パオと高床

あこがれの移動と定住

城西国際大学ジェンダー・女性学研究所編『ジェンダーで読む<韓流>文化の現在』(現代書館)

2006-10-20 01:04:16 | 国内・エッセイ・評論
あの「冬のソナタ」に関する本だ。といいながら、シンポジウムと文章の二部構成で作られたこの本は、読解と考察の面白さに溢れている。
「刊行に寄せて」に書かれているように、シンポジウムでは、「物語」として「冬のソナタ」の構造分析をする水田宗子、女性像を読み解く尾形明子、主人公から男性像の新しさを語る岡野幸江、朝鮮半島と日本の歴史学、政治学からアプローチを試みる姜尚中、ブームの本質を解釈する田代親世の各氏が、「女性学、文学、政治学、エンターティメント研究の各領域から、」ドラマの内部や外部を精密、鮮明に読み解く。
また、二部では六編の評論が文化批評の諸相を展開している。
全編にジェンダーが軸としてある。そして、文化主体の可能性を探っていこうという姿勢が見られる。
作品批評の楽しさと問題意識の熱気とその現れのしなやかさが感じられる一冊だった。


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