アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月23日)は、22:25~22:50のNHK Eテレ『100分de名著』で「河合隼雄スペシャル」第4回目を観ました。

河合隼雄スペシャル 
2018年7月 (100分 de 名著)
河合 俊雄
NHK出版

本当は、DVDに収録して後で観直すのもありでしょうが、あえて25分間に集中しました。

父 河合隼雄を語る、真っすぐに父の後を追って臨床心理学者(ユング心理学)になった河合俊雄氏(京都大学教授)が登場する番組だけに興味深々でした。

関心を持たれた方は、テキスト(NHK出版、524+税)だけをお買いになるか、あるいは、7月25日(水)の5:30~5:55か0:00~00:25の再放送を録画されることをお勧めします。

昨日の第4回目は「『私』とは何か」がテーマで、『ユング心理学と仏教』(河合隼雄著、河合俊雄編、岩波現代文庫、1,100円+税)がもとになり、私の印象としては「河合隼雄先生は、ここまで到達されたのか」でした。

ユング心理学と仏教
(岩波現代文庫
〈心理療法〉コレクション V)
河合隼雄著、河合 俊雄編
岩波書店

その境地は

・心理療法では誰かを治すことができない。
・治療者は、自分の考えによってクライアントを導こうとすることがあるが、逆にクライアントの叡知によって助けられることがある(『ユング心理学と仏教』)。
・心理療法においても、また、私たちが日常を生きる上でも、段階的な変化を見逃さない眼と、不変のものを捉える眼の両方が必要。
・「私とは何か」という問いに対する答えは、「私の一生がその答えの発見の過程である」というのが適切。
・華厳経の教えからすると、あらゆるものは繋がり合っていて、そこに個々の区別はない。自他の区別がある個人的な関係ではなく、全てが繋がり合った「茫洋とした世界」を浮遊しているような非個人的な関係を維持することが重要

特に最後のフレーズは、アドラー心理学の「共同体感覚」を連想させます。

私は、軸は揺らぐことのないアドラー派のつもりですが、アドラー自身の本よりも河合隼雄氏の本の方を多く読んでいます。

一時期は、河合氏の語る神話、昔話、仏教について「それがカウンセリングやセラピーにどうつながるの?」という疑問から避けていましたが、『100分de名著』での「河合隼雄スペシャル」を契機に関連本を読み込み、「これぞ河合先生の魅力」という気持ちになりました。

『ユング心理学と仏教』で河合先生は、こんなことを書いています。

「私はユング派に属すると言えます。もし、C・G・ユングの述べたことをすべて正しいとして、それに全面的に従うのがユング派と考える人がいたら、私はユング派ではないでしょう」

(一部略)

「自分の独善性や安易さを防ぐため、自分の信じる方法や考えを全面的にぶつけて検証する相手として、C・G・ユングを選び、そのことに積極的意義を見出す、というのがユング派であります」

(一部略)

「ユング派であるとは、ユングにすべて従うということではなく、すべてユングと対決し対比することに積極的意義を認めることだと思います」

この「ユング派」を「アドラー派」に置き換えてみると、アドラー派の機軸が私には見えてくるのです。

河合氏は、立場の違いはあれこそ、深いことを教えてくれているのです。

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