ローズ・イン・タイドランド公式ページ
2005イギリス/カナダ
監督:テリー・ギリアム
製作:ガブリエラ・マルチネリ、ジェレミー・トーマス
原作:ミッチ・カリン
脚本:テリー・ギリアム、トニー・グリゾーニ
出演:ジョデル・フェルランド、ジェフ・ブリッジス、ジェニファー・ティリー ジャネット・マクティア、ブレンダン・フレッチャー
主な舞台は、テキサスのだだっぴろい草原。
そこにある一軒のあばらや。
ジャンキーなロックおやじノアと、娘のジェライザ・ローズは、
同じくジャンキーな母の急死を機に、ノアの生家であるこのあばらやにやってくる。
のはいいが、ノアはあるときヤクを打ってトリップしたまま帰らなくなる。
ジェライザ・ローズはひとりぼっち。
しかし彼女はファンタジーの住人。
隣人の、いかれた「魔女」とてんかんもちの少年ディケンスとともに、
底なしの永遠のようなグロテスクを爛漫に生きる。
ギリアム版「不思議な国のアリス」っていう宣伝は多分大きなまちがい、
おとぎ話でもなく、「少女の無邪気な想像力」なんてものでもない。
ファンタジーはある意味、状況を生きるための避けられない現実であるわけで、
仮想がゆえに、かえって底なしのどこまでも続く「リアル」なのだ。
ギリアムはそういうファンタジーの深みをしっかりととらえて離さない。
そこが並みのファンタジー映画と違って、R15指定になってしまう由縁なのだろう。
思えば自分もファンタジーの住人だった。
幼い時はそうだったし、かなり長じてすらそうだった。
もしかしたらいまだってそうかもしれない。
だから、この映画を観終わって、とても孤独になった気がした。
明るくなる館内を見渡して、誰も彼もが現実に帰ってゆくのをみて、
とても孤独だった。
永遠と現実の間に引き裂かれて、自分だけがここにいるような気がする。
そういう感覚を呼び起こす映画を、自分は「よい映画」と呼ぶのだろう。
なんといわれようともこの映画は私のために作られた映画であって、
私はこの映画を生涯大事に思って行くだろう。
**
ジェライザ・ローズを演じるジョデルは、中盤からほとんど一人芝居状態なんだけど、演じ過ぎず、冷め過ぎずの距離感が絶妙。
幻想と現実のちょうど狭間をしっかり生き抜いたと思う。
そのくったくない演技が鼻につくという人もいそうだけれど。
あと、偶然、右目を隠した魔女が出てくる映画を続けて観たのでビックリ。
(「ビッグ・フィッシュ」とこれ)
**
思えばモンティ・パイソンのテリー・ギリアムだったんだよなあ。
ギリアムはずっと精神的・抽象的なファンだった。
(ようするに作品はあまり観ていない)
こころのなかで、いつも応援だけはしていた。
けど、ジョージ・ハリスンも亡きいま、
すこしはちゃんとギリアムの作品を観てみようと誓う私なのだった。
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↑ぼちっとオネガイします。
↑お買い物はこちらで。
2005イギリス/カナダ
監督:テリー・ギリアム
製作:ガブリエラ・マルチネリ、ジェレミー・トーマス
原作:ミッチ・カリン
脚本:テリー・ギリアム、トニー・グリゾーニ
出演:ジョデル・フェルランド、ジェフ・ブリッジス、ジェニファー・ティリー ジャネット・マクティア、ブレンダン・フレッチャー
主な舞台は、テキサスのだだっぴろい草原。
そこにある一軒のあばらや。
ジャンキーなロックおやじノアと、娘のジェライザ・ローズは、
同じくジャンキーな母の急死を機に、ノアの生家であるこのあばらやにやってくる。
のはいいが、ノアはあるときヤクを打ってトリップしたまま帰らなくなる。
ジェライザ・ローズはひとりぼっち。
しかし彼女はファンタジーの住人。
隣人の、いかれた「魔女」とてんかんもちの少年ディケンスとともに、
底なしの永遠のようなグロテスクを爛漫に生きる。
ギリアム版「不思議な国のアリス」っていう宣伝は多分大きなまちがい、
おとぎ話でもなく、「少女の無邪気な想像力」なんてものでもない。
ファンタジーはある意味、状況を生きるための避けられない現実であるわけで、
仮想がゆえに、かえって底なしのどこまでも続く「リアル」なのだ。
ギリアムはそういうファンタジーの深みをしっかりととらえて離さない。
そこが並みのファンタジー映画と違って、R15指定になってしまう由縁なのだろう。
思えば自分もファンタジーの住人だった。
幼い時はそうだったし、かなり長じてすらそうだった。
もしかしたらいまだってそうかもしれない。
だから、この映画を観終わって、とても孤独になった気がした。
明るくなる館内を見渡して、誰も彼もが現実に帰ってゆくのをみて、
とても孤独だった。
永遠と現実の間に引き裂かれて、自分だけがここにいるような気がする。
そういう感覚を呼び起こす映画を、自分は「よい映画」と呼ぶのだろう。
なんといわれようともこの映画は私のために作られた映画であって、
私はこの映画を生涯大事に思って行くだろう。
**
ジェライザ・ローズを演じるジョデルは、中盤からほとんど一人芝居状態なんだけど、演じ過ぎず、冷め過ぎずの距離感が絶妙。
幻想と現実のちょうど狭間をしっかり生き抜いたと思う。
そのくったくない演技が鼻につくという人もいそうだけれど。
あと、偶然、右目を隠した魔女が出てくる映画を続けて観たのでビックリ。
(「ビッグ・フィッシュ」とこれ)
**
思えばモンティ・パイソンのテリー・ギリアムだったんだよなあ。
ギリアムはずっと精神的・抽象的なファンだった。
(ようするに作品はあまり観ていない)
こころのなかで、いつも応援だけはしていた。
けど、ジョージ・ハリスンも亡きいま、
すこしはちゃんとギリアムの作品を観てみようと誓う私なのだった。
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現実に帰りたくない、映画館を離れたくない気持ちにさせる映画でした。外の街の喧騒がとても場違いに思えました。
コメントありがとうございます。
わたしもできたらもう一度劇場に足を運びたいと思っています。
他のギリアム作品にくらべてもダントツにいいのではないかと思いました。
またお越し下さいませ。
モンティ時代からずっと好きなギリアムですが、
この作品はなかでも「テリー・ギリアムしてる!」
度合いがとても高いですよね。とにかくまた観たい
作品です。
こんにちは。いらっしゃいませ。
わたしもモンティ好きです。
タイドランドは是非もう一度みたいですね。
ではまたお越しください。
不思議な色合いに包み込む、すばらしい映画でしたね。
世界の果てすらワンダーランドに変えてしまう
少女の力がうらやましかったです。
『太陽』へのTBをありがとうございました。
これからも、よろしくお願いします。
わたしの大好きな映画へのTBありがとうございます。
イノセンスと猥雑・残酷の同居というのをしっかり描くというのは、信頼に足る映画だという証拠のような気がします。
ということでこの映画は信頼度100%ですね。