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ロールモデルは大勢いた方がいい

2018年12月26日 | コンサルティング

先日、管理者を対象にした研修を担当させていただいた際に、「過去に一緒に仕事をした人の中で、立場に関係なく『自分の成長に影響を与えてくれた人、お手本になった人、見習いたいと思う人』」を挙げていただきました。

すると、あるグループでは6人のメンバーのうち、3人が偶然にも同じ人(Aさん)を挙げたのでした。この組織では定期的に異動が行われているため、現在、3人は別々の部署に所属していますが、過去にそれぞれがAさんの下で働く機会があったとのことです。

当初、3人は各々が語っているのが同じAさんの話だということはわからなかったそうですが、話を進めるうちに徐々に同じ人の話をしているのだということがわったとのことです。

3人にとってAさんはプラスの影響があったわけですが、興味深かったのは3人がそれぞれ異なった視点で「Aさんから影響を受けた」と言っていたことです。

1人はAさんのマネジメント能力から影響を受けたと話していましたし、もう1人はAさんの部下を育成する能力について触れて、自分は彼から育てられたと話していました。そして最後の1人はAさんのプレイヤーとしての活躍を話してくれました。

Aさんが過去に3人に対してプラスの影響力を発揮したという点は共通していますが、3人がお手本にしたいと考えているのは、全く別のものだったのです。

「ロールモデル」とは、自分にとって具体的な行動や考え方の模範とする人物のことです。ときどき「うちの会社には、残念ながらロールモデルになるような人がいない」や、「誰をロールモデルにして頑張ったらいいのかわからない」といった声を耳にすることがあります。

しかし、先の例からもわかるように、同じ人からそれぞれ異なる面で影響を受けている例があるということは、別の視点から考えると、1人の人にロールモデルとしてのすべての役割を求める必要はないと言えます。

あらゆる面で卓越した知識や能力などを持っている、いわばスーパーマンのような人はそうそういないでしょう。もしすべてを1人に求めてしまうと、ロールモデルにしたい人に簡単には出会えないことになってしまいます。

ですから、ロールモデルについてはすべての面を1人の人に固定にして求めるのではないということです。Aさんからはこの点を学ぼう、BさんからはAさんにはないこの点を教えてもらおう、Cさんからはここをお手本にしようというように、少しずつ良いところをチョイスして、自分なりのロールモデル像を作ればよいということです。

もう一つ言えるのは、ロールモデルは必ずしも自分の組織の中だけに求める必要はないということです。

たとえば、定期的な異動がある職場であればロールモデルとなる人に出会う機会も増えるとは思います。しかし、もしそうした異動がない職場であるならば、組織の外にロールモデルを求めるのもありです。

そして何よりも必要なことは、様々な人から少しずつ「良い所取り」をするためには、出会いを求めて自ら動く姿勢を持つということです。

さて、あなたにはロールモデルとしたい人はいますか?まだいないという方は、来年こそは見つけてみてはいかがでしょうか。

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