回遊魚の旅日記

時の流れる音をききながら歩いたり歌ったり
少しづつ昔の暮らしをとりもどしつつ。

未来都市ラヴィレッテからサンマルタン運河~セーヌ川

2012-08-30 22:44:32 | 一泊以上の旅行記

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8月23日。

白亜のサクレクール寺院は青空に映え、正面から眺めるパリ市街の展望は素晴らしかった。

ABBESSER駅から寺院への坂道の途中にある家々のたたずまい。

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ここからだと寺院の裏から表へ回るようになるが、そのあたりの広場にはうらぶれた(もしかしたらうらぶれてないかもしれない)画家の卵たちが観光客の肖像を描こうとしきりに誘っている。

正面から下り軽い昼食を取り、再びメトロに乗る。

行先はルルク運河からサンマルタン運河を経てセーヌ川にいたるパリカナル社の運行船の起点、LAVILLETTE(ラヴィレット)駅。

パリから北東の方角のここまで来るとさすがに観光客は少なくなる。

この地帯は故ミッテラン首相が進めたパリ大改造計画のひとつで未来志向の総合エリア。ちなみにパリ郊外はどんどん近代化されて凱旋門の西側にも、モンパルナス方面にも高層ビルディングが建っている。

公園の真ん中にドーンと建つ半球のドームはジェオッドと呼ばれる巨大映画館。このあたりはパリ中心のあの臭さや汚さはない。

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土地の人々が憩う近代的な公園を抜けるとパリカナルの発着所に着く。

このパリカナルを予約するのにネットをあちこち検索してようやくバウチャーをゲットしたのだった。

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川好きのわたしとしては、パリに来て是非乗らなくては!と思っていたのがこのパリカナルなのである。昔来たときはサンマルタン運河近くを歩いただけだった。

セーヌ川まで出るのにおよそ2時間半、19世紀からある鉄橋や水門をくぐり河畔とすれすれの水位の運河を下る。まわりにはお昼ご飯のサンドイッチをぱくつく人たち、肩組み合って船を眺めるカップルたち。

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運河の上流と下流とでは25メートルもの高低差のある。それを効率よく上り下りするために幾つもの水門で水位調節をしながらゆっくりと進むのである。

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↑ まだ新しい可動橋。船が通る前。

↓ 船が通る直前、アーチ式の先の橋が上に動く。

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これはほんとうに面白かった。行先にある水門の向こうは5,6メートル下にある流れそれを水位調節しながら下る。。まるで川の中のエレベーターである。

船が水門にかかると今迄の流れの水が「ザザザザーーーーーー」といちどきに前方に落とされ水位が上下一定になると水門が開き、船は進んでゆく。「うお~~」と雄叫びをあげたくなるほどの豪快さである。

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↑ 船の後方から水門を見る。

↓ 水が水位に達したので門が閉まり、前方の門がまもなく開き船が進む。

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それを何度もくりかえしてやがてセーヌ川に合流。途中下水道のようなトンネルをくぐるのだがこれはどうにも臭かった@@

セーヌに合流して見えてきたノートルダム寺院の尖塔。

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このパリカナル、わたしたちはラヴィエッテからオルセーまでの下りだが、反対の上りもある。一日一回づつの運航。

オルセーについたのはもう5時だったが、ラッキーなことに木曜日はオルセー美術館は9時半まで開いている。

オルセー美術館は元は鉄道の駅舎。パリ~オルレアンをつないでいたらしい。それを表す文字が壁面に記されている。

中を2時間ほど見学してカールージュ(市内観光バス)に乗ってオペラ座で降り、歩いて帰宅。

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街並みを歩いて撮った小さなパリ景色。

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↑ 可愛いガラスドア?


パサージュとメトロ

2012-08-30 14:54:14 | 一泊以上の旅行記

パリのひとつの楽しみはパサージュを見て回ること。

石造りの建物の中を貫いて通るガラス張りのアーケードのようなものだが、古切手の専門店、古書の専門店、お菓子やおもちゃの専門店、とジャンル別にそれぞれのパサージュに個性があって、思いがけないパリのエスプリが楽しめる。

入口にはちゃんと「PASSAGE」なんやらと書いてあるので、注意してい歩いていると見つけられる。ひとつのパサージュに入ると他のパサージュにもうまく繋がって思わぬ外の通りに出られたりする。

↓ パサージュ・ヴェルドー

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中には「ショパン・ホテル」なるものがあってびっくり。いつか宿泊してみたいわ。そういえば滞在したホテルのそばにはショパンが住んだ部屋もあったらしい。

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↓ こんなウインドウも♪これは蝋人形。

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↓ 「ギャラリー・ヴィヴィエンヌ」

ここもパサージュのひとつ。とてもお洒落なパサージュ。

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↓ 中身は香水かオーデコロン。

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パサージュの床はアラブ風タイルで美しい。この中にもちゃんとカフェがある。

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古き良き時代のパリの名残のパサージュも、少しづつ無くなりはじめて廃屋のようにさびれた通りもところどころにあった。時は移り、シャンゼリゼやサントノレの高級ショッピング街にとって代わられ、さらにそれも現代では「ユニクロ」や「H&M」がパリ中心地に店を構えるようになりパリっ子たちの集まる店となっている。

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さて、パリを見て回るにはメトロがベスト!

メトロはどこまで乗っても均一料金。切符売り場、あるいは自動券売機で10枚綴り(アン・カルネ)を買うと割引がつくし、無期限使用なので超お得!乗り換え線は迷路のように入り組んでいるが番号で行先表示が示してあるので、自分の行きたいところがはっきりしていればあまり迷うことはない。

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↑ 左側がメトロの切符。

右はカールージュという市内観光バスのチケットだが、これは本当によく知られた名所しか回らないので路地探検とか、迷路が好き!とかいうわたしにはちょっとかったるい感じであった。

大きなメトロの駅は入口にも壁タイルにも個性的なデザインが施されている。

↓ 「パレロワイヤル」駅入口。

キラキラと輝くガラス玉(プラスティック?)のアーチになっている。ちなみにパレロワイヤルのといえばヘップバーンとケーリーグラントの「シャレード」のワンシーンとなったところ。映画の中のあのメトロの迷路での追跡シーンが浮かんできた。

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↓ 「コンコルド」駅

ホームのアーチ型の壁タイルの一枚一枚に全面アルファベットと数字。

こういう壁面利用の見事さに溜息~。

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↓ 「サンジェルマンデプレ」駅のホーム壁面。

シルエットに見せかけて実は、タイルに書かれた五線譜。

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↓ モンマルトルのサクレクール寺院に向かうために下りたABBESSES「アベセ」駅の階段を上がりきった出口。

メリーゴーランドがなんとも華やいだ雰囲気。パリはちょっとの広場にもメリーゴーランドが置かれている。

サクレクールに行くなら、地下鉄の階段と坂道はきついけれど、絶対このABBESSES駅から行くのがお薦め。帰りに利用したANVERS「アンヴァー」駅からが本来の参道だがこちらは混雑して風情がない。

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ボンジュール パリ!

2012-08-29 22:42:23 | 一泊以上の旅行記

8月のパリは、地元のパリっ子たちが長いバカンスに出てしまって観光客であふれかえっていました。

まさに人種のつぼでありました。

実はたくさんの人種の集まるニューヨークに旅行してみたかったのだが、8月のパリは、たぶんニューヨークよりもその雰囲気が顕著ではないかと思います。

以前(32年前)に来たときは、もう少しきれいで落ち着いた感じがしたのは、11月の冬の始まりの時季だったからかしら?

でも今回は以前よりも英語が通じたので少し楽でした。

さて、8月のパリははっきり言って汚い!

そして、ここは立派な喫煙王国である。

堂々と歩きながら吸い、吸い終われば道端にポイ。道は大きな灰皿広場である。

車は埃だらけで考えられない縦列駐車。

排気ガスも多い。

信号はあって無きがごとく、赤信号でも車が来なければ歩行者も当然のように渡ってゆく。

咎める者は誰もいなくて自分の命は自分のもの。丁寧な案内もなく頼るのは自分だけ。

犬だか人間だかのおしっこの匂いもこの街にしみついていて、それが真昼の暑さで蒸発してさらに臭くなる。

犬の糞はパリを網羅する地下鉄(メトロ)の階段にも落とされている。

三ツ星くらいのホテルではお湯の出がイマイチで排水もよくない。(モンサンミッシェルのホテルはバスタブにカーテンが無かった)

空港の入国審査の係りも、ホテルのフロントも、カフェのムッシュ(今では昔風にギャルソンと呼ぶのは失礼に当たるらしい)も、少数のパリ在住者も、必要なことしか言わず淡々と仕事をこなしている。

それでも、パリについてすぐに街並みに飛び出し、夜9時過ぎてもなお太陽の沈まないこの街の景色、雑踏と匂いの中を歩いていると、次第に気分が高揚してくるのはなんとも不思議である。

お愛想笑いがなくても、整然とした信号待ちがなくとも、この街の人々は必ず「ボンジュール」と「メルシー」を言う。

入国審査もまず「ボンジュール」、

メトロの切符を買ったら「ボンジュール」、

カフェに入ったら「ボンジュール」、

スーパーのレジでもホテルのフロントでも公園のトイレ管理人でも子供でも目と目が合ったら「ボンジュール」である。

こちらがぼんやりして忘れていると、執拗なまでに「ボンジュール」と言ってくる。

「ハロー」でもいいから挨拶しろ、というおばさんもいた。

そしてこの挨拶をするときに現れる笑顔が男も女もとてもチャーミング?

汚くて臭くて埃っぽいパリの隠された魅力はこの笑顔であったかと思うほどであった。

パリでの食事、カフェの様子、ちょっとおもしろいすてきな街角風景、もちろん観光名所も取り混ぜて記していきますね。

パック旅行ではないので、地図と片言英語を屈指して、かなり自由に道に迷いながらの記録です。

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8月22日。到着の夜。

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↑ パリ滞在中のホテル・ベルジェール・オペラ。メトロ8・9のGrands Boulevards駅の近く。

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ホテルから歩いてオペラ座へ。

柱の上にモーツアルト、ハイドン、バッハなどなど大作曲家の名前がずらりと彫られている。

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↓ 彫刻のそばで写真を撮っていた女の子。

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↓ オペラ座裏のカフェも美しい。

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再び歩いて帰り、9時近く、角のカフェで簡単なサンドイッチとビール、ワイン、エスプレッソ。

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パリのいちばんすてきな時間と場所です?

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パリのエスプレッソには必ずビスケットかチョコレートがついてくる。

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富士五合目まで

2012-08-19 22:08:05 | 富士山

富士スバルラインで富士山五合目までドライブ。

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人で賑わう五合目休憩所から登山道に少し入って、標高2300メートルの大気の中で深呼吸。このままどんどん歩いて登りたい気分。

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↑ 小御岳神社の展望台から眺める山頂。

残念ながら頂上は雲がかかっていましたが、帰る途中の車窓からは見事に頭を出した富士山がわたしたちを見送ってくれました。

帰りは想定通り、お盆帰省の渋滞に巻き込まれたけれど、八王子あたりまでの中央高速道路は山並みがずっと見渡せるのであまり苦にならない。

都心の道路は空いていて富士山から約3時間半で帰宅でした♪

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