中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

三人のレンガ職人:誰が一番?

2013年08月21日 | コンサルティング

研修講師がよく話すエピソードです。有名なお話なのでご存知の方も多いでしょう・・・

昔々、欧州のある国で三人の職人がレンガを積んでいました。
そこへ一人の旅人がやって来て「何をしてるのですか?」と尋ねました。
一人目の職人は「見りゃわかるだろ。レンガを積んでるんだよ」と答えました。
二人目の職人は「建物の壁を作っているのさ」と答えました。
三人目の職人は「多くの人々のために立派な教会を建てています!」と答えました。

・・・このお話は、働くことの意味やモチベーションの大切さを伝えるときに使われます。もちろん、「三人目の職人のようになりましょう!」という教訓です。

しかし、私はこの話については懐疑的です。

だって、この三人の勤務評定を見てみないと、本当のことは分からないではないですか。

もしも職人たちの親方がこう言ったらどう思いますか?

「一番よく働いているのは一人目の職人だね。愛想はないが実に丁寧な仕事をする。二人目はまあ普通ってところかな。三人目?ありゃ駄目だよ。口ばっかりで手が動いてない。旅人をつかまえちゃ偉そうな話ばかりしている。」

私が社会に出て働くようになってから大分長い時間が経ちました。たくさんの人と一緒に仕事をしてきました。

その経験から、一番目のレンガ職人のようなタイプが本当に良い仕事をする人だと断言できます。

二番目のレンガ職人のような人は「普通」で多数派であることは言うまでもありません。

三番目のレンガ職人のような人は外資系を渡り歩いているか、売れない研修講師になっていることが多いようです。

あくまで私見ですが。

(人材育成社)


アンドロイドは空気の力で動く

2013年08月20日 | コンサルティング

アンドロイドといっても携帯用のOSではなく、人間を模したロボットの方です。日本は世界的なロボット先進国と言ってよいでしょう。産業用のロボットはもちろん、アシモのような人型ロボットも作られています。

ロボットには様々な種類があります。テレビなどで私たちがよく目にするロボットは、アシモを含めアンドロイドではありません。両者の構造が根本的に違うからです。

ロボットコンテスト(ロボコン)やイベントに登場する人間型ロボットは基本的にアーム、つまり「骨」が動く仕組みになっています(アシモは骨というより殻ですが)。

しかし、人間をはじめ動物は「骨」が動いているわけではありません。体を動かしているのは、無数の筋肉の束です。骨はそれらを支えているにすぎません。ここがロボットと人間の仕組みの根本的な違いです。

残念ながら日本のロボットは筋肉で動くものがあまりありません。人工筋肉で動くものも少しありますが、ほとんどは「動く骨組み」です。一方、アンドロイドは人間と同じように、骨ではなく筋肉で動きます。

以下の動画はドイツの空気圧機器メーカのFESTO社のものです。ロボットの手の動きを多くのチューブを使って空気圧で実現しています。また、FESTO社は「自然に学ぶ」という試みでいくつかの興味深い「ロボット」を試作しています。日本の技術を持ってすれば同等以上のアンドロイドを作れると思うのですが・・・。

ビギナーの頃は仕事の「型」を学んでそれを真似することも必要です。しかし、中堅レベルになったら時間がかかっても「本質」を十分に理解してから真似た方がより良い結果が得られると思います。その意味でFESTO社の「自然に学ぶ」取り組みには感心します。現象よりも本質を学ぶ姿勢を持ちたいものです。

http://www.youtube.com/watch?v=u7KIp7A8iqs

http://www.festo.com/cms/en_corp/9617.htm

(人材育成社)

 


文系、理系という無意味な分類

2013年08月19日 | コンサルティング

この数学の教科書と参考書の画像を見て「ああ、なつかしい」と思う人は理系、「わー、久々に嫌なものを見た」と思う人は文系のご出身でしょう。

日本のほとんどの高校や学習塾では、生徒を文系・理系に振り分けます。その振り分け基準になっているのが高校数学であることは間違いないでしょう。いや、もちろん異論や反証はあると思いますが、世間一般のものの見方は、そうなっているのだから仕方がありません。

なぜ高校時代に生徒を文理に分離(!)するのかといえば、明治中期の旧制高等学校からの伝統があるからです。旧制高校には、「文科甲類」「文科乙類」「理科甲類」「理科乙類」などがあり、(旧制)大学で学ぶ専攻もほぼ決まったそうです。

しかし、21世紀になってもこの「文系理系」メガネで物事を見ていると、とんでもない間違いを犯すことになります。

「要は、文系でも数理的な思考が必要で、理系でもヒューマンスキルが大事だと言いたいのだろう」と思ったあなたは、間違っています。数理思考やヒューマンスキルといったテクニカルな問題ではありません。人材を活用する側、すなわち管理者や経営者の問題なのです。

私は、工学部出身だからという理由で好きでもない設計を担当させられてうつになった人を知っています。一方、文学部出身ですが会社に入ってから工学を学んで開発部門で特許をたくさん取得した人もいます。これらを「極端な例」として一笑に付すか「あり得ること」として捉えるかで、将来大きな違いが生まれると思います。

管理者、経営者が「文系理系」メガネを外さない限り、優秀な人材が適材適所に配置されないという「人的資源のロス」が無くならないと言いたいのです。

「でも、その人間の適性や素養など分からないではないか。だから、ざっくりと文系、理系に分けるしかないだろう。」とおっしゃるかもしれません。しかし、それは人材育成に対する「手抜き」に他なりません。適性や素養を正しく判断して適材適所に配置するためには、その人間をじっくりと時間をかけて観察し、理解するしかないからです。

人材育成は時間と手間がかかります。しかし、正しく行えば「人」は最高の経営資源として組織に貢献することは間違いありません。

あなたに部下がいるならば、あなたは部下のことをどれくらい知っていますか?適性を正しく見抜いていると自信を持って言えますか?

(人材育成社)


パンとリエット

2013年08月18日 | コンサルティング

先週の金曜、麻布十番のフレンチレストランに行きました。料理は全部おいしかったのですが、なかでもこのパンが気に入りました。小ぶりのやや固めのパンなのですが、大きさのわりに重くて味もしっかりしていました。このパンにパテ状の「リエット」をつけていただきました。うーん、いけます。気がつくと6個ほど食べていました。

「フレンチ」というと洗練された料理の代表格というイメージがありますが、もともとは「イタリアン」のコピーだったそうです。

中世のフランスでは食材を焼いて大皿に乗せ、手づかみで食べていたそうです。私たちが知るフランス料理は、ルネサンス期のイタリアから嫁いできた王妃とその専属料理人によって「輸入」されたものが源流らしいです。

イタリアンといえばカジュアルな料理という感じがしますが、実はフレンチの「先生」だったんですね。

私たちが研修で使う様々な概念のいくつかは、アメリカからの「輸入」です。しかしよく調べてみると、もともと日本や中国など東洋の思想に根ざしていると思われるものがいくつかあります。

料理も思想も、文化はコピーされることで発展していきます。デッドコピーや海賊版はいけませんが、「学ぶことは真似ること」という言葉もあります。良いところは取り入れて自分なりに新しい工夫を加えていけば良いのだと思います。

しかし、プロの味は真似しようと思っても無理です。素直においしくいただくのが一番ですね。

(人材育成社)


あずきバーはなぜ固いか

2013年08月17日 | コンサルティング

今、「とても固い」ことが話題の井村屋のあずきバーです。その理由はアイスクリームとは違って乳脂肪が入っていないからです。ですからアイスクリームではありません。その名の通りあずきバーなのです。

パッケージから出して、一口かじると確かに固いです。氷の感触ではないのですが、カチカチです。1回かんだくらいでは歯が立ちません。しかし何回かかじるうちに少しずつかけらが口に入ってきます。あずきの粒の口当たりとシンプルな甘さがとてもおいしいです。

私が子供の頃、近所の食堂で食べたかき氷には色々な種類がありました。真っ赤なシロップがかかった氷イチゴ、真っ黄色の氷レモン、緑色の氷メロン・・・今思えば果汁なんて全く入っておらず、全部色付きの人工甘味料でした。

そんな中で、ひとつだけ他のかき氷とは一線を画す「別格」な存在もありました。氷あずきです。天然の素材を使い、味も良く、値段も図抜けて高い「おとなのかき氷」でした。そのため、多くの子供たちと同じように、私も小学生の頃は氷あずきを食べませんでした。

やがて大人になった私は、氷あずきを食べるようになりました。特に「氷あずき練乳がけ」が大好きになりました。そして中年以降になると、練乳の甘さに頼らない「あずきバー」の素朴なおいしさがわかってきました。

心理学者のユングは、人間の中年期を「人生の正午」と名づけました。正午から午後は、自らの人生とじっくり向き合い、自分らしさを追求していくことが重要であると言っています。

子供の頃は本物の味がわからず、大人になってから少しずつわかってくることはたくさんあります。年齢を重ねるにつれ、仕事に対する価値観も変わっていきます。それが成熟ということなのかもしれません。

・・・なぜか固い話になってしまいましたが、そこは「あずきバー」だからということで、ひとつお許しを。

(人材育成社)


暑い夏の日、唐津市が突然に現れる

2013年08月16日 | コンサルティング

今年の夏も暑いですね。30度を超える日が続くと、暑さが苦手な私はぐったりとしてしまいます。とにかく早く夏が過ぎ去ってほしいと祈るばかりです。

そんなわけで「夏が大好き!」と公言する人たちの気持ちが全く分からないのですが、中学生の頃はちょっとだけ夏が好きでした。その理由は私(平野)の住んでいた新潟市の中にいきなり唐津市が現れるからです。

中学生の頃の私の趣味はハム(アマチュア無線)でした。無線機は50MHzのトランシーバFD-AM3(井上電機の傑作機!)、送信出力は1W です。

1Wで交信できる距離といえばせいぜい半径10km程度ですから、普段は新潟市内のご近所さんとダベるくらいが関の山でした。

ところが、夏になるとEスポ(スポラディックE層)が現れるのです。Eスポとは上空約100km付近のE層に突発的(スポラディック)に発生する電離層です。

通常、50MHzの周波数の電波は電離層を突き抜けて文字通り宇宙へ向かって飛んでいってしまいますが、Eスポが発生すると、その電波を反射して地上に戻してしまうのです。電波は光と同じ電磁波ですから、反射角によって戻ってくる場所が決まります。

私の住んでいた新潟市は佐賀から長崎あたりの電波が反射されてくるため、いきなり唐津市内のアマチュア局の電波がまるですぐ隣にいるようにガンガン入ってきます。いつも聞きなれた近所の声ではなく、何百キロも離れた知らない町の人の声がスピーカから大きく聞こえてくるのです。これが夏の最大の楽しみでした。

Eスポは暑い日のお昼頃に突然現れて、10分ほどで消えてしまいます。はるか上空の電子密度の気まぐれが起こすイタズラに、わくわくしたものです。

数年前、糸島市(福岡県)に仕事で行ったことがありました。唐津は近いのでちょっと行ってみたかったのですが・・・残念。

唐津は行ったこともない町ですが、何かの縁を感じます。突発的(スポラディック)に仕事が来れば良いなあと夏空を見上げながら思いました。

(人材育成社)

 


博士の異常な愛情 または私はいかにして心配するのを止めて水爆を愛するようになったか

2013年08月15日 | コンサルティング

・・・というタイトルの映画を観ました。1964年のアメリカ映画です。主演は「ピンクパンサー」で主役のクルーゾー警部を演じたピーター・セラーズ、監督は「2001年宇宙の旅」や「シャイニング」のスタンリー・キューブリックです。

この映画は核戦争を扱ったコメディなのですが、冒頭に「映画はフィクションであり、このような事態は絶対に起こりえない」というアメリカ空軍の解説が出てきます。

お話は、正気を失ったアメリカ空軍の将軍が勝手にソ連(ロシア)に向けてB-52数十機による核攻撃命令を出すところからはじまります。その危機を将軍の副官が機転を利かして大統領に知らせ、なんとか阻止するのですが、1機だけかろうじてソ連の空軍基地を核攻撃することに成功(?)してしまいます。その結果全面核戦争が起こり人類が滅びることが決定的になるのですが、「人類を生き残らせる策」を大統領の科学顧問のストレンジラブ博士が披露します。将軍の副官、大統領、ストレンジラブ博士をピーター・セラーズが1人3役で演じており、とても面白いです。

1950~60年代は米ソの冷戦時代であり、お互いに核兵器による軍拡競争がありました。私(平野)もこの時代に少年期を過ごしており、核兵器による人類の滅亡は「明日起こるかもしれない”絵空事”のような現実」という感じで受けとめていました。

核兵器の数は年々減少してきてはいるものの、まだまだ十分過ぎるほど存在しています。「ブラック・コメディの傑作」というこの映画のうたい文句から「ブラック」が消える日はしばらく来そうもありません。それでも弊社は、未来があると信じて「人を育てる」仕事を続けていきます。

「博士の異常な愛情(1枚組) [DVD]」、 モノクロ、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント、 2003

(人材育成社)


ペルセウス座流星群

2013年08月14日 | コンサルティング

お盆のいま、夜空にいくつかの流れ星を見ることができます。ペルセウス座流星群です。

そのピークは昨日でしたが、24日頃まで観察できます。深夜でも明るい都内ではなかなか見ることはできませんが、周囲に明かりが少ない場所で雲が無い夜にはよく見えるそうです(昨夜は神戸市の六甲山付近で1時間に10個程度観察できたそうです)。

星座をはじめて「発見」したのは、約5千年前のメソポタミア地方の羊飼いだといわれています。それが、ギリシャに伝わり神話と結びついて現在の星座になりました。ペルセウスはギリシャ神話に登場する英雄で、頭髪が蛇になっている妖怪メドゥーサを退治したことで知られています。

星座を構成する一つひとつの星どうしは近くにあるように見えますが、お互いに何百光年も離れています。また、流星群も何百光年も離れたペルセウス座から飛んできたわけではありません。実体は、ペルセウス座が見える方角から飛んできた太陽系内の「ちり」です。

星座と神話は科学とは別の物の見方を提供してくれます。仮に人間に最初から科学的な知識があったら星座や神話は生まれなかったでしょう。知らなかったから「想像」したのです。

人間は、知らないことを「知りたい」と思うから想像力をはたらかせます。その結果、知識も増えていきます。もしも「知りたい」と思う気持ちが少なくなってきたら・・・それは精神の老化現象なのかもしれません。幸い私には知りたいことがまだまだたくさんあります。肉体はだいぶ老化してきましたけれど。

(人材育成社)

 

 


交響曲第4番『イタリア』:メンデルスゾーン

2013年08月13日 | コンサルティング

「イタリア」はフェリックス・メンデルスゾーンが作曲した交響曲です。Wikiには「メンデルスゾーンの交響曲のなかでももっとも親しまれている」とありましたが、交響曲ではありませんが「結婚行進曲」や「春の歌」、「ヴァイオリン協奏曲第1楽章」の方がはるかに有名でしょう。曲名をご存じない方も検索して聴いてみてください。「ああ、この曲ね!」と言うこと受け合いです。

それらに比べると知名度ではやや落ちるものの、私は、躍動的で明るくドラマチックなこの楽曲が大好きです。特に気分がすぐれないときは、この曲に限ります。ワーグナーやエルガーに比べると勇壮さでは劣りますが明るい「イタリア」っぽさがとても気に入っています。

さて、画像は世田谷線です。ご覧のとおり、一瞬イタリアの国旗のような配色に見えたためすかさず写真を撮りました。

このように、色と形と音楽は思いがけずリンクすることがあります。ふだん数字や論理が頭を占めることが多いので、一瞬のこうした思考のトリップが起こるとちょっと楽しくなります。

そして企業研修でも、もっと楽しくなるような工夫はないものかと考えてしまいました。考えているうちに電車は行ってしまいました。

http://www.youtube.com/watch?v=_HX_jF1_Tgc

(人材育成社)


シュレーディンガーの猫は生きて死んでいる

2013年08月12日 | コンサルティング

今日(8月12日)のGoogleロゴはシュレーディンガー生誕126周年を記念したデザインでした。

「シュレーディンガーの猫」は、オーストリアの物理学者シュレーディンガー(E.Schrödinger, 1887 - 1961)が唱えた量子論に関する思考実験のことです。

箱の中に1匹の猫と青酸ガスを入れたフラスコを置き、ふたをします。フラスコには放射線検知器が接続されたハンマーがついており、放射線を検知するとハンマーがフラスコを叩き割ります。すると青酸ガスが箱に充満し、猫はあっという間に死んでしまいます。

放射線が検出される確率が50%だとすると、観測者がふたを開けて中を見たとき、猫が生きている確率は半々(50%)です。シュレーディンガーによれば「この猫は、生きている状態と死んでいる状態が1:1で重なりあっている」と解釈するべきだというのです。

なぜなら量子力学では、原子の位置を一定の範囲に広がった確率分布(波動関数)としてとらえます。それが、観測者によって観測されてはじめて、ある位置にあることが確定するからです。

・・・まるでわけのわからない話ですね。

もう少しくだいて言うならば、猫の生死は原子の「位置」によって左右されるのですが、その「位置」は確率的にしか決定できない「重ねあわせ」の状態にあるので、猫も生きている状態と死んでいる状態の「重ね合わせ」にあるというのです。

・・・かえって混乱してしまったでしょうか。

さて、「重ね合わせ」という考え方は、もしかすると人間の思考パターンにかなり近いような気がします。たとえば、高価な買い物をする時、会社を辞める時、婚姻届けを出す時、私たちの思考はイエスとノーが確率分布したような状態にあると思います。

「そんなのはあなただけでしょう!」ですって?

うーん・・・そうであるようなないような。

http://www.mdn.co.jp/di/newstopics/31456/?rm=1

(人材育成社)