パオと高床

あこがれの移動と定住

映画「四月の雪」見る

2005-09-27 10:25:38 | 雑感
映画「四月の雪」を見た。
ペ・ヨンジュン中心で語られる場合とホ・ジノの映画として語られる場合の二つに別れているのかもしれない。
ホ・ジノの過去二作で「八月のクリスマス」はとてもよかった。「春の日は過ぎゆく」は多分浸れる人とついていけない人を二分した映画だと思う。で、今回の「四月の雪」だが、解釈しようとするとかなりな注意力を求められそうだが、抑制された会話や削ぎおとされた演技、考え抜かれた映像の作り出す世界に引き込まれた。全体のストーリー、起伏があるので、比較的入りやすいとは思う。ただ、映画自体が寡黙なところが案外、浸れない人を生み出すかもしれない。それと時間の流れのわかりにくさが、こちらの判断を難しくさせる。しかし、この感情はどちらかであるとかここはこうだと断定するのではない演出が、むしろじわりと迫ってきたりする。重層的に重なってくる状況の中で求めあっていく感情をじっくりと静謐ともいえるタッチで見せてくれた。韓国題「外出」は「四月の雪」に比べると情感的ではないが、二人の状況を考えると意味深い題名である。
降る雪に何を見るかが投げかけられている問いかもしれない。
で、ボクにはとても面白かった。
「夏の香り」「永遠の片思い」のソン・イェジンさんもよかった。
また、ビデオか何かでじっくり見て、ちりばめられたヒントをつなぎ合わせたいと思った。

映画「埋もれ木」

2005-09-23 12:18:24 | 雑感
久しぶりに映画を見た。小栗康平の「埋もれ木」という映画だ。映像がきれいだった。
夢見る力と物語る力をファンタジックに表現している。ボクらが夢見たいと思う時間や実際にかつて夢見られた時間、そして今まさに見る夢の時間が視覚化される。そこにはすべて現実がある。だが、夢は、現実を作り出す力でもあり、現実が置き忘れたものでもあり、現実と距離を置くからこそ美しいものでもあるのだ。ボクらは現実の中で生きている。しかし、人が生きていられるのは実はイメージの世界なのかもしれない。見終わったあと静かな感謝の気持ちがわいてきた。