行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

さて、いよいよ常願寺川上流部に足を踏み入れる!(序章)

2022年07月31日 | 日記・エッセイ・コラム
行き先不明の旅は、今度は富山に向へということになる。これまでも土木構築物や土木遺産を数々紹介してきたが、私が最も注目するべきは隣県の富山県を流れる常願寺川である。
3000メートル級の立山連峰を水源としているが、僅か延長56キロメートルで富山湾に注ぐ一級河川。国内だけでなく、世界的に見ても急峻な川として知られ、私が仕事の研修用プログラムでも紹介しているが、実際、じっくりと足を踏み入れるのは初めてである。
明治時代に派遣されたオランダ人土木技師のデ・レーケが「これは川ではない、滝だ!」と称したことでも知られるが(この発言には諸説あるので、後日解説したい)、とにかく古くから暴れ川としても知られ、氾濫・洪水を繰り返してきた川でもある。(写真下:富山市上滝・立山橋付近の常願寺川と、支流・称名川との合流地点で、富山地方鉄道の立山駅や砂防事務所などがある千寿ケ原の遠景。)



この川には見所が実に多い。それを小出しに紹介していくことになるのだが、今回はこの川の概要について触れておく。
常願寺川は、富山市上滝を扇のかなめとして下流は富山平野で扇状地を描いているが、これより上流部が極めて急峻な地形の中を流れる。なんと標高1000メートル以上の高地は、流域面積の73%に当たるという。
富山最大の観光地である「立山アルペンルート」の美女平、弥陀ヶ原、室堂などへの降水もこの川(支流の称名川)に落ちている。アルペンルートの先には、国内最大の土木構造物である「黒部ダム」があるので気になると言えば気になるルートではあるが、こちらはいずれ足を踏み入れることを楽しみに取っておきたい。(写真下:立山カルデラ砂防博物館の展示から常願寺川の砂防施設の紹介と、日本最大の「立山カルデラ」の地形の紹介図。)



この川を管理するために国土交通省北陸地方整備局は「立山砂防事務所」を富山側アルペンルートの入口である千寿ケ原に設置し、山深い場所に出張所なども設けて暴れ川との戦に挑んでいる。
また、立山の地形から始まる暴れ川の由縁や自然美の造形、土木技術をもって戦いを挑んだ歴史を紹介するために「立山カルデラ砂防博物館(国土交通省・富山県の管理・運営)」を砂防事務所前に設置している。立山に足を踏み入れるには、まずここは押さえておきたい場所。
常願寺川の上流部の魅力をぜひ堪能したいし、ここで紹介できればと思っている。ネタが多いので、時折他の記事なども織り交ぜながら今回をプロローグとして何回かにわたって紹介していきたい。乞うご期待を!(写真下:北陸地方整備局の立山砂防事務所と、すぐそばにある立山カルデラ砂防博物館のエントランス。)

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