アドラー心理学に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリング、コンサルティングを行っています。
アドラー心理学による勇気づけ一筋40年 「勇気の伝道師」   ヒューマン・ギルド岩井俊憲の公式ブログ



おはようございます。アドラー心理に基づく勇気づけの研修(外部研修も)とカウンセリングを行う ヒューマン・ギルド の岩井俊憲です。

昨日(7月8日)は、冬に出す単著の素材集めをしていました。

自分が今までに雑誌やブログに書いていたことも、積み重なると1冊の本の十分な素材になります。

そのために私は、ブログの更新を欠かしませんし、依頼された原稿には原稿料の多寡にかかわらずお引き受けしています。
その蓄積が単行本につながることを経験上知っているからです。

さて、読書もまた自分の蓄積になります。

最近読んだ本の中で評価が高かったのが岸見一郎さんの『愛とためらいの哲学』(PHP新書、860円+税)でした。

愛とためらいの哲学 (PHP新書)
岸見 一郎
PHP研究所

この本の評価を高めた最大の箇所は、「おわりに」の冒頭に書かれた子どもを出産するために実家に帰って来ていた娘さんが、ある日、こんなことを言った、と書かれた部分です。

 「結婚して、いいことしかない」

岸見さんがさりげなく書いていることは、普通の話法を覆す娘さんの言葉でした。

このことでおそらく、岸見さんご夫婦が娘さんのよい夫婦モデルになっていたことと、岸見さんが娘さんに対して結婚に向けての好ましい影響を与えていたことが察せられます。

この本には、アルフレッド・アドラーがほんの一部にしか登場しません。

表紙に「アドラー、フロム、三木清、プラトン・・・・・賢人たちから学ぶ幸福になるための『愛する技術』」と記されているだけです。

この本の中で私の印象に残った箇所は次のとおりです。

・子どもが生まれても相手の呼び方を変えないこと。
「お父さん」「お母さん」とお互いを呼ぶようになると、家庭が子ども中心に回り始めることで問題が起こる。
(第2章)

・大切なのは、「自分は一人でも生きられる。それでも2人でいた方が、同じ体験を共有する喜びを持つことができる」と考えること。
(第3章)

・どうしてもパートナーに機嫌よくふるまえない時は、仕事でもう一人、顧客と会うのだと思って接すること。また、嫉妬と縁遠くありたいならば、自分を個性ある存在として自信をもつこと。
(第4章)

第4章(終章)の最後の「私たちは愛の経験を通じて何を学ぶのでしょうか」から始まるフレーズは、あえて書きませんが、ジワーと迫ってくる文章です。

そこのところは、実際にこの本をお買い求めの上であなたも味わってください。

なお、この本の目次は、次のとおりです。

はじめに

第1章 なぜあなたの「恋愛」は幸せをもたらさないのか

第2章 結婚と子育ての困難について

第3章 人を愛するとはどういうことなのか

第4章 幸福になるための「愛する技術」

おわりに

愛を哲学してみたい方にお勧めの本です。

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