Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

ナタリオ・ゴリン「ピアソラ 自身を語る」

2006-10-14 22:21:56 | book
ピアソラ自身を語る

河出書房新社

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前にも紹介したが、読み終わったので。

アストル・ピアソラという人を一言で紹介するのは難しい。
なんというか、あらゆる形容を、その音楽の持つパワーが突き破って、先走ってしまって、ことばにならないのだ。

アルゼンチン生まれのバンドネオン奏者/作曲家
偉大なるタンゴの改革者。
ジャンルを超えて世界的な支持を受けている音楽家/演奏家。
92年没
没後も多くの音楽家が彼の作品をとりあげている。

とにかくピアソラを聞かないと、20世紀の音楽は締めくくれない
っていうくらいすごいのだ。

んなとこで勘弁してもらいたい。

**

この本は、ピアソラが亡くなる前にインタビューした内容を編集したもので、
ピアソラ自身が生い立ちや音楽活動や愛の遍歴を語るというところがミソ。

本の2/5がピアソラの言葉。
2/5がナタリオ・ゴリンによるピアソラの生涯の再構成および
10人の関係者によるピアソラ評。
1/5がディスコグラフィ、年譜、索引、訳者解説。

伝記的に目新しいことは特にないけれど、折々でピアソラ自身がどういう思いであったかが記されているので、なかなか真に迫る面白さがある。

一方、ゴリンによる章は、ちょっと冗漫かもしれない。
語り口が流麗というか文語的になる分、ストレートな分かりやすさはない。
愛着に満ちていることはわかるけれども・・・

バンドネオンという楽器についての解説はおもしろかった。
いかに複雑で困難な楽器であることか・・

それから、以前から気になっていた、「ラスト・タンゴ・イン・パリ」用の音楽を書いてボツになったという逸話については、この本によるとやはりガセのようだ。
実際は報酬面でベルトルッチ側と折り合わず、作曲自体破談になっているらしい。
現在ボツ曲として知られている2曲は、既に以前に作曲されていた曲を別タイトルで発表したものと言うことだ。
なんとなくすっきりした。

ディスコグラフィは、原著のものに、訳者の斉藤充正氏が手を入れたもので、ある意味現在最強のディスコグラフィになっているかもしれない。
同氏の強力本「闘うタンゴ」と併せてみるとよいと思う。

**

というわけで、最近またもやピアソラづいているマイブーム。
膨大なディスコグラフィがあるので、紹介することはできないな~
なので、とりあえず持っているCDの紹介でもしてみるかな・・と
思っています。

そのうちにね。


↓世界最強ピアソラ本
アストル・ピアソラ 闘うタンゴ

青土社

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2 コメント

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Unknown (まゆんがなし)
2006-10-16 17:02:24
ほんとだ!

雲がほんのりとピンクがかってて幻想的ですね♪

偶然綺麗な夕焼けを見たときは嬉しくなりますよね

心が洗われて透き通った気分になります

返信する
こんにちは! (manimani)
2006-10-17 01:17:28
☆まゆんがなしさま☆

まゆさんこんにちは!

でしょ?ピンク色なんだけど染まりきってないの。

こんなの初めてみたかも。



空を見るのはいいですね。

なるべく毎日みるようにしています。

写真も撮ります。



ところで、まゆさん、なぜピアソラに空のコメントを?(笑)
返信する

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