Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「SFマガジン700【海外篇】」読みました

2014-09-12 01:22:57 | book
SFマガジン700【海外篇】 (ハヤカワ文庫SF)
クリエーター情報なし
早川書房


早川書房のSFマガジンの通巻700号を記念して編集されたアンソロジーを読みました。

原則的には、SFマガジンで紹介され、かつ作者の日本で刊行されている短編集には未収録の短編を納めたものということです。
特にグレッグ・イーガンとテッド・チャンが収録されているので、間違いなく買い。

ほかにもクラーク、ティプトリーやル・グィンなどの大御所、
最近ではコニー・ウィリスとバチガルビ
なつかしいところでマクドナルドとかスターリング

こうして読んでみると、SFというのは実に多様な想像力の産物なんだなと実感する。

冒頭のクラークは大時代的なもってまわった文体を駆使して未知の存在のありかたを示して、他者とはなにかというSF的思考の原点のようなものを堂々と立ち上げる。
ティプトリーは例によって説明のない内省で読者にめまいをもたらしつつも、奇想天外な設定でありながらどこか純朴な冒険譚を展開する。
ル・グィンもユニークな他世界との邂逅。異文化を理解するということはどういうことかを残酷に示している。
イーガンもいつものハードな手触りで、宇宙ではほんとうに起こるかもしれないミニマム劇。

どれもこれもおもしろいんだけど、
驚愕はラストに登場するテッド・チャン
なんたる奇想か。。
読んでいるうちに唖然として目を丸くしてしまう。
こんなことがまだSFでは残っているんだなー
もうサスガとしか言えません。


という感じで、煮え切らない感想ですが、
とにかく本書ではテッド・チャンいちおし
あとは読んでみてのお楽しみということで!

***

シェクリィの『危険の報酬』のノリは既視感あるんだけどなんだろう
『華氏451』のあそこに似ているかもしれない。
ディックのものにもあったかもしれない。
監視と生のゲーム性というテーマはディック的だしね。

マクドナルドの詩的というか静謐な世界も惹かれたな。
普段こういうのは読まないので新鮮。
『火星夜想曲』読みたい~



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« sonimariumライブ終了です。 | トップ | 「ボブ・ディランは何を歌っ... »

コメントを投稿