営業部の目的は自社の商品やサービスを売ることです。したがって、営業パーソンは売上金額という「成績」で評価されます。では、企業はどのような「成績」で評価されるのでしょうか。それは、売上高よりも利益です。なぜなら会社の「持ち主」である株主の目的は、利益という分け前を得ることだからです。
営業パーソンが売上目標を達成することを最優先にするのは当然のことですが、そのために多くの経費を使ったり、長時間の残業をしたりすれば、その分はコストとなって利益を減らします。「より多くの利益を得る」という目的を達成するため、株主から企業の運営を任されている経営者にとって、それはゆゆしきことです。
しかし、営業パーソンはこう主張します。
「たしかに経費を使えば利益は減りますが、そもそも売り上げが無かったら利益はゼロどころかマイナスになってしまいます。」
「だから、お客さんを接待したり、旅費や交通費を使ったり、残業をしたりするのも売り上げを獲得するためには必要なことなんです。」
それに対して経営者はこう反論します。
「売り上げを得るために経費が必要なのはわかる。しかし、そのために赤字になることを容認してしまったら、会社はいつか倒産してしまう。」
「だから、赤字覚悟で売るなんてことは、あってはならない。利益あっての売り上げだ。」
どちらの主張も言いたいことはよくわかりますが・・・
この議論を不毛なものにしないためには、まず営業パーソンが仕事のやり方を効率化し、必要最小限の経費で売上目標の達成を目指すことです。
そのためには日々の活動計画をしっかり立て、思いつきや行き当たりばったりの訪問をしないようにします。
面談時間や移動時間、社内での事務作業や他部署との調整にかかる時間をきちんと見積って無駄が生じないようにします。
客先から帰ってきたらすぐに仕事を片づけて、さっさと帰るようにすることも必要ですね。
それができたらはっきりとこう主張しましょう。
「営業としてやるべきことはすべてやりました。これ以上は経営者の責任です。」
さて、これを読まれた営業パーソンの皆さん、堂々とそう言い切れますか?