パオと高床

あこがれの移動と定住

佐々木節『2時間でわかる旅のモンゴル学』(立風書房)

2006-10-08 14:00:01 | 国内・エッセイ・評論
モンゴルから抜け出せない。夏の旅行以来、ふっと草原や青空が浮かぶ。見慣れた遠くの山を見ると、モンゴルではあの山までが障害物無しで見渡せるのにと思ってみたりする。その思い出に浸りながら、うんうんと納得しつつ、また、そうなんだと興味をかき立ててくれるモンゴル旅行入門書だ。行く前に読んどきゃよかった。でも、あとからでも十分楽しい。99年発行の本だけど、今でも変わってないようなところが多かった。めまぐるしく変化し続ける開発ラッシュの国とは時間の流れ方が違うのかも。ただ、それでもウランバートル市内などは結構激変しているようで、価値観の違う遊牧の生活を、農耕民族の破壊や定住狩猟民族の暴挙が覆い尽くさないように祈りたい。
グローバル化という言葉の本質とその欺瞞について、ちょっと考えてみたくなった。


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遠藤次郎・中村輝子・マリア・サキム『癒す力をさぐる 図説中国文化百華』(農文協)

2006-10-08 04:31:23 | 国内・エッセイ・評論
東洋医学の本、かな?中国医学の幾つかの項目について医学源流と考えられる地域との比較検証が述べられている本だ。図表が面白い。また、漢方の体系化された世界の一端が見えるような気がする。妙な言い方をすれば、部位機能的身体と捉えるか、全的実現体として捉えるかの東と西の捉え方の違いを勝手に想像したりする。気の流れって何だろう。例えば、外科的技能からいけば、より精細な身体の内部俯瞰図が必要なのだろうが、漢方的な世界でいけば、むしろ必要なものは連結体系なのかもしれない。もう少し、考えてみたいいろいろが詰まっていたような一冊、かな?
トルファンの砂漠療法は、数年前に行った時の光景が思い出された。

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