「サッカー文化フォーラム」夢追い人のブログ

1993年のJリーグ誕生で芽生えた日本の「サッカー文化」。映像・活字等で記録されている歴史を100年先まで繋ぎ伝えます。

G大阪の三冠、雑感

2014年12月14日 14時02分16秒 | Jリーグ・三大タイトル
昨日、天皇杯決勝が行われG大阪が快勝、ナビスコ、Jリーグと合わせて三冠を達成した。
3年前の柏同様、J2から戻ったばかりでリーグを制したという点で、日本のプロリーグの特殊性がまた話題になるだろうが、なにせ三冠、偉業、快挙の賛辞がふさわしい。

これで、Jリーグスタート時の10チームとしての誇りにピリオドを打ち、J2への陥落を経験した屈辱の歴史が消えるわけではないが、ビッグクラブにして西の王者という称号は取り戻したように思う。

それにしても、G大阪に関しては3年前の西野監督退任以降話題に事欠かない。順不同だが思い当たるままに列挙してみたい。

①G大阪の2012年の混迷は一体なんだったのか、単なるバカな経営陣による脱線だったのか。いま一つわからない。
2013年にはJ2優勝で、あっさりとJ1に復帰、そして今年の三冠で、10年先、20年先には、ほとんど問題にされないと思うが、2012年の混迷は一体何だったのかと、つくづく思う。

クラブ社長が、カネを出している親会社から来ることは、日本の場合、これからも避けられないのかも知れないが、こんなバカな出来事が起きないよう各クラブは肝に銘じるべきだ。

②G大阪とC大阪は、大阪ダービーで「あのチームにだけは絶対負けられない」というほどライバル意識を高めているのか、いま一つわからない。

2013年にG大阪がJ2で戦っている間、C大阪は柿谷曜一朗のブレイクをはじめ、2012年ロンドン五輪ベスト4進出に貢献した山口蛍、扇原ら若手選手の活躍もあってJリーグの話題を一人占めした感があった。「セレ女」という言葉も生まれ、クラブ経営の模範とも言われた。

そのC大阪が、G大阪が戻ってきた今年、J2降格となってしまう。クラブ経営の模範と言われたチームが、実は親会社から来た経営者の無定見なチーム編成で、すっかり混迷してしまったという。

ともに大阪を本拠として、大阪ダービーを戦うはずのチームが、クラブ経営陣の問題で、まるですれ違うように、いいシーズンとダメなシーズンを繰り返している。これでは、とてもダービーが盛り上がるはずがない。

2015年秋にはG大阪の新スタジアムが完成するという。ということは2016年シーズン、C大阪もJ1に戻ってきて、ともにキャパの大きいスタジアムで、それぞれのホームの時、それぞれのチームカラーで埋め尽くされる熱狂のダービーが始まることを願わずにはいられない。

③宇佐美貴史の「いい眺めだなぁ」パフォーマンスは、世界中探しても記憶にない新しいパフォーマンスだと思うし、サポーターも一緒に同じポーズをとっている。これは、世界に発信できる彼の財産だと思うが、来年まで続けられるかどうかにかかっている。

彼の場合は、今年ブレイクしたFC東京・武藤嘉起と違って、数年前からその才能は折り紙つきだったので、むしろ昨年の柿谷曜一朗と同じく、花開くべくして開いた感がある。

宇佐美選手のシュートフォームを見ていると、あの、華奢な体つきで、よく強いシュートが打てるものだと感心する。従来にないストライカーと言えるし、ぜひ大成して欲しい。それこそ、釜本以来、絶えて久しい世界に通用するストライカー、釜本が初代監督を務めたG大阪から生まれるなら、なによりというものだ。

④J2から戻って即三冠、こういうチームがこれから先10年やそこらでまた出てくるとは思えない。相当珍しいケースと考えたほうがいいのではないか。だとすると、20年先、30年先のサッカー史研究者は、なぜ、このチームが三冠を成し遂げられたのか、前年J2で戦っていたことも因果関係となるのかなど、さまざまな視点から研究対象にするのではないかと思える。

できれば、未来の類似チームに対して戦略モデルを提示できればと思うし、今回の快挙に関心を寄せるとしたら、そこに核心があるのではないだろうか。

さきほど①の項目で「2012年の混迷は一体何だったのか10年先、20年先には、ほとんど問題にされないと思うが・・・・・」と書いたが、2014年三冠の快挙は20年先、30年先にも語り継がれるに違いない。

ところで、今朝のスポーツ紙を当然注目した。しかし「G大阪三冠」を一面トップで扱ってくれたのは「日刊スポーツ」1紙のみ。あとは競馬予想記事だ。スポーツ紙のスポーツジャーナリズムとは、所詮この程度なのか、サッカーの魅力が低下したからなのか、検証に値する。







コメントを投稿