素晴らしい風景!!

色々歩いた山や国内の風景等をご紹介いたします。

◆ 安曇野、東山の秋 ◆  

2015年10月31日 | 日本の四季

目立つ花を誇らしい衣裳のように咲かせる木々はあるが、

それぞれの個性を色鮮やかに見せるのは秋だ。

それを遠く離れて眺めていると、一つ一つは大きく立派な木であるのに、

可憐な彩りのせいか、それとも山の姿が澄んだ空になだらかな線を描いているせいか、

大勢の少女が集まっているようである。

そしてそこから聞こえて来る歌は、優しく谺(こだま)する。木々を訪れる。

何故あなたは赤を好み、こちらの君は黄色を選ぶのか。

もうそんな野暮なことは訊ねない。

色附く一枚一枚の葉は、既に木から離れようとしている。

そして春からの、枝と共に過ごしたさまざまの日を懐しみ、別れる前の挨拶として、

ひたすら華やいだ表情を見せようとしている。

風が吹けば、木々の声が聞こえるだろう。

 

文:哲学者、随筆家串田 孫一(1915.11.12~2005.7.8)

 人生の愛や幸福、自然の風物、登山などを語る滋味にあふれた評論、小品、随筆などを書かれた。       

 


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