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エコツーリズムの先進地 飯能市

2010年02月22日 11時45分17秒 | 名所・観光
エコツーリズムの先進地 飯能市

10年2月21日、新聞で知って、飯能市役所で開かれた「里山づくりシンポジウム」に出かけた。良好な自然環境をまちづくりとどう結び付けるかに、昔から興味を持っているからだ。

埼玉県南西部にあるこの市(人口8万3千人)は、埼玉県には珍しく、ハイキングにぴったりの天覧山(195m)、多峯主山(とおのすやま 271m))、宮沢湖、入間川、高麗川、能仁寺などの観光資源に恵まれ、市域の76%が森林。

市では「森林文化都市」を宣言していて、08年には環境省のエコツーリズム大賞を受賞した。09年には、国のエコツーリズム推進法に基づき、「飯能市エコツーリズム推進全体構想」が全国で第1号の認定を受けている。環境省の「エコツーリズム推進モデル地区」に選ばれ、さる1月、「全国エコツーリズム推進セミナー」も開かれた。エコツーリズムの先進地である。海外からも注目されている。

市制50周年を記念して始まった飯能ツーデーマーチもすでに7回目を迎え、地元で捕獲したイノシシ肉を使った「しし肉うどん」が食べられるところもある。

このような背景もあって、シンポジウム会場の市役所の会議室は170もの人で一杯。東京農工大名誉教授の亀山章氏が「里山の過去・現在そして未来」と題して、要旨以下のような講演をされた。

・森林文化都市を歴史文化と結びつけたらどうか
・里山の「山」は、必ずしも傾斜がなくてもいい
・飯能には山地、丘陵地、台地、低地、谷地、湧水、水路、ため池といった里山の地形が全部ある
・埼玉県菖蒲町出身の日本の“林学の父”本多静六が明治45年、飯能の天然の美を生かした観光・地域開発のための具体的な指導をしている(市史に残る)
・飯能には7か所ぐらいゴルフ場がある。ゴルフ場も里山の一つで、管理もうまくいっている。夜には人がいないので動物天国。狸、狐、野兎、雉、リスなどの動物、金ラン、銀ラン、山ユリなどの植物が存在しており、生物多様性が尊重される時代にゴルフ場も悪くない。他の地では都市計画緑地に指定されているところもある。

ゴルフ場はこれまで。環境面から評価されることはほとんどなかったが、このような見方もあるのかと感心した。

エコツーリズムの先進地飯能が今後、まちづくりをどう進めていくか注目したい。学ぶことの多い有意義な午後だった。





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