Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「バート・バカラック自伝 - ザ・ルック・オブ・ラヴ」バート・バカラック+ロバート・グリーンフィールド

2014-01-15 23:38:19 | book
バート・バカラック自伝 - ザ・ルック・オブ・ラヴ
クリエーター情報なし
シンコーミュージック


バカラックの自伝を読みました。

バカラックは音楽はよく聴くけれどバイオグラフィー的なことはほとんど知らなかったので
楽しみでした。

バカラック自身の回想に加えて
元妻アンジーやハル・デヴィッド、エルヴィス・コステロなどなど関係者の証言も随所に表れて、
ワクワクする作りになっています。


ワタシとしては、特に名盤と思っている彼のリーダー作である『REACH OUT』『BURT BACHARACH』や『MAKE IT EASY ON YOURSELF』などの制作現場のことが書かれているといいなあと思ったんですが、その辺はあまり多くなく、むしろ多くの女性とつきあってきた彼らしく、あの人とはどんな関係だった、この人とはどうだったというのが多い(笑)と、そういう感じの本です(笑)

少年の頃の音楽との出会いや
ヒットを飛ばしセレブになる前の、キャリアの初めのころの曲作りやレコーディングについては比較的多く書かれています。
早い段階からソングライターを目指して下積みをしていろいろな作詞家と組んでいたようです。

ハル・デヴィッドとの出会いはそれほど劇的には書かれていません。
というかいつの間にか組んでたという感じです。
ハルはバートより年上ですが、ハルは全然業界人ぽくない風情の人間として描かれています。
ハルとのコンビの曲が有名になりますが、なぜか有名になるのは作曲家バカラックのほうばかりで、
そのへんの葛藤のようなものがあったようです。
ディオンヌ・ワーウィックを含めた黄金トリオですが、そういった葛藤の末に互いを訴えるような訴訟を起こしたりして疎遠になってしまったり。

あとはミュージカルの仕事については比較的多く書かれていますね。
『プロミセス・プロミセス』のオケピットの様子とかリハーサルや本番のことなど。

それとマレーネ・ディートリッヒのことは多く書かれています。
マレーネとは男女の関係はなかったようですが、それに近い親密で依存的な関係にあったようで、
マレーネがバートに寄せた信頼はずいぶん大きかったようです。
マレーネとのツアーやステージのことも多く書かれています。
骨折してもステージをキャンセルしなかったこととか。

そうそう、あの『失われた地平線』の顛末についてもありました。
そもそもミュージカルにすべき題材じゃなかったとか言ってるし
興行的にさんざんでという話。
音楽はとてもよいと思いますけどねー。
観たいけど観れない映画の筆頭ですね。


あとはキャロル・ベイヤー・セイガーとの共同作業+結婚の話とか
『ミスター・アーサー』での復活とか。


そして最初の娘のNikkiについて。
ワタシはNikkiの人生については何も知らなかったんだけど、
そんなことがあったんですね~
ちょっと胸が苦しくなりました。

アルバム『Burt Bacharach』に収録されている「Nikki」は
娘さんに捧げられているものですが、この曲についてはあまり触れられていませんが、
インストものの曲ですが後に歌詞も付けられたということです。
この曲をバカラックはどんな思いで書いて、またどんな思い出になっているでしょうか。




この本、原題はANY ONE WHO HAD A HEARTなんだけど(もちろんデヴィッド=バカラックの曲名)
邦訳のサブタイトルは「ルック・オブ・ラブ」になってる。。
まあ有名な曲はこっちのほうでしょうし。。。



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