20階の窓辺から

児童文学作家 加藤純子のblog
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『平成大家族』(中島京子著・集英社刊)

2009年01月21日 | Weblog
 今夜は「Be-子どもと本」の例会です。
 神楽坂にある児文協の事務所で、隔月、集まってやっている勉強会です。
 今日は少し早めに家を出て、事務局の方がお帰りになる前にドアのカギをお借りしなくてはなりません。
 
 今月のテキストは、『平成大家族』(中島京子著・集英社刊)
 巣立っていったと思った子どもたちが、それぞれの事情で、形をかえ再び元の家に寄り集まり・・・。
 それをそれぞれの視点からの短編に仕立て、現代の家族のすがたを炙り出していくという手法の物語です。
 作者の、現代のあらゆる世代の人間たち(中学生から、93歳のお年寄りまで)を緻密にウオッチングして描出している様は見事なものです。
「そうそう、ある、ある」 
 読みながら、共感することしきりでした。
 そこには、リアルに「いま」の人間たちがうごめいています。それでいて肩に力が入っていず、思わず吹きだしてしまいます。
 
 とにかく、この作者の時代を見つめる感性と、取材力、そして人間を切りとる手腕に圧倒されました。痛快でした。
「真実は細部に宿る」
 まさに、このことばのとおりです。
コメント
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