「99人以下の中小企業の社員が辞めずにイキイキ働くようになる」を実現する人材育成社です。
「いい人いませんかね?」中小企業の社長さん(および経営者の方々)にお会いすると、必ずこういう言葉を聞きます。「いい人」とは言うまでもなく仕事のできる人、優秀な人、社員として会社に欲しい人のことです。また、この言葉の後に続くのが「なかなかいい人が採用できなくて・・・」というため息まじりのセリフです。
私はそれを聞かされるたびに「大変ですね。じゃあ、探してみますよ」とお答えしています。
「え!本当ですか。探してくれるんですか!ありがとうございます。」
「はい。よろこんで!では、社長のおっしゃる優秀な人の条件をお聞かせください。」
「仕事ができる人、頭のいい人です。」
「仕事ができるってどういうことですか?」
「・・・そりゃあ、当社の商品をたくさん売ってくれる人ですよ。」
「では、頭がいいというのはどういうことですか?」
「そうですね、一度説明したら間違わずに業務をこなせることかな。」
「よくわかりました。1人心当たりがあります。」
「本当ですか!ぜひ、会わせてください!」
「はい、もちろんです。年収は1,500万円ほどご提示いただくことが条件ですが。」
「・・・はあ?そんなの無理に決まってるでしょ。」
「社長、優秀ってことはハイスペックということです。高級車を買おうと思ったらそれなりの出費は当然ですよね。それと同じですよ。ちなみに、年収でいくらならご提示できますか?」
「まあ、最高で700万円くらいかな・・・」
「なるほど、カローラの値段でクラウンを買おうということですか(トヨタさん、ごめんなさい)。」
「・・・」
実はこういう社長さんは少なくありません。「現実は厳しい」というよりも「常識すらわかっていない」のです。いや、わかりたくないのかもしれません。
まず、地に足をつけて、日頃おこなっている仕事に向き合うような姿勢で採用を考えることです。
私は中小企業にとっての「いい人」とは次のような人だと思っています。
「素直で粘り強い人」です。
言い方は悪いですが、頭の中身は空っぽで構わないです。
「こんなことも知らないのか」、「ここまで説明しないといけないのか」というなら、なおさら良いでしょう。なぜなら、まだまだ頭に詰め込むスペースが空いているからです。
詰め込むと言いましたが、正しくは教育するということです。教育、すなわち「育てる」ことで木のようにすくすく伸びていく人が「良い人」です。木のように伸びるから「人材」なのです。
「優秀な人」は「人財」かもしれませんが、「財」すなわち「お金」が付くようにお高い買い物になります。それに「伸びる余地」はすっかりなくなっているかもしれません。
それよりも、たとえ小さな芽でも「人材」といえる人を雇って大きく育てましょう。