中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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第1,214話 孤立感をもたせないためには

2024年05月08日 | コミュニケーション

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

今から半年ほど前の朝日新聞の「孤立したアリ(蟻)は短命になる (2013年10月23日)」という記事が強く印象に残っています。その記事には、孤立したアリは活性酸素が増え、それが原因で寿命が短くなったということが書かれていました。

さて、ゴールデンウィークも終わり、職場に配属された新入社員は今後本格的に仕事を覚えていくタイミングになりました。当の新入社員の中には、これから職場に馴染めるだろうか、仕事をしっかり覚えられるだろうかなどと心配をしている人も少なくないだろうと思います。一方で仕事を教える側(OJTトレーナーなど)の先輩社員や上司にも、仕事をきちんと教えられるだろうかと心配している人、しっかり育てるぞと思いを新たにしている人もいるのではないでしょうか。

それぞれの職場では、新入社員に早く仕事を覚えてもらうために様々な工夫をしていると思いますが、その中で私が重要だと考えている一つが、先述の記事にあった「孤立させない」ということです。改めて「孤立」と言う言葉を辞書で調べてみたところ「他とかけはなれてそれだけであること。ただ一人で助けのないこと」(広辞苑)とあります。これを職場で考えると、新入社員に全く関心を示さない、気にかけることがないなどにより、周囲からの助けがない状態に置かない。そして何より、そのような雰囲気を作らないということが大切になると考えます。

職場で上司や先輩社員をはじめ大勢の人がいるのにもかかわらず、自身への関心が示されず、困っているときにも助けてもらえない。また、周囲が絶えず「忙しいオーラ」を出して周囲の人に話しかけにくい、質問をしにくいような雰囲気があると、新入社員にとっては周囲の人たちに話しかけようとするハードルが高くなってしまいます。その結果孤立感はどんどん深まっていってしまうのではないでしょうか。

それを防ぐためには、職場においては積極的に周囲に話しやすい雰囲気を作るように心がけることが大切です。具体的な取り組みとして仕事時間中に質問の有無にかかわらずディスカッションタイムを設けること、新人とOJTトレーナーの組み合わせのみならず、様々な組み合わせで、双方向のやりとりができるようなフリーディスカッション時間を設けるなどから始めてみてはいかがでしょうか。もちろん、その際には聞き手は話し手の話に対して頷くなどの関心を示したり、タイミングよく反応したりすることが大切なことであるのは言うまでもありません。

そして、先述の記事の終わりには「今後、社会的な関わりが生き物の健康を左右することを、アリを使って解明していきたい」とも書かれていました。このように職場で孤立をさせない、職場での良好な雰囲気や人間関係を作っていくということは、新入社員だけでなく職場のすべての人の健康にも関わる重要な問題だと考えています。社員が心身ともに健康で働くことができるようにするためにさらに職場でできることがないのか、改めてこの機会に見直してみてはいかがでしょうか。

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