おはようございます。新宿区神楽坂で研修&カウンセリングの事業を営む ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。
最近読み終えた本の紹介です。
『「教えないから人が育つ」横田英毅のリーダーのリーダー学』(天外伺朗著、講談社、1,400円+税)
著者の天外伺朗氏が代表を務めるホロトロピック・ネットワークの事務局長、早川 英子さんから贈呈を受けました。
いつも早川さん、ありがとうございます。
天外氏は、高知でネッツトヨタ南国という自動車ディーラーを30年余の歳月でとてもユニークな会社に育て上げた横田英毅氏を自分の主宰する「天外塾」(企業経営者向けのセミナー)に講師として招き、その発言にコメントを与えたり、参加者との白熱したやり取りを促し、経営改革のヒントを与えるために世に出したのがこの本です。
254ページのこの本、やや冗長感がありますが、読み応えのある本でした。
あまりまとめることを意識せずに、参考になったことを列挙します。
1.P.11のよくありがちな「合理主義経営学」=「管理型」マネジメントと横田氏の推進してきた経営が該当する「人間性経営学」=「燃える集団型」マネジメントの対比が非常にわかりやすい。
2.「横田英毅経営学」の真髄は、次のとおり箇条書きできる。
(1)いい人財を集め続ければ、いつの日かいい会社になる。
(2)目標と「目的」をはっきりさせる。
(3)問題対処でなく、「問題解決」に向かう。
目に見える現象ばかりを追いかけていないで、目に見える真因を発見する。
(4)従業員満足度(ES)がお客様満足度(CS)よりずっと大切。
そのためには、従業員の人間性を尊重する。そうすると、人はエネルギーが出て、自分自身の成長につながり、良い結果が残せる。
(5)満足より感動。マネジメントのキーは、従業員を感動させること。感動した従業員は、必ず顧客を感動させる。
(6)知識として理解し、吸収することよりも、「感じる」ことが大切。そのためには、従業員に極力教えない。自ら感じて、考え、発言し、反省することを大切にする。何を発言しても許される雰囲気を作る。人は正解を押し付けてもなかなかやらない。
(7)人に仕事を任せる、ということは簡単でないが、気長に少しずつ任せる範囲を広げていけば必ずできる。
3.一般にこうあるべきだと思われているのは、経営者がどう発言し、どう行動するかを問う「行動(Doing)のマネジメント」であるのに対して、天外塾で伝えているのは、「存在(Being)のマネジメント」で、「存在のマネジメント」が実行できるためには、経営者に「愚者の演出」が要求される。
IBMやソニーなどの超一流企業で会社が傾いたときに経営者が「賢者の演出」をして転落していった。
4.「愚者の演出」は、頭で考えてこうしようと思ってもできるものではない。人間性が高まり、心の底の劣等感が解消すれば自然にできる。
5.「どうやったら人はやりがいを感じて働くことができるかというと、人間力を発揮すればいい。人間力を発揮しようと思ったら、人間力を高めないといけない」(横田談)
6.「百聞は一見にしかず」→「百見は一体験にしかず」→「一万聞は一体験にしかず」
全体を通じて横田英毅氏の超常識の経営が印象に残りましたし、それを「人間性経営学」=「燃える集団型」マネジメントの立場から引き出した天外伺朗氏のファシリテーターぶりが鮮やかな本でした。
◆タッピングタッチ協会認定インストラクターでもあるホロトロピック・ネットワークの事務局長、早川 英子さんには、7月6日(土)15:00~17:00にタッピングタッチ(体験&基礎講座) の講師をお願いしています。
受講料:4,500円(資料代「小冊子」500円+税込み)
ご一緒しませんか。
<お目休めコーナー> 6月の草花(19)
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