Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「ワープする宇宙」ほか リサ・ランドール

2007-10-03 13:18:58 | book
ワープする宇宙―5次元時空の謎を解く
クリエーター情報なし
日本放送出版協会


面白かった!対称性の話のところまでは!!
そこから先はどうがんばってもわかった気がしない(笑)
笑うしかない(笑)

ニュートン力学から説き起こして、2003年ころまでの最新の理論物理学の潮流を、平易に、ユーモア満点で紹介してくれる。でも概説ではなくて、理屈の肝を理解していただきたい!という情熱と表現力に満ちている。こういう本はありそうでないので、その意味では今まで見た中では一番いい本かも。

でもな~~平易なんでしょうけど、わからん!!

***

とりあえず、読んで頭に入った内容をフリーハンドで書いてみることにする。


素粒子物理学の当面の目標は、世の中の基本的な構成要素を明らかにするとともに、4つの力(重力、電磁力、弱い力、強い力)を統合する理論を模索すること。

現在その試みには大体二つの潮流があって、
ひとつは「標準モデル」に基づくボトムアップ的理論を模索する流れ。
もうひとつは「ひも理論」に代表されるトップダウン的理論の流れ。
著者は前者に属する学者である。
両者は、ひも理論登場時には、未来の道はこちらだと互いに主張し反目しあう流れだったが、近年、余剰次元理論などを契機に、互いに影響し合うものになっている。

「標準モデル」アプローチはモデル構築と実験実証をくりかえし、おおむねいい線をいっているが、解決すべき課題もいくつかあってそのひとつは「階層性問題」なのだと。

・大体の粒子はウイークスケール質量(=比較的低エネルギー)で発見され、重力を除く3つの力の相互作用のうちに観測されるが、重力が強い相互作用をするのはプランクスケール質量(=高エネルギー・いまだ観測不可能な領域)と推測される。
・なぜ力の間にこのようなダブルスタンダードがあるのか、をエレガントに説明する理論がない。

ってのが「階層性問題」らしい。これはいいかえると重力は他の力にくらべてなぜこんなに弱いのか?ということでもある(らしい)。

標準モデルアプローチではこれを解決する説明として「超対称性」もしくは「超対称性の破れ」による理論を検討中であった。
しかし、「ひも理論」の10次元・11次元のような余剰次元、及び「ブレーン」(メンブレーン)あるいは「ブレーンワールド」の考え方を導入することで、「階層性問題」を始めとする諸問題に答えるモデルを構築し、いまや最注目株となったのが著者である。




著者のモデルは4つの空間と1つの時間からなる5次元モデルである。
【RS1モデル】
われわれ(つまり素粒子)はウィークブレーン(3+1次元)に張り付いている。われわれはブレーンの外(5つ目の次元)に出ることはできないが、重力を伝えるグラビトンだけは5次元目に動いていける。
ここで、5つ目の次元空間は大きくゆがんでいるとすると、グラビトンの存在する確率が5次元の位置によって大きく異なる。
重力ブレーンでは重力は他の力と同じく強い力であるが、5番目の次元は大きくゆがんでいるため、重力ブレーンから離れた5次元の終点であるわれわれのウィークブレーンではグラビトンはほとんど存在しなくなる=すなわちウィークブレーンでは重力は小さくなる。かつ5番目の次元にはほとんど出ることができないので5番目の次元をわれわれが知覚することはできない。

図1:RS1

というのが「RS1」と呼ばれるモデル。1999年に発表された。

【RS2】
それを発展させたのがRS2モデル。
よく考えると、重力ブレーンから十分離れると重力はほぼ一定に小さくなるので、ウィークブレーンを5番目の次元の終点に設定する必要がない。つまり、5番目の次元は無限に続いている(かつわれわれは知覚できない)ことも考えられる。

図2:RS2

さらに著者は、RS1やRS2で、各ブレーンが平坦でないモデルも提示する。
そうするとブレーンは微妙に負の重力エネルギーを帯びることになるという。

****

第3のモデルの意味することはよくわからない。。
っつーか、RS2も、無限の大きさで知覚できない!というのはすごいが、よくわからん。われわれの住んでるブレーンはどこにあるの?重力ブレーンは違うですよねえ。5番目の次元のどこにでもありうるということなんですかね?

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さて、この5次元モデル、近々実験で検証ができそうな見込みだとのこと。スイスにあるCERNという研究機関に建設中のばかでかい(全貌は航空写真でないと観られないという)粒子加速器がもう完成するらしく、期待大。

でも、何が5次元の証拠か?というのがまたさっぱりわからない。
粒子の衝突によってエネルギーが消失する?だか質量が消失する?だかなんだか??全然わからん。


ともかくもう一度読み直してみる所存です


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ちなみにリサ・ランドールさん、ワタシと同じ年齢でした。




↓この本はリサさんへのインタビューを中心とした啓発的な本。
リサさんの人柄がみえてほほえましい。
上の本と併せて読むとより楽しめるという感じ。

リサ・ランドール―異次元は存在する (NHK未来への提言)
リサ ランドール,若田 光一
日本放送出版協会





コメント (10)
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