レオナルド・ダ・ヴィンチー天才の実像@東京国立博物館
みてきました~「受胎告知」
この特別展は大きく分けて二つのものを展示していた。
第一会場ではレオナルドの「受胎告知」の展示。
第二会場では「手稿」などをもとにレオナルドが何を考え残したかを、模型や映像技術を用いて視覚的に展示していた。
「受胎告知」はいろいろな点で興味深く、なんだかんだと小一時間くらいながめてしまったのではなかろうか。
本物のオーラというんでしょうか、印刷で見る印象とはかなり違い、遠景ははるか遠くかすみ、近景は浮き出るようにはっきりとしていた。
天使ガブリエルの羽根は妙に生々しいな~、とか、意外とマリアが暗めだな、とか、書見台がパースが変だよ、とか、ガブリエルがもっているのは百合かあ、とか、遠くに見える立ち木の形が妙に整い過ぎ、とか、遠くに船が浮かんでる~、とか、横にある建物はどこまで続いているんだ?、とかとか
広大な部屋にぽつんと絵が1枚おかれていて、観覧する人は絵に向ってジグザグに列を作り、「絵の前では立ち止まらず、進んでくださ~い」とか言われながら進む。
なので、最前列から2列目のところに立ち止まって、じっくり観たあと、細部は最前列に進み、牛歩戦術で見てきました。
第二会場ではいきなり人力飛行機の大きな模型に目を奪われる。
でも説明書きに「実際に飛ぶことはほぼ不可能である」とある。
そのほか、さまざまな機械や装置を考案しつづけたレオナルドさん。しかしよく考えると実現したものはほとんどなく・・・絵画ですらちゃんと完成したのはあまりなく・・・
レオナルド、君は本当に天才なのか??という疑問がふつふつと・・(笑)
しかし、物事の正確な観察に根ざす徹底したリアリズム感覚は、非常に現代的というか、まさに科学者マインドなわけで、その点には非常に感心した。
だからこそ絵を書きはじめる前に解剖から入ってしまって、肝心の絵が完成しないということにもなるわけで。
なんだか都市が早い段階で発展したイタリアに住んだルネサンス都会人って感じがするよ。
***
で、↑↑↑この本を読んでみました!
まさにこの展覧会をターゲットに書かれた本ということで、とても面白かった。
この本の前半は、レオナルドだけでなくルネサンス期の「受胎告知」を題材とした絵画に共通する特徴などを解説するもの。
当時頻繁に用いられたモチーフがいくつかあるそうで、たとえばマリアに入り込む精霊を象徴する鳥が描かれるとか、そういったもの。
で、そういうトレンドに照らしてみるとレオナルドの「受胎告知」はかなりそういう王道からは外れた、というか、よけいな象徴は描かない、特異な表現であることがわかっておもしろい。
象徴はマリアの処女性をあらわす百合くらいかもしれないな。
後半はレオナルドの「受胎告知」の解説。
展示の第二会場では、「受胎告知」を分析する映像が上映されていたが、それによると、「受胎告知」は絵の斜め右から見ることを想定して描かれたのではないか、という。
これで書見台のパースが変なのとか、マリアの右腕が異様に長いのとかが説明できるってことらしい。
映像を見た時は納得し感心したのだが、しかしこの本によると、それは最近になって一部の研究者が唱えはじめた説であるらしい。
で、その説については、この本では、
○あくまで画面中央に消失点があること。
○そういう視点による絵のゆがみを把握して描くことができたならば、もっと精密に描いたはずである。
という2点から、やはり正面から見るべきなのではないかと、やんわりと異を唱えている。
う~ん、どちらが本当なのかはわかりませんね。
あとは、当時のは工房(職能集団)に所属して、集団で絵画や彫刻を製作していたという事情から、「受胎告知」もレオナルド一人の手によるものとするよりは、複数の人間によって製作されたと考えるほうが自然だと言うこと。
「受胎告知」は、最初の段階では複数の人間の手が入り、仕上げはレオナルドにより行われたのではないか、ということ。
などなど、「受胎告知」に関してコンパクトにまとめられている本でした。
受胎告知一点突破本としておススメであります。
展示は6月17日までのようですね。
「モナ・リザ」のときは最終日に5万人くらい来たらしいから、見たい人は早めにいかれるとよいかと。
***
ああっと、そうそう、最後の晩餐についての展示の所で、「映画における最後の晩餐」って言うコーナーがあり、私の好きなあの方の作品がピックアップされていました~~(見てのお楽しみ)
欲をいうならジョージ・ハリソンの「リヴィング・イン・ザ・マテリアルワールド」の裏ジャケも展示してほしかったな~~~~~~っ
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みてきました~「受胎告知」
この特別展は大きく分けて二つのものを展示していた。
第一会場ではレオナルドの「受胎告知」の展示。
第二会場では「手稿」などをもとにレオナルドが何を考え残したかを、模型や映像技術を用いて視覚的に展示していた。
「受胎告知」はいろいろな点で興味深く、なんだかんだと小一時間くらいながめてしまったのではなかろうか。
本物のオーラというんでしょうか、印刷で見る印象とはかなり違い、遠景ははるか遠くかすみ、近景は浮き出るようにはっきりとしていた。
天使ガブリエルの羽根は妙に生々しいな~、とか、意外とマリアが暗めだな、とか、書見台がパースが変だよ、とか、ガブリエルがもっているのは百合かあ、とか、遠くに見える立ち木の形が妙に整い過ぎ、とか、遠くに船が浮かんでる~、とか、横にある建物はどこまで続いているんだ?、とかとか
広大な部屋にぽつんと絵が1枚おかれていて、観覧する人は絵に向ってジグザグに列を作り、「絵の前では立ち止まらず、進んでくださ~い」とか言われながら進む。
なので、最前列から2列目のところに立ち止まって、じっくり観たあと、細部は最前列に進み、牛歩戦術で見てきました。
第二会場ではいきなり人力飛行機の大きな模型に目を奪われる。
でも説明書きに「実際に飛ぶことはほぼ不可能である」とある。
そのほか、さまざまな機械や装置を考案しつづけたレオナルドさん。しかしよく考えると実現したものはほとんどなく・・・絵画ですらちゃんと完成したのはあまりなく・・・
レオナルド、君は本当に天才なのか??という疑問がふつふつと・・(笑)
しかし、物事の正確な観察に根ざす徹底したリアリズム感覚は、非常に現代的というか、まさに科学者マインドなわけで、その点には非常に感心した。
だからこそ絵を書きはじめる前に解剖から入ってしまって、肝心の絵が完成しないということにもなるわけで。
なんだか都市が早い段階で発展したイタリアに住んだルネサンス都会人って感じがするよ。
***
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で、↑↑↑この本を読んでみました!
まさにこの展覧会をターゲットに書かれた本ということで、とても面白かった。
この本の前半は、レオナルドだけでなくルネサンス期の「受胎告知」を題材とした絵画に共通する特徴などを解説するもの。
当時頻繁に用いられたモチーフがいくつかあるそうで、たとえばマリアに入り込む精霊を象徴する鳥が描かれるとか、そういったもの。
で、そういうトレンドに照らしてみるとレオナルドの「受胎告知」はかなりそういう王道からは外れた、というか、よけいな象徴は描かない、特異な表現であることがわかっておもしろい。
象徴はマリアの処女性をあらわす百合くらいかもしれないな。
後半はレオナルドの「受胎告知」の解説。
展示の第二会場では、「受胎告知」を分析する映像が上映されていたが、それによると、「受胎告知」は絵の斜め右から見ることを想定して描かれたのではないか、という。
これで書見台のパースが変なのとか、マリアの右腕が異様に長いのとかが説明できるってことらしい。
映像を見た時は納得し感心したのだが、しかしこの本によると、それは最近になって一部の研究者が唱えはじめた説であるらしい。
で、その説については、この本では、
○あくまで画面中央に消失点があること。
○そういう視点による絵のゆがみを把握して描くことができたならば、もっと精密に描いたはずである。
という2点から、やはり正面から見るべきなのではないかと、やんわりと異を唱えている。
う~ん、どちらが本当なのかはわかりませんね。
あとは、当時のは工房(職能集団)に所属して、集団で絵画や彫刻を製作していたという事情から、「受胎告知」もレオナルド一人の手によるものとするよりは、複数の人間によって製作されたと考えるほうが自然だと言うこと。
「受胎告知」は、最初の段階では複数の人間の手が入り、仕上げはレオナルドにより行われたのではないか、ということ。
などなど、「受胎告知」に関してコンパクトにまとめられている本でした。
受胎告知一点突破本としておススメであります。
展示は6月17日までのようですね。
「モナ・リザ」のときは最終日に5万人くらい来たらしいから、見たい人は早めにいかれるとよいかと。
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ああっと、そうそう、最後の晩餐についての展示の所で、「映画における最後の晩餐」って言うコーナーがあり、私の好きなあの方の作品がピックアップされていました~~(見てのお楽しみ)
欲をいうならジョージ・ハリソンの「リヴィング・イン・ザ・マテリアルワールド」の裏ジャケも展示してほしかったな~~~~~~っ
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わたしも子供の頃父親にダ・ヴィンチ展につれていってもらいましたね~なつかしい。
入場料がちょいと高いですね~
金券ショップで多少安く売っているのを見かけますが。
あと、公式サイトで100円割引券を入手出来ますよ。
私の理想の人です。
彼には湧き出るアイデアの割りに時間がなかったのですよ。
私も是非見に行かねば。
千葉県の障害者手帳じゃ割引にならないのだろうな。