プリンの山??? それは不思議な『田代山(1,971m)』であります。 自らの足で歩いて行くとプリンの山とは気付きません。その山頂には25.19ヘクタールの湿原が存在するのです。
帝釈山脈に属し、尾瀬の東に位置し、福島と栃木の県境となる山脈であります。 その主峰が帝釈山(たいしゃくさん)であり、帝釈山の更に東にあり主稜線で結ばれているのが田代山です。
「田代(たしろ)」とは、田んぼや湿原のことを言います。 普通、湿原は水の集まる湿った所にできる事が多いのですが、田代山は山のてっぺんに見渡す限りの湿原が広がっています。 これは全国的にも珍しい景観のようです。
山頂の木道は周回コースとなっており、反時計回りの一方通行となっています。
田代山の湿原は雪や雨による水分と、水はけの悪い地層によってもたらされたと言われ、その田代山の湿原と森林を空から望むと、まるでプリンのような形に見えるのです。
この日は台風4号が低気圧に変わり、梅雨前線と合流し東海・関東の太平洋側は、まだ雨模様でしたが福島の方は22日(土)の午後には晴れるだろうと予想し入山したが、回復は遅れ下山直後に晴れ間が現れた。
田代山には「オサバグサ」と言う花弁が5ミリ程の小さな白い花が一面に咲きます。
群生して見られるのは珍しいようです。 他にも沢山の花たちに会う事が出来ました。
田代山湿原を過ぎて大師堂(真言宗の高僧、弘法大師「空海」の像が祀られています)の前には、尾瀬国立公園内とは言え、「エッ」誰もいない山の中に、こんな素晴らしいトイレが有るのとビックリしました。 トイレ内は木の香りが漂い、登山靴からスリッパに履き替え、あまりの清潔さに感動です。マナーを守り、いつまでも綺麗に利用させて頂きたいですね。
大師堂を過ぎ帝釈山(2,060m)へ向かう稜線に入ると、鬱蒼とした森の中のいたる所にオサバグサの白い群落が見られ、小さな可愛い花に会えて良かった。
そして大きな露岩が出てきて、間もなく進むと帝釈山山頂に到着。
山頂からは会津駒ヶ岳の山頂は見えなかったが雪渓が確認できた。 帰りは往路を猿倉登山口まで戻ったが、結構アップダウンの激しいのに、改めて驚いた。
沢山の高山植物が見られたのは良かったが、天候回復の遅れが残念であった。