奈良県の南部、吉野郡天川村の東部に位置する洞川(どろがわ)温泉郷にお世話になりました。 洞川温泉郷は大峯山から発し、熊野川の源流ともなっている山上川のほとり標高約820mの高地に位置する山里で、その冷涼な気候から関西の軽井沢とも呼ばれているところです。
今回の大峯奥駈道を歩くための基地として登山口から離れていたものの、雰囲気の良い洞川温泉に寄ってみようということになりました。 かりがね橋から俯瞰した洞川温泉全景。
今日は平成28年7月7日(木)17時に宿に入り、夕食を済ませてから龍泉寺で七夕祭りの催しがあるとのことで、皆さんで夕方から洞川温泉郷をぶらつき、19時、大峯山「龍泉寺」に向かいました。
龍泉寺は真言宗醍醐派の大本山として多くの信者を集めておりますが、洞川から登る修験者は宗派を問わず、龍泉寺に詣で水行の後、八大龍王に道中の安全を祈願してから山上ヶ岳に向かうしきたりとなっているとのことです。 修験道の根本道場として信者・登山者の必ず訪れる霊場です。
龍の口より湧き出る清水をたたえた大峯山中第一の水行場
今日は七夕、地元の子供さんたちが作られた短冊のお焚き上げが、修験者により境内にて執り行われました。
法螺貝が吹かれ、経文を唱え、火の燃え盛る様は迫力満点でした。
お焚き上げ終了後は、夜の洞川(どろがわ)温泉街を皆さんで散歩。
洞川温泉は、温泉そのものの歴史は浅いようですが、大峯講の宿場としての歴史は古く、その起源は役小角(えんのおづの)に従った後鬼の末裔によって起こされたと伝承されています。
どことなく懐かしく、昭和の時代にタイムスリップしたような雰囲気を漂わせる町並みには心癒されます。
浴衣で団扇(うちわ)を持ち、下駄でガラゴロと歩く姿がぴったりの風情です。 山奥の風情ある温泉街、ずっと残してほしいと感じました。
それと、も1つ感じたことがありました。 平日であり温泉街を歩く人がまばらであるのに、旅館や商店の全てが出入り口から縁側越しの部屋の中まで見えるようフルオープンなのです。
旅館街を歩いていると「陀羅尼助」(だらにすけ)と書かれた看板が多く見られました。 陀羅尼助ってなに 陀羅尼助とは、古くから修験者の秘薬とされた和漢薬であり、二日酔い・下痢等を含め胃腸の調子が悪い場合の全てに効果のある万能薬とのことであります。 また、薬の名前の由来は、僧侶が陀羅尼という非常に長いお経を唱える時、眠気防止のために これを口に含んでいたことからだそうです。 この秘薬は洞川温泉付近のみで販売されているようです。
煌々と明かりも灯っており、温泉街で旅行者に風情を味わってもらうためのサービスと感じました。本当にありがたいことです。
普通なら夜 明かりを点ければ、その回りに虫が飛び回るのは時期からいって当然と思いますが、この温泉街は とても爽やかで虫がいないのです。 洞川温泉では普通のことのようです。
縁側のあるレトロな洞川温泉、また寄ってみたいです。
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