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第1,044話 一挙手一投足の「働き」とは

2021年08月04日 | 仕事

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

新型コロナウイルスのワクチン接種が、(地域により多少のばらつきはあるものの)高齢者から64歳以下へ広がってきています。

私は、5月に80代の親の付き添いで出身市のワクチン接種会場に行き、その後先月末には居住地区の会場で私自身の1回目の接種を受けました。

両会場での接種の進め方はそれぞれに特徴があり、非常に興味深く思いました。まず出身市の会場では、接種者自身が受付→接種前の問診→接種ブース→接種後の待機場所へと順に移動するスタイルでした。一方の居住地区の会場では、接種者は受付後に個室のブースに入るとその後の問診や接種は医師や看護師が移動して行い、接種後の待機までの一連がそのブースで行われるスタイルでした。

2つの会場で正反対ともいえる対応だったわけで、運営に対する考え方の違いに興味を覚えました。それぞれに一長一短あるように思えましたが、私はどちらかというと居住地区の会場の運営スタイルの方がより効率的なのではないかと感じました。

これに関して、先日(6月12日)の朝日新聞で、愛知県豊田市では接種会場の運営にトヨタ自動車の「カイゼン」のノウハウを取り入れていることが紹介されていました。具体的には、「受付80秒」「手指消毒12秒」と作業ごとに時間を算出し、最適な人員配置を考えたり、会場の床には進路を矢印で示したり、また約60の案内板を設置しているとのことです。

当然のことではありますが、私たちの一挙手一投足には時間がかかっています。効率の視点で考えると、一つ一つの動作もおろそかにはできないということであり、日頃当たり前のように行っている動作であっても、絶えずムダが発生していないかという問題意識を持つことは非常に重要です。

職場の業務で考えてみると、仕事を阻害する問題の例として一番に挙げられるのがムダです。しかし、ムダが発生していても意識的に見るようにしなければ、それをムダとしてきちんと認識することは案外難しいものです。

そこで、ムダを発見し認識するためには、「動き」と「働き」に分けて見ることが必要です。工場などの現場では、作業員の動作が生産に貢献しているかどうかを見分けることをしているところが多いかと思いますが、デスクワークではそこを見分けることは簡単ではありません。ではどうするかというと、「その動作が利益を生んでいるかどうか」の視点で見てみることをお勧めします。具体的には利益を生む動作を「働き」として、単なる「動き」と区別してみることです。現場のみならず、デスクワークでも営業活動でも、会議などにおいてもきちんと「働き」になっているか、「ムダ」になっていないかを確認することが重要なのです。

今回、2つの接種会場を訪れて運営方法の比較ができたことにより、自分の仕事においても一挙手一投足にムダがないかという問題意識を持つことが重要だと改めて思いました。

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