おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
昨日(1月24日)は3:00にふと目が覚め、しなければならない仕事が山積みになっていることに気づき、そのまま仕事を始め、研修でお世話になる2か所に添付ファイルを送信しました。
ブログを更新する間もなく、朝早く家を出ました。
一昨日(1月23日)の出来事があまりにも盛りだくさんでブログに書ききれないほどだったこともあります。
このことは、後日書きます。
出かけた先は埼玉県草加市、私が1974年から1983年まで9年間住んでいた地域です。
34年ぶりに駅を降りると、東武線は高架化、西口も整備され、まったく別の駅になっていました。
私は草加市のあるところで34人の受講者を対象に管理職研修を行っていました。
ふと気づくと、富士山がくっきり窓から見えました。
私が草加市に住んでいる間、一度も富士山を見たことがありませんでした。
ところで、不思議な記憶が続々と蘇ってきました。
・大工さん2人を家に泊めながらこの地に家を建てたこと
・建築費が予定よりも大幅に高くなり、住宅ローンを借り増ししたこと
・その家に関連づけて長女の名前の一部に「住」をつけたこと
・多くのお客様をその家に迎えたこと
・いつしか夫婦関係がおかしくなって別居に至ったこと(私が家を出たり、妻が家を出たり)
・実家から時々来てくれていた母親が近所でゼンマイを採りながら「辛抱するんだよ」と言ってくれたこと
・小学校1年生の娘と幼稚園年長の息子と一緒に風呂に入って、「3人でこれからも暮らして行こうね」と語り合ったこと
(私は、その当時の2人の写真を持っていないけれど、記憶の中ではしっかりと刻み込んでいる)
私は、研修を17:00に終えて、かつて住んでいた家を見に行こうと決心しました。
草加駅を西口から15分ほど歩き、国道4号線のバイパスを越えて100メーターほど入って左側の一角だったはずです。
周囲は大きく変わっていました。
あまりもの変貌にびっくりしました。
年子の子ども2人を乳母車に乗せてよく行っていた神社も見つかりました。
隣の工場は住宅になっていました。
ご近所だった人たちの表札が一変していました。
名義が前妻から他人に渡った家は健在でした。
私は写真を撮ってきました。
アドラー心理学のある本には「トラウマは、存在しない」と書いてあるけれど、私の中では確実に存在していました。
引き裂かれた親と子、失ってしまった愛着のある家。
あれから34年、私はこの土地に来てみてよかった。
確かに、離婚によって仕事と家と、何よりも大切な家族を失ったけれど、もっともっと大きなものを得ることができた。
長男、長女は立派に成人した。
新しい家族も得た。
それよりも社会的に意義のある仕事に就いている。
最近読んだ上田紀行氏の『人生の逃げ場』(朝日新書、760円+税)には、こんなことが書かれていました。
「置かれた場所で咲く」というのは、・・・・自分らしさを発揮してその場所で花を咲かせるといいうことです。そのためには自分を支えている精神エネルギーの源泉にまで降りていって、そこから養分を吸い上げていかないと、自分らしい花を咲かせることはできません。
私は自分の心の奥底の暗がりに隠れたまま忘れてしまっている「過去の大事な記憶」を探り当て、明るみに引き上げることが重要になると考えています。・・・・・「過去の記憶が自分を助けてくれる」こともあります。
思い返せば、私の精神エネルギーの源泉は、この体験にあったのだと気づき、確かにトラウマ的な体験だったかもしれませんが、失われた時と場所の「過去の大事な記憶」がいま、ここで生きることの助けとなっていることに気づかされた草加市の思い出でした。
思い切って愛着(というより執着)のあった土地と家を訪ねて本当によかった。
もう思い残すことはありません。
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