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第958話 在宅勤務時の部下へのフィードバックはどうするのか

2020年09月23日 | 仕事

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「書類を提出しても何の反応もありません。せめて『受け取った』という連絡くらいはほしいのですが・・・」

これは先日、弊社が担当させていただいたある企業の中堅社員研修の際に、受講者のMさんをはじめとして数人から聞いた話です。この企業では、現在週に3日間の在宅勤務を取り入れているとのことですが、在宅勤務の開始直後から日報をはじめ、様々な資料の提出を求められるようになったとのことです。

Mさんは続けて、「せっかく時間をかけて作った書類なのに、受信しましたという連絡すらないのです。そもそもちゃんと届いたのか、きちんと見てもらえているのか、そして書類の内容は良かったのか、それとも改善点があるのか等、何もわからないので不安になります。上司から何らかの反応がほしいというのが、正直な気持ちです」と話していました。

弊社では、この企業で中堅社員研修以外に監督者研修も担当させていただいているのですが、その際に先の受講者の声を紹介したところ、監督者の実に4人が部下から提出された書類に対して、特にフィードバックをしていないということを正直に話してくれました。

過去にこのブログでも何度か取り上げていますが、フィードバックとは「事実を伝えることであり、行動のプロセスや成果についての情報を提供する」ことです。

たとえば、部下ができなかったことができるようになったり、改善した際にはそのことをきちんと伝えほめることもそうです。また、部下が達成したい目標に対して現況を伝えたり、部下が周囲にどのような影響を与えているのかを伝えたりすることも、フィードバックなのです。

監督者に「部下から送られてきたものに反応されていないのはなぜですか?」と聞いたところ、「10数人の部下から届いたものに対して、1回ごとに反応するのが大変だと感じています。対面であれば、ささっとその場でコメントしていたのですが、コメントを文章にするのは結構骨が折れます。それでつい先延ばしにしてしまっていました」とのことでした。

実はこれと同様の話は、この企業以外でも悩みの一つとして最近顕在化されてきているようです。提出する側の部下も、それを確認する側の上司の方も、今までであれば言葉だけで済んでいたことを、その都度文章化しなければならないため、その分のエネルギーがかかってしまうということです。

こうして在宅勤務による手間が増えた分、確かに要領良く行っていかないと、下手をすると本来業務に支障が出てきてしまうということにもなりかねません。

では、どうすれば良いのでしょうか。

お勧めしたいのが、まず受信確認の連絡に関してはあらかじめ決まったフォーマットを作っておき、それを使うようにする。具体的なフィードバックについては、オンライン会議や対面時に必ず行うようにするなど、ある程度ルール化して行うことです。このように、ある意味で機械的に行うようにしてしまうことで手間が省けるだけでなく、お互いに機会を逸することなくコミュニケーションをとるようになるのです。

言うまでもなく、部下にも上司にもコミュニケーションを密にして情報を共有していくことは、ビジネスにおいて欠くことのできない最重要事項です。在宅勤務が進められている今だからこそ、それが滞ることのないように双方があまり負担に感じることなく取り組める方法を、あなたの職場でも話し合って作ってみてはいかがでしょうか。

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