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浦和学院 選抜甲子園を制覇 その2止

2013年04月09日 16時13分43秒 | スポーツ・自転車・ウォーキング


甲子園に20回駒を進めながら、ベスト4までで優勝に届かなかった強豪浦和学院が、その無念を一挙に晴らし、決勝で愛媛県の斉美のエースを叩きのめした。

驚くべき爆発力だった。「ウラガク」は決勝では、4試合連続2桁安打となる18安打を放ち、決勝では大会史上2番目に多い17得点。先発全員が本塁を踏んだ。

17-1。16点差。まるでコールドゲームのようだ。選抜決勝では06年の第78回で、横浜(神奈川)が清峰(長崎)を21-0で下したのに次ぐ、歴代2位の記録である。春夏合わせると17-0が二回あるので4番目という。

(なお、決勝以外では1937年の第14回選抜一回戦で、わが浦和中が滝川中に27-0と27点差で敗れたのが最高)

決勝の5回、2死満塁で勝ち越しの2点適時打を放った、主将の3番・山根佑太中堅手は、5試合すべてでヒット、通算12安打、大会最多安打記録にあと1本まで迫った。

決勝で期待された4試合連続本塁打の新記録こそ出なかったものの、4番・高田涼太三塁手は、準決勝まで3試合連続本塁打を記録した。

選抜で3本塁打を打ったのは、PL学園の清原和博、星陵の松井秀喜らと並ぶ。

5回の逆転劇では山根に続いて高田は、左越え2点二塁打、この回打者12人で一挙7点を奪い、試合を決めた。

5試合を通じて、59安打47得点。細かく見ると、打数168、安打59、二塁打10、三塁打5、本塁打3、打点42、打率.351、得点47と、本塁打を除き(滋賀気比が4)と、優勝チームらしくいずれもトップを占めている。

この結果からみると、打撃のチームに見える。

2年生左腕・小島和哉は、直球は130km台前半ながら、内角、外角を突く、緩急をつけた好投を見せた。5試合すべてに先発、決勝を含む3試合で完投、580球を投げ、失点わずか3だった。

小島の好投に加え、守りも堅く5試合で失策は1だったというから驚くばかりだ。

数字の上で見ると、投・打・守の3拍子がそろった理想に近いチームだった。
「ウラガク」が話題になったのは、グラウンドの上だけではなかった。

一塁側アルプス・スタンドには、宮城県石巻市の少年野球チーム「鹿妻(かずま)・小鹿クラブ」の子供たちが、「ウラガク」の応援団と肩を組み大声援を贈っていた。

「浦和学院のお兄ちゃんがんばって!!」という石巻市の保育所の園児から贈られた横断幕も掲げられていた。

「ウラガク野球部」は、東日本大震災後、11年と昨年末、石巻市でがれき片づけなどのボランティア活動を行い、炊き出しもした。この少年野球チームとキャッチボールをしたり、打撃のアドバイスをしたり、交流を深めた。スパイクを贈り、盗塁のコツを教えた。

今年2月には子供たちをさいたま市に招き、2泊3日の合同練習もしていた。

「ウラガク」は、野球だけのチームではなかったのだ。県は最初、「彩の国スポーツ功労賞」を贈るつもりだったのに、「彩の国功労賞」に切り替えたようだ。

「スポーツの枠を超えた功績」と判断したからだという。その判断や良し。

この2回のシリーズは、日課にしている図書館での全紙閲覧の「ウラガク」のサワリを集めたもの。各紙の取材記者に感謝したい。私はテレビを見ていただけだ。












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