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第1,167話 親しい間柄ではない相手が、友達言葉を使用する心理とは

2023年05月24日 | コミュニケーション

「社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「馴れ馴れしい言葉遣いが気になりました」

これは、私の知り合いが自身が勤めている会社の階層別研修に出席した際に、外部講師の言葉遣いが非常に「フレンドリー」であったことに違和感を覚えたと話をしてくれたときの言葉です。

その研修を担当した講師は50代後半くらいの男性で、30代が中心の受講者に対して成長してもらいたいということを繰り返し熱く語っていたとのことです。そうした気持ちが強く働いたためかどうかはわかりませんが、受講者への語り口は「ここがポイントだよ」「これの目的はここにあるんだ」など終始「フレンドリー」だったそうです。そのため、知り合いは講師のその言葉遣いの方が気になってしまい、研修内容はあまり頭に入ってこなかったとのことでした。

研修に限ったことではありませんが、様々な接客の場面、たとえば病院での医師や看護師、老齢の親に付き添って訪れた美容院や介護施設などでも、「友だち言葉」で話をする人が少なからずいるように感じています。もちろん、相手は親しみを込めてそのような言葉遣いをしていることは想像がつくのですが、面識の程度にかかわらずさほど親しい間柄ではない相手からそのように話しかけられることについては、私自身は正直あまり居心地がよくありません。皆さんはこの点はいかがでしょうか。

それでは、前述のように顧客や患者、利用者に対して友達言葉で話をする人がいるのはなぜなのでしょうか?職種や個人により様々な考え方があるかと思いますが、多くの人は意識するしないにかかわらず相手との心理的距離を縮めたい、親しみやすさを表現したいという気持ちから、フレンドリーな友だち言葉を使用しているのではないでしょうか。

フレンドリーな対応を違和感なく受け入れられる人ももちろんいるかと思いますが、必ずしもそのような人ばかりではありませんので、受け取り方は様々なのではないでしょうか。

 それでは、話しかけた相手がどのように受け取っているのかを確認するためには、どうすればよいのでしょうか。相手に直接聞くことができれば話は簡単ですが、冒頭の例のように外部から来た研修講師の言葉遣いを受講者が指摘することは簡単にできることではなさそうです。また、そもそも相手に「どう受け取っています?」と確認すること自体が簡単なことではありません。

そこで、相手の受け取り方によって対応を変えるのではなく、親しみやすいことと馴れ馴れしい言葉遣いは別のこととして、一線を引いて考えてみてはいかがでしょうか。もし相手に対して親しみやすさを表わしたいと考えるのならば、言葉遣いをフレンドリーにするのではなく、親しみを込めた小さな対応を少しずつ、時間がかかってでも積み重ねていくのが一番確実ではないかと思います。

親しい関係は「焦らずじっくり」構築していくことがお勧めです。そして、信頼関係が構築できた結果、気が付いたらお互いが親しみやすい言葉遣いで話ができるようになっていたというのが理想なのではないでしょうか。

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