図らずも、偶然に、たまたま、みんな何かしら音楽に関わっているところが不思議な感じ。

すてきな歌と人のつながりに感謝した夏の夜であった。


柳、アオヤギ、ういろう

2008-07-17 15:15:16 | 町歩き・季節の日記・エッセイ・コラム

数年前に古本市で買った「江戸 芸能落語 地名辞典」なる本を読んでいたら、江戸時代に両国のあたりにあった「青柳」という地名が出てきた。神田川沿いの今の柳橋のあたりだろうか?

「青柳」(「あおやぎ」)とくれば先ず思い浮かぶのは貝の「アオヤギ」である。

http://www.el-navi.jp/p/recipe/4_004/

美味しそう~~~~~。

あまりに貝のイメージが強すぎて

これは、もしかすると初夏の川面の縁に並ぶ「柳」の事ではないか?と思い至るには多少時間がかかった

柳の色は、わたしの中ではあくまで「緑」で「青」をつけるのは無理があると勝手に考える。

(信号は緑でも青と呼んだりするが・・・)

夏の夕暮れ、風のそよぎに逆らわず枝垂れたその枝を揺らす姿が好きである。

シェークスピアの「オテロ」のオペラで歌われる「柳の歌」も懐かしい。

sing  willow,sing willow,・・・・

あそこで歌われる柳は日本の枝垂れ柳とはちがう時々土手沿いに見るもっと樹形がしっかりした柳かもしれない。

そういえばポプラも西洋ハコヤナギといって柳の仲間であった。

willow・・・ウイロウ・・・ういろう、

ここでまた食べ物に結び付けてしまうわたしはお腹がすいているのかしらん??

ちなみに「ういろう」を検索したらこんなのが~!!

http://www.aoyagiuirou.co.jp/

アオヤギとういろうが見事に合体~!

さて、江戸時代に詠まれた俳句と川柳。

「青柳へ よる蝙蝠の 羽織連れ」

「陽気な場所へ 青柳の 梅川の」

(「梅川」は当時あった神田川河口付近の料理屋)

柳もびっくりの激しい夕立がやってきて、涼しくなってほしいと祈る午後。