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有名人ではない、金原明善の「やらまいか」

2015年05月20日 | コンサルティング

あなたは自分の同郷の出身で活躍している有名人の名前を挙げられますか?

横須賀出身の私にとって同郷で活躍をした人といえば、小泉純一郎元首相、そして、山口百恵さんです。横須賀出身で活躍している方は他にも大勢いらっしゃいますが、やはりこの二人が群を抜いて有名だと思います。

さて、先週から朝日新聞の夕刊で「やらまいかをだどって」と題して、静岡県の西部地区が日本を代表する起業家を生んだと紹介しています。スズキの創業者の鈴木道雄とホンダの創業者の本田宗一郎は現浜松市出身、自動車発明家の豊田佐吉とその長男でトヨタ自動車の創業者の豊田喜一郎は現湖西市出身とのことです。

日本の名だたる企業の創業者の出身地が静岡県の西部地区に集注していますので、同郷の方もしくは今お住まいの方などはさぞかし鼻が高いことだろうと思います。

それでは、なぜ静岡県西部地区に創業者が集中しているのか。記事ではそれは「やらまいか」精神によるのではないかとしていました。

この「やらまいか」は、静岡県の西部、遠州の方言で「やってやろう」「やってみよう」という意味で、失敗を恐れずに挑戦する気風を表すものだそうです。4人が「やらまいか」精神に基づいて活躍した結果、それぞれの偉業が成し遂げられたであろうことがその功績からも想像できます。

このように静岡県西部地区は幾多の企業家を生み育んだ地ですが、実はこの方たちが生まれるはるか30年も前に、一人の大物実業家がこの浜松の地に誕生していたことをご存知でしょうか。

その方は「金原明善(きんばらめいぜん)」さんとおっしゃいます。天竜川の治水事業や北海道の開拓、植林事業など近代日本の発展に活躍した偉人です。

これまで何度かこのブログでもふれていますが、私は2年ほど前から旧東海道を京都に向けて歩いています。この3月に見附宿(磐田市)から浜松宿(浜松市)までを歩いていた際に、天竜川を渡った中野町というところで旧東海道沿いにある「金原明善記念館」の前を通りかかり、見学したことで初めて金原明善さんのことを知りました。

記念館で案内の方にいろいろお話を伺ったところによると、明善さんは治水・治山事業だけでなく、銀行業、出獄人保護事業など幅広い分野で活躍した人です。さらに伊藤博文や大久保利通をはじめ幕末から明治期にかけ歴史に名を馳せた多くの人物とも親交があったそうで、記念館には直筆の手紙をはじめとする多くの資料が展示されていました。きっと明善さんも「やらまいか」の精神で何事にもあたっていたのかもしれませんね。

ところで、大河ドラマ「花燃ゆ」では、先日の放送で吉田松陰が江戸に送られ死罪となりましたが、松陰が江戸に送られる途中、金原明善さんの家の前を通りかかった際には、松陰一行にのどを潤す水を出したこともあったそうです。ちなみに、この時の松陰は自分を護送する人たちに先に水を出して、自分は最後にしてくれるように頼んだそうで、実に立派な態度であったと伝わっているとのことでした。

話を戻しますが、この金原明善さん「実を先にして名を後にす」が信条であったこともあるのか、数々の偉業を遺したにもかかわらず、一般にはあまり名前を知られてはいません。地元の浜松市では、小学校の授業で明善さんについて学ぶ機会があるそうですが、残念ながら全国区にはなっていません。

実に魅力的で立派な方ですので、皆さんも、ぜひ一度ネット等で明善さんのことを検索してみてください。

このように、地元では当たり前のように有名な人であっても、全国的には意外に知られていない人が他にもいるのかもしれません。何とももったいないような気がしますが、皆さんの出身地ではいかがでしょうか?

(冒頭の写真は、明善記念館のHPより)

(人材育成社)


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