中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

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営業に向いてないとお考えの方へ

2017年11月12日 | コンサルティング

10年ほど前、A君は新卒で入った建設会社で新築マンションの販売部門に配属されました。それから頑張ってなんとか中くらいの成績を維持してきましたが、年を追うごとに「自分は営業には向いてない」という思いが強くなってきました。何よりも辛かったのは、営業の仕事がクリエイティブでなかったことでした。

「自分はクリエイティブな人間だ」A君はそう思っていました。彼は大学時代に広告研究会の部長を務め、学園祭の実行委員としてOBOGがいる企業から多くの協賛広告を集めるなど大活躍をしました。希望していた大手の広告代理店には就職できませんでしたが、現在の会社で広報かマーケティングの仕事に就くつもりでした。

「もっとクリエイティブな仕事がしたい!」10年経って主任になり、2人の部下の面倒を見る立場になっても、その思いは変わることがありませんでした。

そして今年の秋、ついにA君は中堅の広告代理店に転職をすることになりました。仕事は、この会社のクライアントである不動産会社から依頼されたウェブや雑誌などの広告制作の進行を管理する「ディレクター」というものでした。

A君はもともと広告の制作プロセスには興味があったので、仕事はすぐに覚えてることができました。また、クライアントである不動産会社についても建設会社時代の知識が大いに役立ち、半年と経たないうちに一人前のディレクターとしての実力を発揮するようになりました。

日本中の営業部には「自分には営業の仕事は向いていない」と考えている人が少なからずいることでしょう。誰しも仕事に向き不向きはあります。もしA君のように何年経ってもその考えが変わらないなら、是非転職すべきだと思います。

ただし、そのときは「転職をする理由」が非常に大切です。なぜなら、営業職から他の職種への転職は、採用する会社からすれば「どうせ営業のノルマがきつくて逃げたくなったのだろう」と勝手に想像してしまうからです。残念なことですがこれが現実であり、他の職種からの転職に比べて大きなハンデとなります。

したがって、なぜ「職を変わる」のか、十分に納得できる説明が必要になります。先ほどのA君を採用した広告会社は、(1)建設会社に10年いてクライアントの業界に詳しい、(2)主任として2人の部下を指導している、(3)広告の制作プロセスについても多少の知識がある、といった点を評価したのです。

さて、A君のように「クリエイティブな仕事がしたい」とお悩みの営業パーソンの皆さん、転職を希望する会社を納得させられるだけの材料がありますか?

もし無いなら、これから営業の仕事を頑張って結果を出すことが転職への近道ですよ!

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